社労士
法令の確認日 2026年9月13日e-Govと照合済み

社労士 国民年金法 問1国民年金法

問題

社労士 | 国民年金法 | 令和9年度(2027年度)試験対応・数値確認日 2026-10-01

老齢基礎年金の年金額に関する次のア〜オの記述のうち、正しいものはどれか。

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答え合わせ

正解は ア
  • ア
  • イ
  • ウ
  • エ
  • オ

自信の3択

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解説

正答はアです。

令和8年度の老齢基礎年金満額は、昭和31年4月2日以後生まれの方は月額70,608円(年額847,300円)です(日本年金機構の公表値)。前年度から1.9%のプラス改定が行われました。

イは誤りで、老齢基礎年金の満額は生年月日による区分があります。昭和31年4月2日以後生まれが70,608円、昭和31年4月1日以前生まれが70,408円と、200円の差があります。

エは誤りで、昭和37年4月2日以後生まれの繰上げの減額率は1か月あたり0.4%です(0.5%は昭和37年4月1日以前生まれの率)。

オは誤りで、老齢基礎年金の受給資格期間は平成29年8月以降、25年から10年(120か月)に短縮されています。「25年必要」という記述は改正前の制度です。

令和8年度 老齢基礎年金 年金額(必須数値):

生年月日月額年額
昭和31年4月2日以後生まれ(代表値)70,608円/月(70,608円)847,300円
昭和31年4月1日以前生まれ70,408円/月(70,408円)844,900円
改定率(基礎年金)1.9%(+1.9%)—

各選択肢の解説:

  • ア(正): 月額70,608円(昭和31年4月2日以後生まれ)・前年度比+1.9%は日本年金機構の公表値どおりです。試験では生年区分の違い(70,608円 vs 70,408円)が数字問題として出題されます。
  • イ(誤): 生年月日による区分は明確に存在します。65歳到達後一定の年度(基準年度)以後の受給権者は、改定率を原則として物価変動率を基準に改定する(国民年金法第27条の3)など、改定率の決め方が年齢によって異なるためで、昭和31年4月1日以前生まれは70,408円です。この生年区分は試験頻出のひっかけです。
  • ウ(誤): 令和8年度はマクロ経済スライドが発動された(名目手取り賃金変動率+2.1%に対し、マクロ経済スライド調整率▲0.2%が適用され、基礎年金改定率+1.9%が決定)。「発動されなかった」とする記述は誤り。厚労省プレス(001639615.pdf・令和8年度の年金額改定)一次確認・確認日2026-06-07。
  • エ(誤): 昭和37年4月2日以後生まれの繰上げの減額率は1か月あたり0.4%(令和4年4月施行の改正で0.5%から引下げ)。「0.5%」は昭和37年4月1日以前生まれの率です。最大60か月繰り上げると0.4%×60=24%の減額になります。
  • オ(誤): 受給資格期間は平成29年(2017年)8月1日から10年(120か月)に短縮されました(国民年金法第26条・「25年」ルールは廃止)。25年(300か月)という記述は改正前の制度。

【老齢基礎年金の額の決定式と「生年区分」が生まれる理由】

老齢基礎年金の満額は、国民年金法第27条(780,900円×改定率)により毎年度改定されます。「生年区分」(昭和31年4月1日以前/以後)が存在する理由は、改定率の決め方が受給権者の年齢で異なるためです。

改定率は原則として名目手取り賃金変動率を基準に改定されますが(第27条の2)、65歳到達後の一定の年度(基準年度)以後の受給権者は、物価変動率を基準に改定されます(物価変動率が名目手取り賃金変動率を上回るときは賃金変動率。第27条の3)。賃金と物価の伸びが違った年度の差が積み重なり、年齢の高い層の満額が低くなっています。試験では「昭和31年4月2日以後が代表値(70,608円)、以前は70,408円」という暗記で対応しますが、実務では個々の受給者の生年を確認して正確に計算する必要があります。

【マクロ経済スライドの仕組み(詳細)】

マクロ経済スライドは2004年(平成16年)の改正で導入された「自動的な年金財政調整装置」です(国民年金法第16条の2(調整期間)・第27条の4・第27条の5):

発動の仕組み:

1. 毎年、賃金変動率または物価変動率に基づく「通常改定率」を算出

2. 通常改定率から「スライド調整率」(公的年金被保険者総数の変動率+平均余命の伸び率を勘案した一定率。令和8年度は+0.1%+▲0.3%=▲0.2%・厚生労働省発表)を差し引く

3. 差し引いた率で年金額を改定

キャリーオーバー(繰り越し)制度:

  • 物価・賃金が低迷した年は通常改定率がスライド調整率より小さくなるため「名目下限(年金額を下げない)」が優先されてスライドが発動できない
  • 発動できなかった調整分は翌年以降に繰り越され(キャリーオーバー)、物価・賃金が上昇した年に加算的に発動
  • 令和8年度はマクロ経済スライドが発動された(名目手取り賃金変動率+2.1%にスライド調整率▲0.2%を適用 → 基礎年金改定率+1.9%・厚労省プレス001639615.pdf一次確認・2026-06-07)。なお厚生年金(報酬比例部分)の改定率は+2.0%です(日本年金機構「令和8年4月分からの年金額等」)。
  • キャリーオーバーは条文上「特別調整率」として第27条の4第1項・第3項(既裁定者は第27条の5)に組み込まれており、名目下限も同じ条の「当該率が一を下回るときは、一」という括弧書きで定められています。

【受給資格期間の短縮とその社会的意義】

平成29年8月の受給資格期間短縮(25年→10年)の背景:

  • 無年金者問題(保険料を払い続けたが25年に満たず無年金となる者)の解消
  • 非正規雇用・転職歴の多い世代の年金受給機会を確保
  • 外国人労働者の短期就労後の年金受給権確保にも貢献(日本で10年加入すれば受給可)

10年(120か月)の内訳:

  • 保険料納付済期間(1号・2号・3号)
  • 保険料免除期間(法定免除・申請免除・学生納付特例・納付猶予)
  • 合算対象期間(カラ期間)

ただし「受給権が発生する10年」と「年金額の計算に算入される期間(納付月数)」は別物です。受給権がある10年でも、実際の年金額は納付・免除の月数に応じて計算されます(免除期間は2分の1または4分の1等の換算率)。

【繰り上げ・繰り下げ受給の実務的判断(上位接続)】

繰り上げ受給(60〜64歳):

  • 減額率: 1か月あたり0.4%(昭和37年4月2日以後生まれ・改正後)
  • 最大60か月繰り上げ → 24%減額(旧制度は30%減で緩和された)
  • 繰り上げると取消不可・障害基礎年金との選択的受給の機会を失う可能性

繰り下げ受給(66〜75歳・最大10年):

  • 増額率: 1か月あたり0.7%(最大84%増・75歳繰下げの場合)
  • 令和4年4月から繰り下げ上限が70歳→75歳に拡大
  • 繰り下げ待機中に死亡した場合は、65歳時点の額(繰下げによる増額なし)で決定したうえで、過去分が未支給年金として遺族に一括して支払われる(時効5年・日本年金機構)

これらの損益分岐点(何歳まで生存すれば繰り下げが有利か)の計算は、社労士実務における年金相談の核心業務であり、顧客の健康状態・家族構成・税負担を総合考慮した個別提案が求められます。

この問題の根拠条番号はe-Govの本文と機械で照合しています(2026-09-13)。照合の方法
訂正の記録この問題の訂正はありません(サイト全体の記録)
出典と作り方

本問は合格ナビが作成したオリジナル問題です(本試験問題の転載ではありません)。 根拠・出典:根拠: 国民年金法第26条(支給要件)・第27条(年金額)・第27条の3(基準年度以後改定率)・第27条の4(調整期間における改定率の改定の特例)・第28条(支給の繰下げ)・附則第9条の2(支給の繰上げ)、厚生労働省「令和8年度の年金額改定についてお知らせします」(令和8年1月23日・https://www.mhlw.go.jp/content/12502000/001639615.pdf・2026-09-30確認) 数値: 老齢基礎年金の満額は昭和31年4月2日以後生まれ70,608円/月(70,608円/月)・昭和31年4月1日以前生まれ70,408円/月(70,408円/月)、改定率1.9%(+1.9%)(いずれも2026年4月1日から・令和8年度試験の基準日時点で施行済) 各根拠条文は厚生労働省「e-Gov法令検索」(https://elaws.e-gov.go.jp/)で原文を確認できます。令和9年度(2027年度)試験に向けて2026年10月1日時点の現行法令の数値を反映(令和9年4月の法改正で変わる箇所は試験前に更新・数値確認日 2026-10-01)。

本問・解説は試験対策のための学習コンテンツです。法令・通達は改正されることがあるため、最新の内容は厚生労働省・全国社会保険労務士会連合会の公式情報をご確認ください。

この問題の関連トピック

  • 老齢基礎年金の満額と改定率・生年区分
  • 頻出度A

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