問題
老齢厚生年金の加給年金額に関する次のア〜オの記述のうち、正しいものはどれか。
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答え合わせ
- ア
- イ
- ウ
- エ
- オ
自信の3択
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解説
正答はエです。
加給年金額が加算された老齢厚生年金は、対象の配偶者が「離婚又は婚姻の取消しをしたとき」に該当すると、その月の翌月から加給年金額を加算しないものとし、年金額を改定します(第44条4項3号)。エはこれを正確に記述しています。
アは誤りで、加給年金額の要件は被保険者期間の月数240以上です(180ではありません)。イ・ウ・オも条文と異なり誤りです。
加給年金額の支給要件(第44条1項):
| 要件 | 内容 |
|---|---|
| 被保険者期間 | 年金額の計算の基礎となる被保険者期間の月数が240以上 |
| 生計維持 | 受給権取得当時、その者によって生計を維持していたこと |
| 配偶者 | 65歳未満の配偶者 |
| 子 | 18歳に達する日以後最初の3月31日までの間にある子、又は障害等級1・2級に該当する20歳未満の子 |
| 判定基準時 | 原則、権利を取得した当時。ただし取得当時240月未満で後に240以上となった場合は、その至った当時(1項括弧書) |
加給年金額を加算しないこととなる事由(第44条4項各号・抜粋):
| 号 | 事由 |
|---|---|
| 1号 | 死亡したとき |
| 2号 | 生計維持の状態がやんだとき |
| 3号 | 配偶者が離婚又は婚姻の取消しをしたとき |
| 4号 | 配偶者が65歳に達したとき |
| 7号 | 子が婚姻をしたとき |
| 10号 | 子が20歳に達したとき |
各選択肢の解説:
- ア(誤): 被保険者期間の要件は240以上(1項)。180は誤り。
- イ(誤): 20歳未満の子は「障害等級1級又は2級に該当する」場合に限られる(1項括弧書)。「障害等級に関わらず」は誤り。
- ウ(誤): 判定基準時は原則として権利取得当時であり、常に請求時ではない(1項括弧書・第43条2項・3項の適用で240以上となった当時も含む)。
- エ(正): 第44条4項3号の文言どおり。
- オ(誤): 第3項により、受給権取得当時胎児であった子が出生したときは、受給権取得当時から生計を維持していた子とみなし、出生の月の翌月から年金額を改定する(対象となる)。
【「240以上」という被保険者期間要件の意味】
加給年金額は、老齢厚生年金の受給権者に生計維持されている配偶者・子がいる場合に、家族手当的な性格で加算される制度です。第44条1項括弧書は「その年金額の計算の基礎となる被保険者期間の月数が二百四十以上であるものに限る」と定めており、年金額の計算の基礎となる被保険者期間が240月(20年)以上の老齢厚生年金にのみ加算されます。
さらに1項括弧書は「その権利を取得した当時、当該老齢厚生年金の額の計算の基礎となる被保険者期間の月数が二百四十未満であつたときは、第四十三条第二項又は第三項の規定により当該月数が二百四十以上となるに至つた当時」と定めており、受給権取得時点では240月未満でも、在職定時改定(第43条2項)や退職改定(同条3項)によって後から240以上に達した場合は、その達した時点を基準に生計維持等の要件を判定します。ウの「常に請求時」は、この基準時の定めと合いません。
【配偶者と子で異なる終了事由の構造】
第44条4項は配偶者・子に共通する事由(1号・2号)と、配偶者固有の事由(3号・4号)、子固有の事由(5号〜10号)を分けて列挙しています。配偶者については「離婚又は婚姻の取消し」(3号)と「65歳に達したとき」(4号)が典型的な終了事由です。いずれも「該当するに至った月の翌月から」年金の額を改定します(4項柱書)。「その月から」ではない点に注意が必要です。
子については、養子縁組によって受給権者の配偶者以外の者の養子となったとき(5号)、養子縁組による子が離縁をしたとき(6号)、婚姻をしたとき(7号)、18歳到達後最初の3月31日の終了(8号。ただし障害等級1・2級の子を除く)、障害等級1・2級の子について障害状態がやんだとき(9号)、20歳到達(10号)と、実質的に「配偶者又は子として認められる状態」が失われる事由が細かく列挙されています。
【胎児のみなし規定(第3項)の実務的意味】
第3項は「受給権者がその権利を取得した当時胎児であつた子が出生したときは、第一項の規定の適用については、その子は、受給権者がその権利を取得した当時その者によつて生計を維持していた子とみなし、その出生の月の翌月から、年金の額を改定する」と定めています。老齢厚生年金の受給権取得時点でまだ生まれていない子であっても、後に出生すれば遡って「受給権取得当時から生計維持していた子」とみなされ、出生の月の翌月から加給年金額の加算対象になります。社労士試験では「出生した月から」ではなく「出生した月の翌月から」改定される点が頻出のひっかけです。
なお、国民年金法第33条の2第1項の規定により子に係る加算が行われている場合(障害基礎年金の子の加算等)は、その間、当該子について加給年金額のうち相当部分の支給が停止されます(第44条1項ただし書)。これは、同一の子について複数の年金から重複して家族手当的な加算を受けることを防ぐ調整規定です。
- 国民年金法第33条の2e-Govで原文を読む
出典と作り方
本問は合格ナビが作成したオリジナル問題です(本試験問題の転載ではありません)。 根拠・出典:根拠: 厚生年金保険法第44条(加給年金額)(https://laws.e-gov.go.jp/law/329AC0000000115#Mp-At_44) 確認日: 2026-09-30 各根拠条文は厚生労働省「e-Gov法令検索」(https://elaws.e-gov.go.jp/)で原文を確認できます。令和9年度(2027年度)試験に向けて2026年10月1日時点の現行法令の数値を反映(令和9年4月の法改正で変わる箇所は試験前に更新・数値確認日 2026-10-01)。
本問・解説は試験対策のための学習コンテンツです。法令・通達は改正されることがあるため、最新の内容は厚生労働省・全国社会保険労務士会連合会の公式情報をご確認ください。

