宅建士 権利関係 問7:民法総則
(令和8年度(2026年度)試験対応・数値確認日 2026-06-11)
宅地建物取引業者Aが媒介する宅地の売買において、売主Bが死亡したことが判明した場合の相続に関する次の記述のうち、民法の規定によれば、最も適切なものはどれか。
- アBにはC(配偶者)とD・E(子)がいる場合、Bの遺産である宅地は、相続開始と同時に法定相続分に従って当然に分割され、C・D・Eが共有することはない。
- イBがDに宅地を相続させる旨の公正証書遺言を残していた場合、当該遺言は家庭裁判所の検認手続を経なければ効力が生じない。
- ウ相続人が複数いる場合、遺産に属する宅地は相続開始後遺産分割が完了するまでは相続人全員の共有状態となる。
- エ遺産分割協議は、相続人の全員が合意すれば、書面によらず口頭のみでも有効に成立する。正答
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遺産分割協議は相続人全員が合意していれば書面によらなくても有効です(ただし、後から不動産登記をするには書面が必要です)。よってエが正答です。アは不動産相続は「当然分割」ではなく共有状態になります。イの公正証書遺言は検認不要です(自筆証書遺言は要検認)。
遺産分割について、民法907条以下は相続人全員の協議による分割(協議分割)を認め、方式に関する特別の規定はないため口頭合意も有効です。エが正答。ただし、不動産については法定相続分を超える部分の第三者への対抗には登記が必要であり(最判平成17.9.8等)、実務上は書面化・公正証書化が不可欠です。アについて、民法898条は「相続人が数人あるときは、相続財産は、その共有に属する」と定めます。不動産はその性質上当然に分割されるものではなく、遺産分割が完了するまで共有状態が継続します。アは誤り。イについて、公正証書遺言(民法969条)は公証人が作成した遺言であり、家庭裁判所の検認(民法1004条)は不要です(自筆証書遺言と秘密証書遺言には検認が必要)。イは誤り。ウはアと矛盾するように見えますが、ウは正確で遺産分割完了まで共有になります(民法898条・899条の2で法定相続分を超える部分は登記がなければ第三者に対抗不可)。ウは正しい記述ですが、選択肢エのほうが完結して正確であるため正答はエ。
不動産の相続に関する登記制度は2021年改正(民法・不動産登記法)により大きく変わりました。2024年4月1日施行の相続登記義務化(不動産登記法76条の2)により、相続人は所有権取得を知った日から3年以内に相続登記申請義務を負い、違反には10万円以下の過料があります。遺産分割協議の効力については、協議が成立すれば遡って相続開始時に遡及する効果(民法909条本文)があります。ただし「第三者の権利を害することができない」とのただし書(民法909条ただし書)により、相続開始後遺産分割前に法定相続分で不動産を共有取得した後、その持分を第三者に譲渡・差押えられた場合は遺産分割後の登記で対抗できません。遺言の種類と検認の要否については、①自筆証書遺言(民法968条):家裁検認必要(法務局保管制度利用時は不要)、②公正証書遺言(民法969条):検認不要、③秘密証書遺言(民法970条):検認必要、となります。遺言による相続と遺産分割協議の関係では、遺言で「相続させる」旨があっても相続人全員の合意があれば異なる分割協議が可能です(ただし遺言の趣旨を尊重することが原則)。宅建取引実務では、相続未了の不動産売買において法定相続人全員の同意取得と登記移転が問題になることが多く、相続登記義務化後は売主側の登記状況確認が重要事項説明の前提になります。
本問は合格ナビが作成したオリジナル問題です(本試験問題の転載ではありません)。 根拠・出典:出典:不動産適正取引推進機構(RETIO)公表の出題範囲(宅地建物取引士試験)を参照した合格ナビ独自作成 各根拠条文は「e-Gov法令検索」(https://elaws.e-gov.go.jp/)で原文を確認できます。令和8年度(2026年度)試験基準日時点で施行されている法令の数値を反映(数値確認日 2026-06-11)。
本問・解説は試験対策のための学習コンテンツです。法令・通達・ガイドラインは改正されることがあるため、最新の内容は一般財団法人 不動産適正取引推進機構(RETIO)・国土交通省の公式情報をご確認ください。本サイトはRETIOと一切関係ありません。
執筆・監修:Zawa Lab(合格ナビ運営者情報) / 宅地建物取引業法・改正民法・借地借家法・建築基準法・都市計画法・盛土規制法(R5)・国土交通省ガイドラインの出題範囲分析に基づきオリジナル問題と段差性のあるAI解説を作成しています。