問題
宅地建物取引業者Aが媒介する宅地の売買において、売主Bが死亡したことが判明した場合の相続に関する次の記述のうち、民法の規定によれば、正しいものはどれか。
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答え合わせ
- ア
- イ
- ウ
- エ
自信の3択
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解説
相続人が複数いる場合、遺産である不動産は自動的に分割されるのではなく、遺産分割が成立するまで相続人全員の共有になります(民法898条1項)。エはこの条文どおりで正答です。共有持分は法定相続分等で算定した割合であり、常に等しいわけではありません(898条2項)。
民法898条1項は「相続人が数人あるときは、相続財産は、その共有に属する」と定め、同条2項は「相続財産について共有に関する規定を適用するときは、第900条から第902条までの規定により算定した相続分をもって各相続人の共有持分とする」と定めます。エは1項をそのまま述べており正答です。アは、共有持分が法定相続分等で算定されるのであって常に等しいわけではないため誤りです(898条2項)。ウは、民法923条が「相続人が数人あるときは、限定承認は、共同相続人の全員が共同してのみこれをすることができる」と定めており、単独ではできないため誤りです。イは、民法915条1項が「自己のために相続の開始があったことを知った時から3箇月以内に」承認又は放棄をしなければならないと定めており、6か月ではなく3か月であるため誤りです。
相続財産の共有(民法898条)は、遺産分割前の権利関係を理解するうえでの出発点です。共有持分は法定相続分(民法900条・901条)を基準に算定され、これに特別受益(903条)・寄与分(904条の2)を考慮した具体的相続分が加味されます。遺産分割協議が成立するまでの間、共有物の管理・処分には民法249条以下の共有規定の適用があり、保存行為は各相続人が単独でできる一方、処分行為には原則として共有者全員の同意が必要です。相続の承認・放棄の熟慮期間(民法915条1項)は「自己のために相続の開始があったことを知った時から3箇月以内」であり、利害関係人又は検察官の請求によって家庭裁判所が伸長できます(同項ただし書)。限定承認(民法922条以下)は相続によって得た財産の限度でのみ被相続人の債務を弁済する制度ですが、共同相続人の全員が共同してのみすることができ(923条)、一人でも単純承認をした場合や熟慮期間を徒過した場合は限定承認ができなくなります。相続放棄(938条)は各相続人が単独でできる点で限定承認と対照的です。宅建取引実務では、売主が死亡した場合の相続人の範囲・遺産分割の有無・法定相続分に基づく持分の確認が、契約当事者の確定と登記手続の前提として不可欠です。相続登記の申請義務(不動産登記法76条の2第1項)は、相続により所有権を取得した者に、自己のために相続の開始があったことを知り、かつ、当該所有権を取得したことを知った日から3年以内に所有権の移転の登記を申請する義務を課しており、相続を原因とする売買の媒介では、売主側の相続登記の完了状況の確認が重要事項説明の前提になります。
- 民法第898条・第923条・第915条・第900条・第249条・第922条e-Govで原文を読む
- 不動産登記法第76条の2e-Govで原文を読む
出典と作り方
本問は合格ナビが作成したオリジナル問題です(本試験問題の転載ではありません)。根拠・出典:出典:不動産適正取引推進機構(RETIO)公表の出題範囲(宅地建物取引士試験)を参照した合格ナビ独自作成各根拠条文は「e-Gov法令検索」(https://elaws.e-gov.go.jp/)で原文を確認できます。令和8年度(2026年度)試験基準日時点で施行されている法令の数値を反映しています(数値確認日 2026-10-12)。
本問・解説は試験対策のための学習コンテンツです。法令・通達・ガイドラインは改正されることがあるため、最新の内容は一般財団法人 不動産適正取引推進機構(RETIO)・国土交通省の公式情報をご確認ください。本サイトはRETIOと一切関係ありません。
執筆・監修:合格ナビ運営事務局(運営者情報)。宅地建物取引業法・改正民法・借地借家法・建築基準法・都市計画法・盛土規制法(R5)・国土交通省ガイドラインの出題範囲分析に基づき、オリジナル問題と段差のある3段階の解説を作成しています。

