厚生年金保険法5厚生年金保険法

社労士 厚生年金保険法 問5:厚生年金保険法

令和8年度(2026年度)試験対応・数値確認日 2026-06-07

障害厚生年金および障害手当金に関する次のア〜オの記述のうち、**誤っているもの**はどれか。

  • 障害厚生年金は、厚生年金保険の被保険者期間中に初診日がある傷病について、障害認定日に障害等級1・2・3級に該当する者に支給される。国民年金の障害基礎年金と異なり、3級の障害等級も対象となる。
  • 障害厚生年金3級には最低保障額が設けられており、報酬比例部分の計算結果がその最低保障額を下回る場合は最低保障額が支給される。最低保障額は老齢基礎年金の満額の**3分の2**に相当する額である。正答
  • 障害手当金は、厚生年金保険の被保険者期間中に初診日がある傷病が、初診日から5年以内に治癒(症状固定)し、かつ障害等級3級よりも軽い一定の障害状態に達した場合に支給される一時金である。
  • 障害厚生年金1級の年金額は、報酬比例部分の計算式による額の1.25倍であり、2級の額は報酬比例部分と同額(100%)で計算される。3級は報酬比例部分の計算式による額に最低保障額が適用される。
  • 障害手当金の額は、報酬比例部分の計算式による額の2倍に相当する額であり、一時金として一括支給される(最低保障額あり)。
正答:障害厚生年金3級には最低保障額が設けられており、報酬比例部分の計算結果がその最低保障額を下回る場合は最低保障額が支給される。最低保障額は老齢基礎年金の満額の**3分の2**に相当する額である。

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正答はイ(誤っている記述)です。

イの誤りは「最低保障額は老齢基礎年金の満額の3分の2に相当する額」という部分です。障害厚生年金3級の最低保障額は、老齢基礎年金(障害基礎年金2級)の満額の4分の3に相当する額です(厚年法第50条第3項・施行令)。令和8年度の具体額は 635,500円/年円/年(昭和31.4.2以後生まれ)633,700円/年円/年(昭和31.4.1以前生まれ)。「3分の2」とするイは誤りです(試験頻出の引っかけパターン)。

エは正しく、1級は1.25倍・2級は100%という等級別の乗率は試験頻出です。

標準試験対策の基準レベル

障害厚生年金と障害手当金の比較(必須整理):

| 給付種別 | 等級・状態 | 性格 | 支給形態 |

|---|---|---|---|

| 障害厚生年金1級 | 障害等級1級 | 報酬比例額×1.25倍(+障害基礎年金1級) | 年金(継続) |

| 障害厚生年金2級 | 障害等級2級 | 報酬比例額×1.00倍(+障害基礎年金2級) | 年金(継続) |

| 障害厚生年金3級 | 障害等級3級 | 報酬比例額(最低保障額あり)・基礎年金なし | 年金(継続) |

| 障害手当金 | 3級相当より軽い・治癒済み | 報酬比例額×2倍(最低保障額あり) | 一時金(1回のみ) |

障害厚生年金3級の最低保障額(令和8年度・確定値):

  • 昭和31年4月2日以後生まれ: 635,500円/年円/年(635,500円)
  • 昭和31年4月1日以前生まれ: 633,700円/年円/年(633,700円)
  • 計算根拠: 老齢基礎年金満額×3/4=70,608×12×3/4=635,472円≒635,500円(端数調整)
  • 条文根拠: 厚年法第50条第3項(最低保障額の規定)

障害手当金の最低保障額(令和8年度):

  • 昭和31年4月2日以後生まれ: 1,271,000円円(1,271,000円・一時金)
  • 障害厚生年金3級最低保障額の2倍相当(厚年法第59条)

各選択肢の解説:

  • ア(正): 障害厚生年金は1・2・3級が対象(障害基礎年金は1・2級のみ)。初診日に厚生年金被保険者であることが必須要件。
  • イ(誤・正答): 障害厚生年金3級の最低保障額は「老齢基礎年金(障害基礎年金2級)の満額の4分の3」相当(厚年法第50条第3項・施行令)。「3分の2」とするイは数値が異なる誤り。令和8年度の確定値は 635,500円/年円/年(S31.4.2以後)。試験の頻出ひっかけパターン(4分の3 vs 3分の2)。
  • ウ(正): 障害手当金の要件「初診日から5年以内に治癒(症状固定)」「3級より軽い障害」「一時金」は正確(厚年法第55条)。
  • エ(正): 1級1.25倍・2級1.00倍・3級最低保障は条文通り(厚年法第50条)。
  • オ(正): 障害手当金の額は「報酬比例額の2倍」(厚年法第57条)・最低保障額あり・一時金。この「2倍」という乗率は頻出。
上級誤答論破・根拠条文・通達まで深掘り

【「障害等級3級」と「障害手当金」の境界線:「治癒(症状固定)」要件の重要性】

障害手当金と障害厚生年金3級の違いは「傷病が治癒(症状固定)しているかどうか」です:

  • 障害厚生年金3級: 治癒(症状固定)していなくても支給。障害状態が継続している場合。
  • 障害手当金: 「治癒(症状固定)」が必須要件。症状が固定して「これ以上改善しない」状態になって初めて支給対象となる。

「治癒(症状固定)」の判断は実務上難しく、特にがん・精神疾患・多発性硬化症などの難病では症状固定の判定が医師によって異なることがあります。社労士の障害年金申請サポート業務では、この「治癒・症状固定」の判断が申請戦略(年金か一時金か・認定日の設定)に大きく影響します。

【障害厚生年金の「被保険者期間の最低保障」計算】

報酬比例部分の計算では、被保険者期間が短い場合に「最低保障期間(300か月)」が適用されます(厚年法第50条第2項):

  • 実際の被保険者月数が300か月未満の場合、300か月で計算したものとみなす
  • これにより、若年での障害発症・短期間の加入でも最低限の年金額が保障される

例: 実際の被保険者期間が60か月の者が障害厚生年金2級に認定された場合:

  • 実際の計算: 平均標準報酬額×5.481/1000×60か月
  • 最低保障適用後: 平均標準報酬額×5.481/1000×300か月(5倍の期間で計算)

この最低保障は障害基礎年金にはない厚生年金独自の制度で、若年障害者の保護として機能しています。

【障害手当金が「年金」より有利なケース】

障害手当金(一時金)と障害厚生年金3級(年金)の比較:

  • 障害手当金の額: 報酬比例額×2(例: 報酬比例が年300万円なら600万円の一時金)
  • 障害厚生年金3級: 報酬比例額を毎年受給(上記なら毎年300万円)

単純計算では2年分で一時金と同額になるため、長期生存の場合は年金(3級)が有利です。しかし:

1. 傷病が「完治(治癒・症状固定)」した場合は年金は選択できない→ 一時金のみ

2. 3級に該当しない(より軽度)な障害の場合は一時金のみが選択肢

3. 「一時金で今すぐ資金が必要」という状況では一時金の即時性が価値を持つ

実務では「今の状態で手当金を申請するか、悪化した場合に備えて年金を狙うか」という難しい判断が求められます。

【障害等級認定の「不服申立て」と社労士の実務】

障害年金の不支給・等級認定に不満がある場合の対応:

1. 審査請求: 認定処分から3か月以内に地方厚生局長に審査請求

2. 再審査請求: 審査請求の決定後3か月以内に社会保険審査会に再審査請求

3. 行政訴訟: 再審査請求の裁決後6か月以内に裁判所に提訴

特定社会保険労務士は「審査請求・再審査請求」の代理権を持ちます(社労士法第2条の2)。これは試験の「社一・社労士法」科目(shaichi_04)との横断論点です。障害年金の審査請求代理は特定社労士の主要業務領域であり、開業社労士にとって重要な収益源となっています。

【1級・2級・3級と「併合認定」「相当因果関係」の難問領域】

複数の障害がある場合の等級認定:

  • 併合認定(厚年法第48条): 既に障害の受給権があり、新たな障害の受給権が発生した場合に、両障害を合わせて重い等級の年金が支給される
  • 前後障害の相当因果関係: 初診日の特定が複数の傷病にまたがる場合に、どの傷病の初診日を基準とするかが問題

これらは社労士試験の難問領域で、択一式よりも選択式問題で出題される傾向があります。特に「初診日の認定」「相当因果関係の判定」は厚労省の障害認定基準通達と実務運用の理解が必要です。

<!-- 監修確定 2026-06-07 legal-reviser: (1)障害厚生年金3級最低保障額は老齢基礎年金満額の3/4相当(厚年法第50条第3項・施行令)。令和8年度確定値はS31.4.2以後生まれ635,500円・S31.4.1以前生まれ633,700円(日本年金機構公式)。volatile_masterに新規登録(SHOUGAI_KOSEI_3KYU_MIN_NEW/OLD/SHOUGAI_TEATEKIN_MIN_NEW)。(2)選択肢イを「4分の3」(条文通り=正しい記述)から「3分の2」(誤り)に変更し、出題意図(誤りの選択肢を選ぶ)と正答キーイを整合させた。これは試験頻出のひっかけパターン。(3)選択肢ア・ウ・エ・オは条文通りで正しい。300か月最低保障(厚年法第50条第2項)も正確。(4)障害手当金の額=報酬比例×2倍(厚年法第57条)・最低保障額1,271,000円(同第59条・令和8年度)。(5)基準日外改正混入なし。 -->

出典・根拠について

本問は合格ナビが作成したオリジナル問題です(本試験問題の転載ではありません)。 根拠・出典:根拠: 厚生年金保険法第47条(障害厚生年金の支給要件)・第50条(障害厚生年金の額・3項最低保障額)・第55条(障害手当金)・第57条(障害手当金の額)・第59条(障害手当金の最低保障額) 数値参照: KOSEI_HYOJUN_HOSHU_MAX={{KOSEI_HYOJUN_HOSHU_MAX}}(65万円/月・令和8年度・第32級)・SHOUGAI_KOSEI_3KYU_MIN_NEW={{SHOUGAI_KOSEI_3KYU_MIN_NEW}}(635,500円/年・S31.4.2以後)・SHOUGAI_KOSEI_3KYU_MIN_OLD={{SHOUGAI_KOSEI_3KYU_MIN_OLD}}(633,700円/年・S31.4.1以前)・SHOUGAI_TEATEKIN_MIN_NEW={{SHOUGAI_TEATEKIN_MIN_NEW}}(1,271,000円・S31.4.2以後)・2026-04-01発効(一次確認: 日本年金機構 https://www.nenkin.go.jp/service/jukyu/seido/shougainenkin/jukyu-yoken/20150401-02.html・令和8年4月分からの年金額等 https://www.nenkin.go.jp/oshirase/taisetu/kojin/2026/202604/0401.html) 各根拠条文は厚生労働省「e-Gov法令検索」(https://elaws.e-gov.go.jp/)で原文を確認できます。令和8年度(2026年度)試験基準日時点で施行されている法令の数値を反映(数値確認日 2026-06-07)。

本問・解説は試験対策のための学習コンテンツです。法令・通達は改正されることがあるため、最新の内容は厚生労働省・全国社会保険労務士会連合会の公式情報をご確認ください。

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