厚生年金保険法2厚生年金保険法

社労士 厚生年金保険法 問2:厚生年金保険法

令和8年度(2026年度)試験対応・数値確認日 2026-06-07

厚生年金保険の被保険者に関する次のア〜オの記述のうち、**正しいもの**はどれか。

  • 厚生年金保険の被保険者資格は70歳に達した日に自動的に喪失し、その後は高齢任意加入被保険者としての加入手続きが必要となる。高齢任意加入被保険者の保険料は全額事業主負担となる。
  • 適用事業所に使用される70歳以上の者は、老齢年金の受給権の有無を問わず、すべて高齢任意加入被保険者として厚生年金に任意加入することができる。
  • 厚生年金保険の適用事業所に使用される70歳未満の者は、週の所定労働時間および月の所定労働日数が一般従業員の4分の3以上であれば強制適用の被保険者となる(令和8年度試験基準日時点・賃金要件は適用拡大経過措置中)。
  • 65歳以上70歳未満であっても、厚生年金保険の被保険者である者は、国民年金の第2号被保険者となる。ただし、老齢基礎年金または老齢厚生年金の受給権を有する者は第2号被保険者とならない。正答
  • 厚生年金保険の被保険者は、1種から4種に分類されており、第1種被保険者が一般の者、第2種被保険者が船員、第3種被保険者が坑内員、第4種被保険者が任意継続被保険者である。
正答:65歳以上70歳未満であっても、厚生年金保険の被保険者である者は、国民年金の第2号被保険者となる。ただし、老齢基礎年金または老齢厚生年金の受給権を有する者は第2号被保険者とならない。

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正答はエです。

厚生年金保険の被保険者(70歳未満)は、国民年金の第2号被保険者となります(国民年金法第7条第1項第2号)。ただし、65歳以上で老齢基礎年金または老齢厚生年金の受給権を有する者は第2号被保険者とならないという例外があります。エはこの規定を正確に記述しています。

アは誤りで、高齢任意加入被保険者(70歳以上)の保険料は原則として本人と事業主の折半ですが、事業主が同意しない場合は本人が全額負担します(「全額事業主負担」は誤り)。

オは誤りで、厚生年金保険に「4種被保険者」という区分は現在存在しません。以前は存在した旧制度です(現行制度は第1種〜第3種のみ)。

標準試験対策の基準レベル

厚生年金保険 被保険者の種別と70歳の壁(必須整理):

| 区分 | 内容 | 保険料 |

|---|---|---|

| 第1種被保険者 | 一般の被保険者(船員・坑内員以外) | 標準報酬×料率÷2(労使折半) |

| 第2種被保険者 | 船員 | 同上(料率は別途・現在統合) |

| 第3種被保険者 | 坑内員 | 同上(特例あり) |

| 高齢任意加入被保険者 | 70歳以上で老齢年金の受給権なし(受給資格未充足の者) | 本人・事業主折半(同意あり)または全額本人負担(同意なし) |

70歳前後の被保険者資格の変化:

| 年齢 | 状態 | 厚年被保険者 | 国年第2号被保険者 |

|---|---|---|---|

| 〜65歳未満 | 適用事業所で使用 | 強制加入(被保険者) | ○(第2号) |

| 65〜70歳未満 | 適用事業所で使用・老齢受給権なし | 強制加入(被保険者) | ○(第2号) |

| 65〜70歳未満 | 適用事業所で使用・老齢受給権あり | 強制加入(被保険者) | ✕(第2号でない) |

| 70歳以上 | 適用事業所で使用 | 被保険者ではない(高齢任意加入は別制度) | ✕ |

各選択肢の解説:

  • ア(誤): 高齢任意加入被保険者の保険料は「事業主の同意があれば労使折半、同意がなければ本人全額負担」です(「全額事業主負担」は誤り)。
  • イ(誤): 高齢任意加入は老齢年金の受給権を有しない者が対象。老齢年金の受給権がある者(受給資格を満たした者)は高齢任意加入できません(厚年附則第4条の3第1項)。
  • ウ(部分的に正): 4分の3基準(所定労働時間・所定労働日数)は正しい。令和8年度試験基準日(2026-04-10)時点では賃金要件(月8.8万円)は経過措置中で適用拡大が段階的に進行中。ただし「賃金要件は適用拡大経過措置中」という注記は正確(VOLATILE: SHA_TEKIYO_KAKUDAI_CHINGIN_ABOLITION_DATE=2026-10-01・試験基準日時点では未施行)。
  • エ(正): 国年法第7条第1項第2号の規定の通り。65歳以上・老齢受給権あり→第2号非該当が重要な例外。
  • オ(誤): 「第4種被保険者(任意継続)」は旧厚生年金保険法の区分で、現行法(平成14年改正後)では廃止されています。現行は第1種・第2種・第3種(および高齢任意加入被保険者は別扱い)。
上級誤答論破・根拠条文・通達まで深掘り

【70歳上限の立法背景と「高齢任意加入」の限定的適用】

厚生年金保険の強制加入上限が70歳とされている理由は、制度創設当初(1954年)の平均寿命(当時の男性平均寿命約60歳)と就労実態に基づいており、現在の高齢化社会には必ずしも適合していません。

現在、70歳以上の就労者(高齢任意加入以外)は「70歳以上被用者(7ゼロ以上)」として特別扱いされます:

  • 70歳以上被用者は厚生年金保険料の徴収対象外
  • ただし「在職老齢年金の計算」「在職定時改定(在職中の年金額改定)」の対象
  • つまり、報酬があれば在職老齢年金で年金が一部停止される可能性があるが、保険料は払わない、という特殊な立場

この「保険料なし・在老停止あり」という逆転的な状況が、高齢就労の抑制要因の一つと指摘されており、将来的な70歳上限の廃止・適用拡大が政策議論されています。

【適用拡大の段階的変化(令和8年度試験での出題範囲の確認)】

厚生年金の適用拡大は以下の段階で進行中です:

| 施行日 | 対象企業規模 | 適用される4要件 |

|---|---|---|

| 2016年10月〜 | 501人以上 | 週20時間以上・月8.8万円以上・継続1年見込み・学生除く |

| 2022年10月〜 | 101人以上 | 同上(継続要件は2か月超に変更) |

| 2024年10月〜 | 51人以上 | 同上 |

| 2026年10月〜 | すべての企業 | 月8.8万円要件(賃金要件)を撤廃 |

| 2035年10月(予定)まで段階的 | すべての企業・人数要件撤廃 | 詳細は別途 |

令和8年度試験基準日(2026-04-10)時点では「51人以上・週20時間以上・月8.8万円以上」が有効な要件です。2026年10月の賃金要件撤廃は試験基準日後のため出題対象外(VOLATILE: SHA_TEKIYO_KAKUDAI_CHINGIN_ABOLITION_DATE・valid_for_exam=false)。

ただし、「51人以上の事業所における適用拡大」(2024年10月施行)は令和8年度試験の出題対象であることに注意が必要です。「101人以上」を正しいとする選択肢は誤りです。

【第2種(船員)・第3種(坑内員)被保険者の特例と現状】

船員(第2種)と坑内員(第3種)は、険しい労働環境から年金の特例がかつて設けられていましたが、現在は多くの面で一般被保険者(第1種)と統合されています:

  • 船員: 平成12年(2000年)の法改正で保険料率・支給要件を一本化。ただし「船員保険」(疾病・失業部分)は別途残存。社労士試験では「船員保険の適用」「船員と一般との違い」が出題されることがある。
  • 坑内員: 老齢厚生年金の特例(55歳支給開始→段階的廃止)が一部残存。令和8年度試験では「坑内員・船員の繰上げ特例」(厚年法附則第8条の3等)が出題対象。

【国民年金第2号被保険者の「65歳・受給権あり」除外規定と実務への影響】

65歳以上の厚生年金被保険者が国民年金第2号被保険者から除外される規定(国年法第7条第1項第2号)は、以下の実務上の問題を引き起こします:

1. 配偶者の第3号被保険者資格: 65歳以上の厚生年金被保険者(かつ老齢受給権あり)は第2号被保険者でないため、その配偶者は第3号被保険者になれない(第1号被保険者として国民年金に加入し保険料を自ら払う必要がある)

2. 基礎年金拠出金の対象外: 第2号被保険者でない者の保険料は基礎年金拠出金の計算対象外となり、財政的な整理が異なる

この規定は、65歳以上の従業員を雇用する際の社会保険手続き(被扶養者確認を含む)として実務で頻繁に問題になる論点です。

<!-- 監修確定 2026-06-07 legal-reviser: (1)正答エ(厚年被保険者は国年第2号、65歳以上で老齢給付受給権あれば第2号除外)はe-Gov国年法第7条第1項第2号で確認・正しい。(2)選択肢ア:高齢任意加入の保険料は事業主同意あり折半・なし全額本人負担(厚年法附則第4条の3)→「全額事業主負担」は誤り。(3)選択肢オ:第4種被保険者(任意継続)は旧法規定で現行法廃止(平成14年改正)。(4)選択肢ウ:4分の3基準は正しいが、適用拡大の賃金要件月8.8万円撤廃(SHA_TEKIYO_KAKUDAI_CHINGIN_ABOLITION_DATE=2026-10-01)は試験基準日後=未施行=現行は経過措置中で出題=記述は正確。(5)厚年標準報酬上限65万円(KOSEI_HYOJUN_HOSHU_MAX)は試験基準日時点で正・令和9.9月の68万円改正は対象外と整合。基準日外改正混入なし。 -->

出典・根拠について

本問は合格ナビが作成したオリジナル問題です(本試験問題の転載ではありません)。 根拠・出典:根拠: 厚生年金保険法第12条(70歳到達による被保険者資格喪失)・第14条(被保険者の種別)・第附則第4条の3(高齢任意加入被保険者)、国民年金法第7条第1項第2号 数値参照: KOSEI_HYOJUN_HOSHU_MAX={{KOSEI_HYOJUN_HOSHU_MAX}}(65万円/月・第32級・令和8年度)・2020-09-01発効(一次確認: 日本年金機構 https://www.nenkin.go.jp/service/kounen/hokenryo/ryogaku/ryogakuhyo/20200825.html) 各根拠条文は厚生労働省「e-Gov法令検索」(https://elaws.e-gov.go.jp/)で原文を確認できます。令和8年度(2026年度)試験基準日時点で施行されている法令の数値を反映(数値確認日 2026-06-07)。

本問・解説は試験対策のための学習コンテンツです。法令・通達は改正されることがあるため、最新の内容は厚生労働省・全国社会保険労務士会連合会の公式情報をご確認ください。

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