権利関係2民法総則

宅建士 権利関係 問2:民法総則

令和8年度(2026年度)試験対応・数値確認日 2026-06-11

宅地建物取引業者Aが売主、買主Bとの間で締結した宅地の売買契約における意思表示の錯誤に関する次の記述のうち、民法の規定によれば、最も適切なものはどれか。

  • BがAに対し、対象宅地の地目を農地と誤信して売買契約を締結した場合、その錯誤がなければ契約しなかったといえる重要なものであっても、取消しの意思表示をするには錯誤が表示の内容になっていなければならない。
  • Bが売買代金を100万円と思い込んで契約書に「1,000万円」と記載した場合、当該錯誤が重要なものであればBは当該売買契約を取り消すことができるが、Aが取消しを主張することはできない。
  • AがBの詐欺によって錯誤に陥った場合、Aは詐欺による取消しと錯誤による取消しのいずれも主張することができる。
  • Bの錯誤がBの重大な過失によるものであっても、AがBの錯誤を知っていたときはBは当該契約を取り消すことができる。正答
正答:Bの錯誤がBの重大な過失によるものであっても、AがBの錯誤を知っていたときはBは当該契約を取り消すことができる。

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改正民法(2020年施行)では、錯誤は「無効」ではなく「取消し」になりました。また、錯誤した本人に重大な過失があっても、相手方が錯誤を知っていたか、または利用した場合は取消しができます。エの「Aが錯誤を知っていた」という状況がこれに当たり、Bは取消しを主張できます。よってエが正答です。

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2020年改正民法95条は錯誤を取消事由とし(旧法は無効)、①表示錯誤(表示の内容と意思の不一致)②基礎事情錯誤(動機錯誤:表示された前提事情の錯誤)を規定します。取消しには「重要性」要件(その錯誤がなければ意思表示をしなかったといえる程度)が必要。アについて、基礎事情錯誤(動機錯誤)は「その事情が法律行為の基礎とされていることが表示されていたとき」に取消可能ですが(民法95条2項)、表示錯誤(アの「記載ミス」)は表示の内容になっている必要があるという点でアは部分的に正しいが文脈が農地誤信なので基礎事情錯誤に当たり、表示された場合取消可能な要件が変わるため誤り。イは取消権を錯誤した表意者(B)のみが行使できるため「Bは取消可能」の部分は正しいが、Aは取消し主張不可の部分も正しく、単純に「Bのみ取消可能」は民法95条4項参照で正しい内容に見えるが「Aが取消し主張不可」の断言が適切か問題文上は選択肢として不完全で誤りに分類。ウは詐欺による取消し(民法96条)と錯誤取消し(民法95条)は要件が異なり、詐欺が成立する場合でも錯誤の要件を満たせば重畳適用できるため正しい記述ですが、本問では相手方であるBによる詐欺をAが主張する文脈として理解すると取消権行使者の問題がある。エは民法95条3項で「重大な過失があっても、相手方が表意者の錯誤を知り、又は重大な過失によって知らなかったとき」は取消可能と明定されており正答

上級誤答論破・根拠条文・通達まで深掘り

2020年施行の改正民法における錯誤規定(民法95条)は、宅建試験の最頻出改正論点の一つです。旧法の「錯誤無効」から「錯誤取消し」への転換は実務に多大な影響を与えました。取消し構成にすることで、①取消しの追認が可能になり(民法122条)、②取消権の消滅時効(追認できる時から5年・行為から20年)が適用され、③善意無過失の第三者保護規定(民法95条4項)が設けられました。重大過失免責の例外として民法95条3項は3つの場面を規定します:(1)相手方が表意者の錯誤を知っていたとき、(2)相手方が重大な過失によって表意者の錯誤を知らなかったとき、(3)共通錯誤(双方が同一の錯誤に陥っていたとき)。宅建取引実務では、地番・地目・面積・法令上の制限(用途地域・建蔽率・容積率)についての誤解が動機錯誤の典型例です。動機錯誤(基礎事情の錯誤)が取消可能になるには、その事情が法律行為の基礎とされていることが表示されている必要があります(民法95条2項)。宅地建物取引業者としては、重要事項説明(宅建業法35条)で法令上の制限等を正確に説明することで、買主の動機錯誤を防止する義務があります。重要事項説明が不十分で買主が錯誤に陥った場合、業者は錯誤取消しを受けるリスクと宅建業法違反(業務停止・取消し)の双重リスクを負います。また、詐欺・強迫(民法96条)との関係では、宅建業者が説明義務違反等で意図的・過失的に錯誤を生じさせた場合、不法行為(民法709条)と取消権の競合も生じます。

出典・根拠について

本問は合格ナビが作成したオリジナル問題です(本試験問題の転載ではありません)。 根拠・出典:出典:不動産適正取引推進機構(RETIO)公表の出題範囲(宅地建物取引士試験)を参照した合格ナビ独自作成 各根拠条文は「e-Gov法令検索」(https://elaws.e-gov.go.jp/)で原文を確認できます。令和8年度(2026年度)試験基準日時点で施行されている法令の数値を反映(数値確認日 2026-06-11)。

本問・解説は試験対策のための学習コンテンツです。法令・通達・ガイドラインは改正されることがあるため、最新の内容は一般財団法人 不動産適正取引推進機構(RETIO)・国土交通省の公式情報をご確認ください。本サイトはRETIOと一切関係ありません。

執筆・監修:Zawa Lab(合格ナビ運営者情報) / 宅地建物取引業法・改正民法・借地借家法・建築基準法・都市計画法・盛土規制法(R5)・国土交通省ガイドラインの出題範囲分析に基づきオリジナル問題と段差性のあるAI解説を作成しています。

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