社労士
法令の確認日 2026年9月13日e-Govと照合済み

社労士 労働基準法 問4|解雇予告手当・解雇制限・予告除外認定

問題

社労士 | 労働基準法 | 令和9年度(2027年度)試験対応・数値確認日 2026-10-01

解雇予告及び解雇制限に関する次のア〜オの記述のうち、正しいものはどれか。

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答え合わせ

正解は ウ
  • ア
  • イ
  • ウ
  • エ
  • オ

自信の3択

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解説

正答はウ(正しい記述)です。

使用者は、業務上の傷病による療養のために休業している期間およびその後30日間は、原則として労働者を解雇できません(労基法第19条第1項)。これを「解雇制限」といいます。ただし、療養開始後3年を経過してもなお傷病が治らない場合に、使用者が打切補償(平均賃金1,200日分)を支払えば、解雇制限が解除されます(同法第81条)。

アは誤りで、予告日数と解雇予告手当の組み合わせは可能です(例:15日前予告+15日分の解雇予告手当)。イは誤りで、日日雇い入れられる者も1か月を超えて引き続き使用された場合は解雇予告規定が適用されます。エは誤りで、天災事変等のやむを得ない事由による即時解雇には、その事由について所轄労働基準監督署長の認定を受けなければなりません(労基法第20条第3項・第19条第2項)。「認定を受けることなく」が誤りです。オは誤りで、季節的業務の適用除外期間は条文上「4か月以内」(労基法第21条第3号)であり、「6か月以内」は誤った数値です。

解雇予告制度の基本構造(労基法第20条):

要件内容
原則30日前予告または30日分以上の平均賃金(解雇予告手当)の支払い
組み合わせ予告日数が30日未満の場合、不足日数分の平均賃金を支払えば即時解雇可(例: 15日前予告+15日分手当)
適用除外①日日雇用(1か月超継続で適用)②2か月以内の期間雇用(更新継続で適用)③季節的業務4か月以内(超過で適用)④試の使用期間中(14日超で適用)

解雇制限(労基法第19条)と打切補償(第81条)の関係:

制限の種類期間例外(解雇制限の解除)
業務上の傷病による休業期間中療養のため休業する期間全体①打切補償(療養開始後3年経過・平均賃金1,200日分)を支払う場合 ②天災事変その他やむを得ない事由で事業の継続が不可能となった場合(労基署長の認定が必要)
業務上の傷病による休業後その後30日間同上
産前産後の休業期間中第65条による休業期間中天災事変等で事業の継続が不可能となった場合のみ(認定が必要)。打切補償による解除はない
産前産後の休業後その後30日間同上

各選択肢の詳細解説:

  • ア(誤): 予告日数と解雇予告手当は組み合わせ可能(労基法第20条第2項)。例えば20日前予告+10日分の平均賃金の支払いで適法。「組み合わせできない」は誤り。
  • イ(誤): 日日雇用の者も1か月を超えて引き続き使用されるに至った時点から解雇予告規定が適用されます(労基法第21条ただし書き)。
  • ウ(正): 業務上傷病の休業中・復帰後30日間の解雇制限と、打切補償による制限解除(療養3年後・1,200日分)の説明が条文に即した正確な記述。
  • エ(誤): 天災事変その他やむを得ない事由のために事業の継続が不可能となった場合の即時解雇(第20条第1項ただし書)は、その事由について行政官庁(所轄労働基準監督署長)の認定を受けなければならない(第20条第3項による第19条第2項の準用)。「認定を受けることなく」が誤り。
  • オ(誤): 季節的業務の適用除外期間は労基法第21条第3号により「4か月以内」(4か月以内の期間を定めて使用される者)。「6か月以内」は誤った数値であり、適用除外の範囲を不当に広げる誤り。なお「期間超過で適用される」という後段は正しい。

【解雇予告制度の立法趣旨と手続き的正義】

解雇予告制度(労基法第20条)は、突然の解雇によって労働者が生活の手段を喪失することへの緊急保護措置として設けられています。最低限30日前の予告または30日分の平均賃金の支払いを求めることで、労働者に次の就職先を探す時間または最低限の生活維持資金を確保させる設計です。なお解雇予告は解雇の有効性(解雇権濫用法理・労契法第16条)とは別次元の問題であり、予告や手当の支払いをしても解雇権濫用として無効となる場合があります。

【打切補償の法的性質と3年要件の正確な理解】

労基法第81条の打切補償は頻出論点ですが、要件の正確な理解が必要です:

  • 適用対象: 業務上の傷病により療養中の労働者
  • 要件: 療養開始後3年を経過してもなお傷病が治らない場合
  • 内容: 平均賃金の1,200日分を支払う
  • 効果: 支払い後、使用者は解雇制限の拘束から解放され、解雇予告をしたうえで解雇可能(解雇予告の義務自体は残ります)
  • 労災補償との関係: 打切補償は労基法上の補償制度であり、労災保険法上の給付(休業補償給付・障害補償給付等)とは別です。打切補償を支払うことで労基法上の使用者の補償義務は消滅しますが、労災保険給付の受給権に影響しません。

【解雇予告の除外事由と「1か月超」後の適用開始(第21条)】

適用除外4類型と「引き続き使用されるに至った場合」の適用開始をセットで記憶することが必要です:

適用除外の種類適用除外期間適用開始のトリガー
①日日雇用当初から除外1か月を超えて引き続き使用された時
②2か月以内の期間雇用当初から除外その期間を超えて引き続き使用された時
③季節的業務・4か月以内当初から除外その期間を超えて引き続き使用された時
④試の使用期間当初から除外14日を超えて引き続き使用された時

④の試用期間は「14日」という数値が頻出。14日を超えた瞬間から30日前予告が必要になります。

【天変地異等の即時解雇(第20条第3項・認定の法的効果)】

「天災事変その他やむを得ない事由のために事業の継続が不可能となった場合」または「労働者の責に帰すべき事由に基いて解雇する場合」には、予告も解雇予告手当も不要となります(第20条第1項ただし書)。ただし、いずれもその事由について行政官庁(所轄労働基準監督署長)の認定を受けなければなりません(第20条第3項・第19条第2項)。懲戒解雇であっても、この認定がなければ予告または解雇予告手当が必要です。

【解雇制限と労契法第16条(解雇権濫用法理)の接続】

社労士実務では、解雇が①解雇予告手続き(労基法第20条)②解雇制限(労基法第19条)③解雇権濫用(労契法第16条)の三層すべてをクリアしているかを確認することが基本です。解雇制限期間中の解雇は第19条違反として無効(強行規定違反)となり、使用者は復職義務を負います。産前産後の解雇制限は打切補償による解除がなく、解除されるのは天災事変等で事業の継続が不可能となった場合(認定が必要)に限られる点で業務上傷病と区別されます。

根拠: 労働基準法第19条(解雇制限)・第20条(解雇予告)・第21条(適用除外)・第81条(打切補償)、労働契約法第16条(解雇権濫用)。

この問題の根拠条番号はe-Govの本文と機械で照合しています(2026-09-13)。照合の方法
訂正の記録この問題の訂正はありません(サイト全体の記録)
出典と作り方

本問は合格ナビが作成したオリジナル問題です(本試験問題の転載ではありません)。 根拠・出典:根拠: 労働基準法第20条(解雇予告)、第21条(解雇予告の除外)、第19条(解雇制限)、第81条(打切補償)、第20条第3項(天変地異等の解雇認定) 各根拠条文は厚生労働省「e-Gov法令検索」(https://elaws.e-gov.go.jp/)で原文を確認できます。令和9年度(2027年度)試験に向けて2026年10月1日時点の現行法令の数値を反映(令和9年4月の法改正で変わる箇所は試験前に更新・数値確認日 2026-10-01)。

本問・解説は試験対策のための学習コンテンツです。法令・通達は改正されることがあるため、最新の内容は厚生労働省・全国社会保険労務士会連合会の公式情報をご確認ください。

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