社労士
法令の確認日 2026年9月13日e-Govと照合済み

社労士 厚生年金保険法 問7|標準報酬月額の決定・標準賞与額の年度上限

問題

社労士 | 厚生年金保険法 | 令和9年度(2027年度)試験対応・数値確認日 2026-10-01

厚生年金保険の標準報酬月額および標準賞与額に関する次のア〜オの記述のうち、誤っているものはどれか。

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答え合わせ

正解は ウ
  • ア
  • イ
  • ウ
  • エ
  • オ

自信の3択

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解説

正答はウ(誤っている記述)です。

ウの誤りは「10月1日から翌年9月30日まで適用される」という部分です。定時決定(算定基礎届)によって決定された新しい標準報酬月額は「その年の9月から翌年の8月まで」の各月に適用されます(厚生年金保険法第21条第2項)。「10月から」とするウは誤りです。「9月始まり」は毎年算定基礎届処理が7〜8月に行われ、9月分の保険料から新標準報酬月額が適用される実務スケジュールを覚えるのが重要です。

ア(第32級65万円・令和9年9月の68万円改正は対象外)・イ(150万円上限・1,000円未満切捨て・年4回以上は月額扱い)・エ(固定的賃金変動・3か月平均・2等級以上)・オ(上限超過は保険料計算外)はいずれも正しい記述です。

標準報酬月額の決定・改定の種類(必須整理):

種類タイミング基礎適用期間
資格取得時決定被保険者資格取得時取得時の報酬額最初の定時決定まで
定時決定(算定基礎届)毎年7月1日現在の被保険者4月・5月・6月の報酬平均9月〜翌年8月
随時改定(月額変更届)固定的賃金変動後3か月経過後変動後3か月の報酬平均改定月の翌月〜次の定時決定まで
育児休業等終了後改定育児休業等終了後の職場復帰時復帰後の実際の報酬改定月の翌月〜次の定時決定まで
産前産後休業終了後改定産前産後休業終了後の復帰時復帰後の実際の報酬同上

標準賞与額の上限(試験頻出):

項目内容
1か月あたりの上限150万円(その月に受けた賞与の合計について)
切り捨て1,000円未満切り捨て
年4回以上の賞与標準報酬月額として扱われる(月額の上限適用)

各選択肢の解説:

  • ア(正): 第32級65万円・令和9年9月1日から68万円引上げ予定(対象外)は正確。
  • イ(正): 1か月(その月に受けた賞与)につき150万円の上限も1,000円未満の切り捨ても、いずれも厚年法第24条の4第1項に置かれている(同条は2項まで)。年4回以上支給されるものは賞与ではなく報酬として標準報酬月額に算入される(第3条第1項第3号・第4号の報酬・賞与の定義による)。
  • ウ(誤・正答): 定時決定後の新標準報酬月額の適用期間は「その年の9月から翌年の8月まで」(厚年法第21条第2項)。「10月1日から翌年9月30日まで」とするウは1か月ズレており誤り。算定基礎届の処理時期(7月10日まで提出・8月中に決定通知)から「9月分保険料から新標準報酬」が試験頻出のひっかけポイント。
  • エ(正): 厚年法第23条第1項は「継続した3月間に受けた報酬の総額を3で除して得た額が、標準報酬月額の基礎となった報酬月額に比べて著しく高低を生じた場合」に改定すると定めています。「2等級以上の差」は条文ではなく、「著しく高低」を判断する運用上の基準です(エも「原則として」と書いており正しい)。固定的賃金の変動が前提となる点も運用上の要件です。
  • オ(正): 上限等級(65万円)以上の報酬は保険料計算の対象外(65万円ベースで保険料を計算)。高収入者の保険料は頭打ちになる。

【標準報酬月額の上限引上げ(令和9年9月1日・68万円)の政策的背景】

標準報酬月額の上限(令和8年度時点: 65万円)は2020年9月1日から現行水準になっています(それ以前は62万円)。令和9年9月1日からの68万円引上げは、以下の背景があります:

1. インフレ・賃金上昇への対応: 2022〜2025年の物価・賃金上昇により、高収入者の実際の報酬が65万円を大きく超えるケースが増加

2. 年金財政への寄与: 上限引上げにより、高収入者の保険料収入が増加(年金給付は報酬比例のため将来の給付増にもなるが、現役世代の収入増への貢献度が大きい)

試験での出題ポイント: 「令和8年度試験基準日(2026-04-10)では65万円・令和9年9月以降68万円」という切り替えを正確に把握すること。在職老齢年金の支給停止調整額(65万円)とたまたま同額(令和8年度のみ)という紛らわしい状況が解消されるのは令和9年9月以降です(pilot kounen_01との横断論点)。

【「年4回以上の賞与は標準報酬月額扱い」制度の意義と実務への影響】

年4回以上支給される賞与(一般的には「夏・冬・春・決算期」等の4回以上)は、総報酬制(平成15年4月〜)の下でも「標準賞与額」としては扱わず「標準報酬月額」として算定します(厚年法第3条第1項第3号・第4号:「三月を超える期間ごとに受けるもの」だけが賞与)。

趣旨:

  • 賞与を分散して毎月払いに近い形で支給する「賞与の分割払い」によって標準賞与額の上限(150万円/月)の適用を回避するスキームの防止
  • 4回以上の支払いが「実質的な賞与(年1〜2回の大型支給)ではなく報酬の分割払い」とみなされる

実務への影響:

  • 決算賞与を年1回(3月)に追加支給する企業では「年3回」となり通常の標準賞与額扱い
  • 四半期ごとにインセンティブを支給する外資系企業等では「年4回」となり月額扱いに
  • 社会保険手続き(月額変更届・標準賞与額届出)の判定で社労士の実務知識が問われる

【随時改定の「固定的賃金」の解釈と実務的確認事項】

随時改定(月額変更届)の要件(条文は第23条第1項の「著しく高低を生じた場合」。以下はその運用上の基準):

1. 固定的賃金の変動(昇給・降給・各種手当の変動等)

2. 変動後3か月間の報酬の平均による標準報酬月額が、現在の標準報酬月額と原則として2等級以上差異

「固定的賃金」と「非固定的賃金(残業代・歩合給等)」の区別:

  • 固定的賃金: 基本給・家族手当・住宅手当・役職手当等(毎月固定的に支払われる)
  • 非固定的賃金: 時間外割増賃金・歩合給・皆勤手当等(実績連動)

重要な落とし穴: 固定的賃金が変動していなくても「残業代の大幅増加」により2等級以上の差が生じた場合は随時改定の対象外(固定的賃金変動が前提要件のため)。社労士試験では「固定的賃金の変動がない場合の随時改定不要」が選択式の空欄として問われることがあります。

【標準報酬月額と「報酬」の定義:何が「報酬」に含まれるか】

厚年法第3条第1項(報酬の定義)において、報酬に含まれる・含まれないものの判断は実務で頻繁に問われます:

含まれる(報酬)含まれない(報酬外)
基本給・各種手当・通勤手当年3回以下の賞与(標準賞与額で別途処理)
現物給与(食事・住宅の提供等)解雇予告手当・退職金
割増賃金・深夜手当見舞金・慶弔費
年4回以上支給される賞与出張費の実費弁償

通勤手当が「報酬」に含まれる点(健康保険も同様)は試験頻出です。健康保険の標準報酬月額と厚生年金の標準報酬月額は原則として同額で決定されますが、上限等級が異なる(健保は第50級・139万円まで・厚年は第32級・65万円まで)点が重要な違いです。

この問題の根拠条番号はe-Govの本文と機械で照合しています(2026-09-13)。照合の方法
訂正の記録この問題の訂正はありません(サイト全体の記録)
出典と作り方

本問は合格ナビが作成したオリジナル問題です(本試験問題の転載ではありません)。 根拠・出典:根拠: 厚生年金保険法第20条(標準報酬月額の決定)・第21条(定時決定。適用期間は第2項)・第23条(随時改定)・第24条の4(標準賞与額の決定。上限150万円も同条第1項)・第3条第1項第3号・第4号(報酬と賞与の定義) 参照した数値: 厚生年金 標準報酬月額 上限(第32級):650,000円/月(65万円/月・第32級・令和8年度)・2020-09-01発効(一次確認: 日本年金機構 https://www.nenkin.go.jp/service/kounen/hokenryo/ryogaku/ryogakuhyo/20200825.html) 各根拠条文は厚生労働省「e-Gov法令検索」(https://elaws.e-gov.go.jp/)で原文を確認できます。令和9年度(2027年度)試験に向けて2026年10月1日時点の現行法令の数値を反映(令和9年4月の法改正で変わる箇所は試験前に更新・数値確認日 2026-10-01)。

本問・解説は試験対策のための学習コンテンツです。法令・通達は改正されることがあるため、最新の内容は厚生労働省・全国社会保険労務士会連合会の公式情報をご確認ください。

この問題の関連トピック

  • 標準報酬月額の決定・標準賞与額の年度上限(150万円
  • 頻出度A

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