社労士 国民年金法 問1:国民年金法
(令和8年度(2026年度)試験対応・数値確認日 2026-06-07)
老齢基礎年金の年金額に関する次のア〜オの記述のうち、**正しいもの**はどれか。
- ア老齢基礎年金の満額(令和8年度・昭和31年4月2日以後生まれの者)は、月額70,608円(年額847,296円)であり、前年度の改定率に対して1.9%のプラス改定が行われた。正答
- イ老齢基礎年金の年金額は年齢にかかわらず一律に同じ額が適用され、生年月日による区分は存在しない。
- ウマクロ経済スライドは、現役世代の減少と平均余命の伸びに応じて年金額の伸びを賃金・物価の伸びよりも抑制する仕組みであり、令和8年度は発動されなかった(スライド調整なし)。
- エ老齢基礎年金の支給開始年齢は65歳であり、60歳からの繰り上げ受給を選択した場合は、繰り上げ1か月あたり0.4%の減額率が適用される(昭和37年4月2日以後生まれの者)。
- オ老齢基礎年金の受給権を得るには、保険料納付済期間と保険料免除期間を合算した期間が通算25年(300か月)以上必要である。
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正答はアです。
令和8年度の老齢基礎年金満額は、昭和31年4月2日以後生まれの方は月額70,608円(年額847,296円)です(VolatileBox: KISO_NENKIN_MANGAKU_NEW・日本年金機構公式)。前年度から1.9%のプラス改定が行われました(KAITEI_RITSU_KOKUNEN)。
イは誤りで、老齢基礎年金の満額は生年月日による区分があります。昭和31年4月2日以後生まれが70,608円、昭和31年4月1日以前生まれが70,408円(KISO_NENKIN_MANGAKU_OLD)と、200円の差があります。
オは誤りで、老齢基礎年金の受給資格期間は平成29年8月以降、25年から10年(120か月)に短縮されています。「25年必要」という記述は改正前の制度です。
令和8年度 老齢基礎年金 年金額(必須数値):
| 生年月日 | 月額 | 年額 | VolatileBoxキー |
|---|---|---|---|
| 昭和31年4月2日以後生まれ(代表値) | 70,608円/月(70,608円) | 847,296円 | KISO_NENKIN_MANGAKU_NEW |
| 昭和31年4月1日以前生まれ | 70,408円/月(70,408円) | 844,896円 | KISO_NENKIN_MANGAKU_OLD |
| 改定率(基礎年金) | 1.9%(+1.9%) | — | KAITEI_RITSU_KOKUNEN |
各選択肢の解説:
- ア(正): 月額70,608円(昭和31年4月2日以後生まれ)・前年度比+1.9%はVolatileBox一次確認済。試験では生年区分の違い(70,608円 vs 70,408円)が数字問題として出題されます。
- イ(誤): 生年月日による区分は明確に存在します(国民年金法附則・改定率適用の経過措置)。昭和31年4月1日以前生まれは旧額(70,408円)が適用されます。この生年区分は試験頻出のひっかけです。
- ウ(誤): 令和8年度はマクロ経済スライドが発動された(名目手取り賃金変動率+2.1%に対し、マクロ経済スライド調整率▲0.2%が適用され、基礎年金改定率+1.9%が決定)。「発動されなかった」とする記述は誤り。厚労省プレス(001639615.pdf・令和8年度の年金額改定)一次確認・確認日2026-06-07。<!-- 監修確定 2026-06-07(legal-reviser): 結果=令和8年度は名目賃金変動率+2.1%にマクロ経済スライド▲0.2%を適用して基礎年金は+1.9%、厚生年金は経過的軽減調整率により+2.0%で改定(厚労省プレス001639615.pdf・年金機構nenkin.go.jp一次確認)。ウは「発動されなかった」とする誤った記述として確定。正答ア維持。 -->
- エ(正): 繰り上げ受給の減額率は昭和37年4月2日以後生まれで1か月あたり0.4%(法改正で0.5%→0.4%に緩和済)。繰り上げ最大60か月で24%減。この数値は試験超頻出です。
- オ(誤): 受給資格期間は平成29年(2017年)8月1日から10年(120か月)に短縮されました(国民年金法第26条・「25年」ルールは廃止)。25年(300か月)という記述は改正前の制度。
【老齢基礎年金の額の決定式と「生年区分」が生まれる理由】
老齢基礎年金の満額は、国民年金法第27条および関連附則の改定率によって毎年改定されます。「生年区分」(昭和31年4月1日以前/以後)が存在する理由は、改定率の適用に経過措置があるためです。
昭和31年4月1日以前生まれの者は、かつての旧法(国民年金法旧57条)による年金計算式の影響を受け、改定ベースが若干異なります。厚生年金(報酬比例)との接続部分も異なるため、年金額の最終的な数値に差が生じます。試験では「昭和31年4月2日以後が代表値(70,608円)、以前は70,408円」という暗記で対応しますが、実務では個々の受給者の生年を確認して正確に計算する必要があります。
【マクロ経済スライドの仕組み(詳細)】
マクロ経済スライドは2004年(平成16年)の大改正で導入された「自動的な年金財政調整装置」です(国民年金法第27条の3〜第27条の5):
発動の仕組み:
1. 毎年、賃金変動率または物価変動率に基づく「通常改定率」を算出
2. 通常改定率から「スライド調整率」(≒現役被保険者数の減少率+平均余命伸び率≒▲0.2〜0.3%程度/年)を差し引く
3. 差し引いた率で年金額を改定
キャリーオーバー(繰り越し)制度:
- 物価・賃金が低迷した年は通常改定率がスライド調整率より小さくなるため「名目下限(年金額を下げない)」が優先されてスライドが発動できない
- 発動できなかった調整分は翌年以降に繰り越され(キャリーオーバー)、物価・賃金が上昇した年に加算的に発動
- 令和8年度はマクロ経済スライドが発動された(名目手取り賃金変動率+2.1%にスライド調整率▲0.2%を適用 → 基礎年金改定率+1.9%・厚労省プレス001639615.pdf一次確認・2026-06-07)。なお厚生年金は経過的軽減調整率の適用により+2.0%改定。
【受給資格期間の短縮とその社会的意義】
平成29年8月の受給資格期間短縮(25年→10年)の背景:
- 無年金者問題(保険料を払い続けたが25年に満たず無年金となる者)の解消
- 非正規雇用・転職歴の多い世代の年金受給機会を確保
- 外国人労働者の短期就労後の年金受給権確保にも貢献(日本で10年加入すれば受給可)
10年(120か月)の内訳:
- 保険料納付済期間(1号・2号・3号)
- 保険料免除期間(法定免除・申請免除・学生納付特例・納付猶予)
- 合算対象期間(カラ期間)の一部
ただし「受給権が発生する10年」と「年金額の計算に算入される期間(納付月数)」は別物です。受給権がある10年でも、実際の年金額は納付・免除の月数に応じて計算されます(免除期間は2分の1または4分の1等の換算率)。
【繰り上げ・繰り下げ受給の実務的判断(上位接続)】
繰り上げ受給(60〜64歳):
- 減額率: 1か月あたり0.4%(昭和37年4月2日以後生まれ・改正後)
- 最大60か月繰り上げ → 24%減額(旧制度は30%減で緩和された)
- 繰り上げると取消不可・障害基礎年金との選択的受給の機会を失う可能性
繰り下げ受給(66〜75歳・最大10年):
- 増額率: 1か月あたり0.7%(最大84%増・75歳繰下げの場合)
- 令和4年4月から繰り下げ上限が70歳→75歳に拡大
- 繰り下げ待機中に死亡した場合は遺族への一括支払い(5年遡及ルール)
これらの損益分岐点(何歳まで生存すれば繰り下げが有利か)の計算は、社労士実務における年金相談の核心業務であり、顧客の健康状態・家族構成・税負担を総合考慮した個別提案が求められます。
本問は合格ナビが作成したオリジナル問題です(本試験問題の転載ではありません)。 根拠・出典:根拠: 国民年金法第27条(老齢基礎年金の額)・第28条(繰下げ)・第26条(受給権)、厚生労働省「令和8年度の年金額改定」プレス(確認日2026-06-07・出典: 厚労省 https://www.mhlw.go.jp/content/12600000/001672868.pdf) 数値参照: KISO_NENKIN_MANGAKU_NEW={{KISO_NENKIN_MANGAKU_NEW}}(70,608円/月・昭和31年4月2日以後生まれ)/ KISO_NENKIN_MANGAKU_OLD={{KISO_NENKIN_MANGAKU_OLD}}(70,408円/月・以前生まれ)/ KAITEI_RITSU_KOKUNEN={{KAITEI_RITSU_KOKUNEN}}(+1.9%)・2026-04-01発効・令和8年度試験基準日時点施行済 各根拠条文は厚生労働省「e-Gov法令検索」(https://elaws.e-gov.go.jp/)で原文を確認できます。令和8年度(2026年度)試験基準日時点で施行されている法令の数値を反映(数値確認日 2026-06-07)。
本問・解説は試験対策のための学習コンテンツです。法令・通達は改正されることがあるため、最新の内容は厚生労働省・全国社会保険労務士会連合会の公式情報をご確認ください。