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法令の確認日 2026年9月13日e-Govと照合済み

社労士 健康保険法 問2|標準報酬月額の上限

問題

社労士 | 健康保険法 | 令和9年度(2027年度)試験対応・数値確認日 2026-10-01

健康保険における標準報酬月額と、厚生年金保険における標準報酬月額の上限に関する次のア〜オの記述のうち、正しいものはどれか。

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答え合わせ

正解は イ
  • ア
  • イ
  • ウ
  • エ
  • オ

自信の3択

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解説

正答はイ(正しい記述)です。

健康保険の標準報酬月額上限は139万円(第50級)、厚生年金保険の上限は65万円(第32級)で、両者は別々に定められています。報酬が65万円を超える被保険者は、厚生年金保険では65万円を上限として保険料を計算し、健康保険では実際の報酬(最大139万円)を基準に保険料を計算します。つまり、同じ被保険者でも健保と厚年で異なる標準報酬月額を使うことになります。

アは誤りで、厚生年金保険の第1級は8万8千円です(5万8千円は健康保険の第1級)。ウは誤りで、厚生年金の68万円(第33級)への引上げは令和9年(2027年)9月からであり、令和8年度試験の基準日(2026年4月10日)時点では未施行です。オは誤りで、厚生年金保険の標準賞与額の上限は1月あたり150万円です(年度累計573万円は健康保険)。

標準報酬月額の上限比較(必須暗記):

項目健康保険厚生年金保険
等級第1級〜第50級第1級〜第32級
最低等級の額5万8千円8万8千円
最高等級の額(上限)1,390,000円/月(139万円)650,000円/月(65万円・令和8年度試験基準値)
根拠条文健保法第40条第1項厚年法第20条第1項(表は第31級62万円まで)+同条第2項に基づく令和2年政令第246号(2020年9月から第32級65万円を追加)

標準賞与額の上限比較:

項目健康保険厚生年金保険
上限年度累計573万円賞与を受けた月ごとに150万円
根拠健保法第45条厚年法第24条の4

厚生年金の上限引上げスケジュール(令和8年度試験では出題対象外):

  • 現行: 65万円(第32級)→ 令和9年(2027年)9月〜: 68万円(第33級)→ 令和10年9月〜: 71万円(第34級)→ 令和11年9月〜: 75万円(第35級)(令和7年法律第74号による厚年法第20条の改正)
  • 令和8年度試験の基準日(令和8年4月10日)時点の厚生年金の上限は65万円。68万円は令和9年(2027年)9月からで、令和8年度試験の対象外

各選択肢の解説:

  • ア(誤): 健保の等級・上限(第1級5万8千円〜第50級139万円)と厚年の上限(第32級65万円)は正しいが、厚年の第1級は8万8千円(厚年法第20条第1項)であり、「5万8千円」は誤り。なお厚年法第20条第1項の表そのものは第31級(62万円)までで、第32級(65万円)は、全被保険者の標準報酬月額の平均額の2倍が最高等級を超える状態が続くときに政令で最高等級の上に等級を加えるという同条第2項の仕組みにより、令和2年政令第246号で2020年9月に加えられたものです。
  • イ(正): 高報酬の被保険者では、健保と厚年で異なる標準報酬月額が適用される仕組みを正確に説明しています。実務でも二つの標準報酬月額を別々に管理することがあります。
  • ウ(誤): 厚生年金の68万円(第33級)化は2027年9月〜(段階施行)。令和8年度試験の基準日(2026年4月10日)時点では未施行であり、「既に改定されている」は誤り。
  • エ(誤): 健保上限が厚年より高いこと自体は事実(139万÷65万≒2.14倍)。しかし「療養費の給付額が標準報酬月額に比例して増額される」は誤り。療養費(健保法第87条)は本来現物給付(保険診療)を代替する実費補填型給付で、給付額は実際の医療費(療養に要した費用)に基づき算定され、標準報酬月額には比例しません。高額療養費の自己負担限度額が標準報酬と連動するのは事実ですが、「療養費の給付額が高報酬者ほど高くなる」とは別の話。標準報酬月額を基礎に算定されるのは傷病手当金・出産手当金等の現金給付であり、療養費ではない。
  • オ(誤): 標準賞与額の上限は、健保が年度累計573万円(健保法第45条第1項)、厚年が1月あたり150万円(厚年法第24条の4第1項)。厚年も「年度累計573万円」とするのは誤り。「年度」と「1月(1回)」の違いが試験で問われます。

【標準報酬月額の等級制度の趣旨と健保・厚年の上限格差の理由】

標準報酬月額は実際の報酬を一定の範囲(等級)に区分することで、①保険料計算の事務負担の軽減と②給付計算の簡便化を実現します。健康保険と厚生年金の等級数・上限が異なる理由は、給付の性格の違いにあります:

健康保険(上限139万円):

  • 主な給付: 療養費・傷病手当金・出産手当金・出産育児一時金・高額療養費
  • 傷病手当金・出産手当金は「標準報酬日額の3分の2相当」として計算
  • 高報酬者の実際の収入に近い給付が求められるため、上限を高く設定

厚生年金(上限65万円・令和8年度):

  • 主な給付: 老齢・障害・遺族厚生年金(報酬比例部分の計算基礎)
  • 年金は所得代替機能が主であり、一定額以上の報酬は年金額に反映させない設計(年金の所得再分配機能)
  • 上限を低く設定することで、超高所得者への過大な年金給付を防ぎつつ保険料は上限で徴収

この格差が「高報酬者は健保・厚年で異なる標準報酬月額が適用される」という複雑な実務状況を生み出します。

【厚生年金の上限引上げ計画の詳細(試験と実務の両方で重要)】

厚生年金の標準報酬月額の上限引上げは段階的に実施されます:

施行時期新上限等級上限額令和8年度試験での扱い
現行(〜2027年8月)第32級65万円出題対象
2027年9月〜第33級68万円対象外(令和8年度試験では未施行)
2028年9月〜第34級71万円対象外
2029年9月〜第35級75万円対象外

令和8年度試験の基準日(令和8年4月10日)時点では65万円で、68万円は2027年9月からです。令和9年度試験(2027年度)では68万円が出題対象になる可能性が高い点に注意してください。

【標準賞与額の「年度累計573万円」と「1回150万円」の使い分け実務】

賞与(ボーナス)の保険料算定では、算定基礎が健保と厚年で異なります:

健康保険(年度累計573万円):

  • 「年度」=4月1日〜翌年3月31日
  • 複数回の賞与をすべて合算し、累計573万円を超えた分は保険料算定対象外
  • 実務: 4月の賞与から計算し直し、年度をまたいだ前年分は累計にカウントしない

厚生年金(賞与を受けた月ごとに150万円):

  • 賞与を受けた月ごとに標準賞与額を決定し、150万円を超えた分は対象外(厚年法第24条の4第1項。150万円は令和2年政令第246号第2条で定める額)
  • 年複数回賞与の場合、支給月ごとに個別に判定
  • 分割支給(例: 月額大額を毎月支給)は実態が賞与かどうかで判定

実務では、この違いを理解して年末賞与や夏季賞与の保険料を正確に計算することが社労士業務の基本です。分割支給による標準報酬月額への算入・除外の判定は年金事務所との疎通が必要な場合もあります。

【上位資格への接続:適用拡大と標準報酬月額の今後の変化】

社会保険の適用拡大(令和7年法律第74号による短時間労働者の賃金要件の撤廃〔公布から3年以内の政令で定める日〕・企業規模要件の10年かけての段階的な縮小・撤廃)により、新たに厚生年金・健保の被保険者となるパートタイム労働者が増加します。これらの労働者の報酬は比較的低い水準のため、標準報酬月額の低位等級が適用されるケースが多くなります。第1級(5万8千円・健保)や第1級(8万8千円・厚年)の最低等級の意味と適用条件も、実務では重要です。また、適用拡大によって「手取りが減る」という「106万円の壁」問題が生じており、これは社一(問12)とも連動する政策論点です。

【傷病手当金算定における標準報酬日額の重要性】

傷病手当金(健保法第99条第2項)の日額は「支給開始日の属する月以前の直近の継続した12月間の各月の標準報酬月額を平均した額の30分の1の3分の2」です。12月間すべて139万円の高報酬者なら、139万円÷30(端数処理後46,330円)×2/3≒30,887円/日となります。この計算は試験の計算問題として出題されることがあり、上限額の正確な把握が得点に直結します。

この問題の根拠条番号はe-Govの本文と機械で照合しています(2026-09-13)。照合の方法
訂正の記録この問題の訂正はありません(サイト全体の記録)
出典と作り方

本問は合格ナビが作成したオリジナル問題です(本試験問題の転載ではありません)。 根拠・出典:根拠: 健康保険法第40条(標準報酬月額の等級・第1〜50級)・第45条(標準賞与額・573万円)、厚生年金保険法第20条第1項(等級表は第1〜31級)・同条第2項に基づく「厚生年金保険法の標準報酬月額の等級区分の改定等に関する政令」(令和2年政令第246号。第32級65万円を加える改定・2020年9月1日施行)・第24条の4(標準賞与額・150万円)、令和7年法律第74号による厚年法第20条の改正(2027年9月1日から第33級68万円・2028年9月1日から第34級71万円・2029年9月1日から第35級75万円。e-Gov の未施行版で確認) 数値: 健康保険の標準報酬月額の上限1,390,000円/月(139万円・現行)/厚生年金保険の標準報酬月額の上限650,000円/月(65万円・令和8年度試験の基準) 各根拠条文は厚生労働省「e-Gov法令検索」(https://elaws.e-gov.go.jp/)で原文を確認できます。令和9年度(2027年度)試験に向けて2026年10月1日時点の現行法令の数値を反映(令和9年4月の法改正で変わる箇所は試験前に更新・数値確認日 2026-10-01)。

本問・解説は試験対策のための学習コンテンツです。法令・通達は改正されることがあるため、最新の内容は厚生労働省・全国社会保険労務士会連合会の公式情報をご確認ください。

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  • 頻出度A

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