宅建士 権利関係 問1:民法総則
(令和8年度(2026年度)試験対応・数値確認日 2026-06-11)
宅地建物取引業者Aが、制限行為能力者との間で不動産売買契約を締結した場合に関する次の記述のうち、民法の規定によれば、最も適切なものはどれか。
- ア未成年者Bが、法定代理人の同意を得ずに宅地を購入する売買契約を締結した場合、Bが成年に達した後でも当該契約を取り消すことができる。正答
- イ成年後見人が選任されている被後見人Cが、成年後見人の同意を得て宅地の売買契約を締結した場合、Cはその契約を取り消すことができない。
- ウ被保佐人Dが、保佐人の同意を得ずに不動産の売買契約を締結した場合でも、Dが日用品の購入と認識していれば取消しは認められない。
- エ制限行為能力者の相手方が、制限行為能力者に対して1か月以上の期間を定めて追認するかどうかの催告をした場合、その期間内に確答がないときは当該行為を取り消したものとみなされる。
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未成年者が法定代理人(親など)の同意なく行った契約は、取り消すことができます。この取消権は、未成年者本人が成年(18歳)に達した後でも行使できます。取消しは行為のときから5年、権利を持ったときから20年(追認できる時から5年)で時効消滅しますが、成年後直ちに消えるわけではありません。よってアが正答です。成年後見人の「同意」は無効であり(後見人は同意できない)、イも誤りです。
民法5条1項は、未成年者が法定代理人の同意なく行った法律行為は取消可能と定めます。取消権の行使期間は追認できる時(未成年者の場合は成年に達した時)から5年、または行為の時から20年です(民法126条)。アは正確に条文を踏まえており正答。イについて、被後見人は成年後見人の「同意」を得て行為をしても有効にはなりません。被後見人は原則として単独で法律行為ができず(民法9条)、成年後見人は「代理」は行えますが「同意」は制度上存在しないためイは誤り。ウは、被保佐人が同意なく不動産売買をした場合、日用品購入の例外(民法13条1項ただし書)は不動産取引には適用されないため誤り。エは、相手方の催告に対し制限行為能力者側が確答しない場合、追認したものとみなされます(民法20条1項本文)。取り消したものとみなされるのではないため誤り。
制限行為能力者制度は、判断能力が不十分な者を保護するため、その行為を取り消し得る状態に置く制度です(民法5条・9条・13条・17条)。宅建取引実務上、宅地建物取引業者は契約前に相手方が制限行為能力者かどうかを確認する義務があり(業者として善管注意義務)、制限行為能力者との取引では法定代理人・保佐人・補助人の同意・代理が必要な場面を正確に把握しなければなりません。取消権の行使期間(民法126条)については、2017年改正前の「10年」から「追認できる時から5年または行為から20年」に変更されており、改正民法を正確に適用する必要があります。被後見人については民法9条本文で「成年被後見人の法律行為は、取り消すことができる」と定め、ただし書で日用品の購入その他日常生活に関する行為は除外されます。一方、被保佐人については民法13条1項各号(不動産の処分・借財・保証・訴訟行為等)の重要行為には保佐人の同意が必要で、同意なき行為は取消可能です。なお不動産取引(売買・抵当権設定等)は民法13条1項3号(不動産その他重要な財産に関する権利の得喪を目的とする行為)に明示的に含まれており、日用品購入の例外は適用されません。宅建業者が制限行為能力者と取引した場合、取消前は有効な契約として処理されますが、取消しがあった場合は遡及的に無効(民法121条)となり原状回復義務が生じます(民法121条の2)。2020年改正で原状回復義務が明文化された点も実務上重要です。
本問は合格ナビが作成したオリジナル問題です(本試験問題の転載ではありません)。 根拠・出典:出典:不動産適正取引推進機構(RETIO)公表の出題範囲(宅地建物取引士試験)を参照した合格ナビ独自作成 各根拠条文は「e-Gov法令検索」(https://elaws.e-gov.go.jp/)で原文を確認できます。令和8年度(2026年度)試験基準日時点で施行されている法令の数値を反映(数値確認日 2026-06-11)。
本問・解説は試験対策のための学習コンテンツです。法令・通達・ガイドラインは改正されることがあるため、最新の内容は一般財団法人 不動産適正取引推進機構(RETIO)・国土交通省の公式情報をご確認ください。本サイトはRETIOと一切関係ありません。
執筆・監修:Zawa Lab(合格ナビ運営者情報) / 宅地建物取引業法・改正民法・借地借家法・建築基準法・都市計画法・盛土規制法(R5)・国土交通省ガイドラインの出題範囲分析に基づきオリジナル問題と段差性のあるAI解説を作成しています。