問題
宅地建物取引業者Aが、制限行為能力者との間で不動産売買契約を締結した場合に関する次の記述のうち、民法の規定によれば、最も適切なものはどれか。
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答え合わせ
- ア
- イ
- ウ
- エ
自信の3択
えらぶと、この端末に記録します(登録はいりません)
解説
未成年者が法定代理人(親など)の同意なく行った契約は、取り消すことができます。この取消権は、未成年者本人が成年(18歳)に達した後でも行使できます。取消権は、追認をすることができる時(未成年者の場合は成年に達した時)から5年、または行為の時から20年で時効消滅しますが(民法126条)、成年後直ちに消えるわけではありません。よってアが正答です。成年後見人の「同意」は無効であり(後見人は同意できない)、イも誤りです。
民法5条1項は、未成年者が法定代理人の同意なく行った法律行為は取消可能と定めます。取消権の行使期間は追認できる時(未成年者の場合は成年に達した時)から5年、または行為の時から20年です(民法126条)。アは正確に条文を踏まえており正答。イについて、被後見人は成年後見人の「同意」を得て行為をしても有効にはなりません。被後見人は原則として単独で法律行為ができず(民法9条)、成年後見人は「代理」は行えますが「同意」は制度上存在しないためイは誤り。ウは、被保佐人が同意なく不動産売買をした場合、日用品購入の例外(民法13条1項ただし書)は不動産取引には適用されないため誤り。エは、行為能力者となった後の本人が催告に確答しない場合、追認したものとみなされます(民法20条1項後段)。取り消したものとみなされるのではないため誤り。なお、被保佐人・被補助人に対して「保佐人・補助人の追認を得るべき旨」を催告し、期間内に追認を得た旨の通知がないときは取り消したものとみなされます(民法20条4項)。
制限行為能力者制度は、判断能力が不十分な者を保護するため、その行為を取り消し得る状態に置く制度です(民法5条・9条・13条・17条)。宅建取引実務上、制限行為能力者との取引では法定代理人・保佐人・補助人の同意・代理が必要な場面を正確に把握しなければなりません。取消権の行使期間(民法126条)は「追認をすることができる時から5年、行為の時から20年」です(この期間は2020年施行の民法改正の前後で変わっていません)。被後見人については民法9条本文で「成年被後見人の法律行為は、取り消すことができる」と定め、ただし書で日用品の購入その他日常生活に関する行為は除外されます。一方、被保佐人については民法13条1項各号(不動産の処分・借財・保証・訴訟行為等)の重要行為には保佐人の同意が必要で、同意なき行為は取消可能です。なお不動産取引(売買・抵当権設定等)は民法13条1項3号(不動産その他重要な財産に関する権利の得喪を目的とする行為)に明示的に含まれており、日用品購入の例外は適用されません。宅建業者が制限行為能力者と取引した場合、取消前は有効な契約として処理されますが、取消しがあった場合は遡及的に無効(民法121条)となり原状回復義務が生じます(民法121条の2)。2020年改正で原状回復義務が明文化された点も実務上重要です。
- 民法第126条・第5条・第9条・第13条・第20条・第121条e-Govで原文を読む
出典と作り方
本問は合格ナビが作成したオリジナル問題です(本試験問題の転載ではありません)。根拠・出典:出典:不動産適正取引推進機構(RETIO)公表の出題範囲(宅地建物取引士試験)を参照した合格ナビ独自作成各根拠条文は「e-Gov法令検索」(https://elaws.e-gov.go.jp/)で原文を確認できます。令和8年度(2026年度)試験基準日時点で施行されている法令の数値を反映しています(数値確認日 2026-10-12)。
本問・解説は試験対策のための学習コンテンツです。法令・通達・ガイドラインは改正されることがあるため、最新の内容は一般財団法人 不動産適正取引推進機構(RETIO)・国土交通省の公式情報をご確認ください。本サイトはRETIOと一切関係ありません。
執筆・監修:合格ナビ運営事務局(運営者情報)。宅地建物取引業法・改正民法・借地借家法・建築基準法・都市計画法・盛土規制法(R5)・国土交通省ガイドラインの出題範囲分析に基づき、オリジナル問題と段差のある3段階の解説を作成しています。

