問題
不動産取引における時効に関する次の記述のうち、民法の規定によれば、最も適切なものはどれか。
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答え合わせ
- ア
- イ
- ウ
- エ
自信の3択
えらぶと、この端末に記録します(登録はいりません)
解説
民法では、他人の土地を所有の意思を持って平穏・公然に占有し続けると、一定期間後に所有権を取得できます(取得時効)。占有者が善意かつ過失がない場合は10年、悪意または過失がある場合は20年です。アは「善意・悪意に関わらず20年」の要件を正確に述べており正答です。短期(10年)は善意無過失が追加要件になります。
民法162条1項は、20年間所有の意思をもって平穏かつ公然に他人の物を占有した者はその所有権を取得する(長期取得時効)と定めます。同条2項は10年間の短期取得時効を定め「占有の始め善意であり、かつ過失がなかった」ことが追加要件です。アは20年間の要件として「善意・悪意を問わない」と正確に述べており正答。イについて、改正民法166条1項は①債権者が権利を行使することができることを知った時から5年(主観的起算点)と②権利を行使することができる時から10年(客観的起算点)のいずれか早い方で消滅時効が完成すると定め、10年の客観的起算点は廃止されていないため誤り。ウについて、催告による時効の完成猶予(民法150条)は催告後6か月以内に裁判上の請求等をしなければ時効完成猶予の効力を生じません。催告の繰り返しによる二重の完成猶予は認められないため誤り(民法150条2項)。エについて、時効取得は援用(民法145条)によって確定します。時効完成後に元の所有者から譲り受けた第三者Cとの関係は、二重譲渡と同様に民法177条の対抗問題となり、Bは登記がなければCに対抗できないため誤り(最判昭和33.8.28)。
取得時効の要件「所有の意思」(自主占有)の判断は、占有開始時の客観的事情によります(最判昭和45.6.18)。賃貸借・使用貸借等の他主占有では取得時効は成立しません。宅建実務では越境占有(境界紛争)・長期使用の駐車場・相続未了の土地占有が典型的な時効取得問題です。消滅時効については2020年改正で大きく変更されました。改正前は債権の消滅時効期間が原則10年でしたが、改正後は①主観的起算点(権利を行使することができることを知った時)から5年、②客観的起算点(権利を行使することができる時)から10年、のいずれか早い方で消滅します(民法166条1項)。不法行為に基づく損害賠償請求権は、損害および加害者を知った時から3年または行為の時から20年(身体・生命侵害は5年)です(民法724条・724条の2)。時効の完成猶予・更新については2020年改正で「停止」「中断」の概念が整理されました。「猶予」は時効の進行を一時停止させるものであり、「更新」は時効期間をリセットするものです。催告(民法150条)は6か月の完成猶予効を持ちますが、再催告での延長は認められません。時効完成後の利害関係人(登記名義人・差押え債権者・第三取得者等)との対抗関係は民法177条で処理され、時効取得者も登記を備えなければ第三者に対抗できない点が実務上重要です。
- 民法第162条・第166条・第150条・第145条・第177条・第724条e-Govで原文を読む
出典と作り方
本問は合格ナビが作成したオリジナル問題です(本試験問題の転載ではありません)。根拠・出典:出典:不動産適正取引推進機構(RETIO)公表の出題範囲(宅地建物取引士試験)を参照した合格ナビ独自作成各根拠条文は「e-Gov法令検索」(https://elaws.e-gov.go.jp/)で原文を確認できます。令和8年度(2026年度)試験基準日時点で施行されている法令の数値を反映しています(数値確認日 2026-10-12)。
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執筆・監修:合格ナビ運営事務局(運営者情報)。宅地建物取引業法・改正民法・借地借家法・建築基準法・都市計画法・盛土規制法(R5)・国土交通省ガイドラインの出題範囲分析に基づき、オリジナル問題と段差のある3段階の解説を作成しています。

