問題
賃貸住宅管理業法第20条の委託者への定期報告義務に関する次のア〜オの記述のうち、誤っているものはどれか。
キーボード:1〜5で選択・Enterで次へ
答え合わせ
- ア
- イ
- ウ
- エ
- オ
自信の3択
えらぶと、この端末に記録します(登録はいりません)
解説
正答(誤っているもの)はウです。
業法第20条の定期報告は報告書を交付して説明するのが原則ですが、委託者の承諾を得て電磁的方法(メール・PDF提供等)で提供することも認められています(施行規則第40条第2項)。「電磁的方法は認められていない」という記述が誤りです。
ア(定期報告義務)・イ(契約締結日から1年を超えない期間ごと+期間満了後遅滞なく)・エ(苦情状況を含む)は正しい記述です。
オも正しい記述です。管理業者として管理受託契約を締結している場合は、サブリース業者と兼業していても第20条の定期報告義務が適用されます。
定期報告義務(業法第20条・施行規則第40条)の概要:
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 頻度 | 管理受託契約を締結した日から1年を超えない期間ごと+契約期間の満了後遅滞なく |
| 報告方法 | 報告書を作成・交付して説明(委託者の承諾を得て電磁的方法による提供も可) |
| 委託者 | 管理受託契約の委託者(賃貸住宅オーナー) |
| 報告事項 | 報告の対象期間・管理業務の実施状況・入居者からの苦情の発生状況及び対応状況 |
| 違反の効果 | 罰則規定はなく、業務改善命令(第22条)・業務停止等(第23条)の対象 |
施行規則第40条第1項の報告事項:
1. 報告の対象となる期間
2. 管理業務の実施状況
3. 管理業務の対象となる賃貸住宅の入居者からの苦情の発生状況及び対応状況
各選択肢の解説:
- ア(正): 第20条第1項の規定どおり。定期報告の義務が管理業者に課されています。正しい記述です。
- イ(正): 施行規則第40条第1項は「管理受託契約を締結した日から一年を超えない期間ごとに、及び管理受託契約の期間の満了後遅滞なく」報告書を交付して説明するとしています。事業年度ごとではなく、契約締結日が起点です。正しい記述です。
- ウ(誤・正答): 施行規則第40条第2項により、委託者の承諾を得て電磁的方法で提供することができます。書面限定という記述が誤りです。
- エ(正): 施行規則第40条第1項第3号に「入居者からの苦情の発生状況及び対応状況」が含まれます。正しい記述です。
- オ(正): 管理受託契約に基づく定期報告義務(第20条)は、管理業者に課されるものであり、サブリース業者との兼業は関係ありません。正しい記述です。
【定期報告義務の目的・施行規則第40条の全記載事項・電磁的方法への移行・委託者との関係強化・実務での報告書作成・苦情対応との連動】
定期報告義務の目的と意義:
業法第20条の定期報告は、管理受託制度の核心的な義務の一つです。定期報告の目的:
1. 委託者(オーナー)への情報提供: 物件の状況・管理の実績をオーナーが把握できるようにする
2. 信頼関係の維持: 透明な報告により管理業者とオーナーの信頼を構築
3. 適切な管理への誘導: 報告義務があることで管理業者が業務記録・品質管理を行うインセンティブとなる
4. 紛争予防: 定期的な情報共有により、後日の「知らなかった」「説明がなかった」というトラブルを防止
施行規則第40条第1項の報告事項(全3号):
| 号 | 報告事項 |
|---|---|
| 第1号 | 報告の対象となる期間 |
| 第2号 | 管理業務の実施状況 |
| 第3号 | 管理業務の対象となる賃貸住宅の入居者からの苦情の発生状況及び対応状況 |
このうち特に重要なのは第2号(管理業務の実施状況)と第3号(苦情の発生・対応状況)です。
苦情発生・対応状況(第40条第1項第3号)の記載のポイント:
苦情の記録は業法上の義務であり、実務では以下を記録します:
- 苦情の発生日
- 苦情の内容(騒音・漏水・設備不具合等の分類)
- 苦情の申出者(入居者名・部屋番号等)
- 対応の経緯・結果
- 解決の有無
これらの記録は定期報告書に集約し、オーナーへ報告します。オーナーが自ら知ることが難しい「見えない管理業務の実態」を定期的に可視化する機能があります。
管理業務の実施状況(第40条第1項第2号)の記載のポイント:
金銭の管理(家賃・敷金・共益費等)を受託している場合、その状況は管理業務の実施状況の一部として報告することになり、分別管理義務(第16条)の実施状況確認のためにも重要です。記載内容の例:
- 当期の賃料収納額・滞納額
- 敷金の受入・返還状況
- 管理費用の支出状況(修繕費・管理手数料等)
電磁的方法による報告と実務:
施行規則第40条第2項・第3項で、委託者の承諾を得た電磁的方法による提供が認められているため:
- PMシステム(プロパティマネジメントシステム)からのPDF自動生成→メール送付が可能
- クラウドポータルによる「オーナー向けレポートページ」の提供が合法化
- 紙の郵送コスト・時間の削減
実際には大手管理会社を中心に「オーナーズポータルサイト」での定期報告が普及しており、オーナーが自らスマートフォンで入居状況・賃料収納・苦情対応を確認できる環境が整いつつあります。
頻度「契約締結日から1年を超えない期間ごと」の解釈:
「管理受託契約を締結した日から1年を超えない期間ごと」は最低要件であり、実務では半年ごと・四半期ごとの報告を行う業者も多いです。委託者(オーナー)との契約で「月次報告」「四半期報告」を合意することも可能です。
報告の多さは管理業者の信頼性・サービス品質のシグナルとなります。特に「滞納・苦情が多い物件」では月次報告でオーナーとの連携を密にすることが重要です。
賃管士としての定期報告書作成の実務:
定期報告書の作成において賃管士が確認すべきポイント:
1. 報告対象期間の正確な設定(契約締結日を起点に1年を超えない期間)
2. 苦情記録の漏れなき集約
3. 修繕・維持保全の実施記録との照合
4. 金銭管理(家賃・敷金)の収支の正確な集計
5. 委託者への送付・電磁的提供の記録保管(送付済みの証拠)
6. 委託者からの質問・反応への対応記録
これらの管理が適切に行われることで、業法第20条の義務履行と委託者との信頼関係維持が両立します。
- 賃貸住宅の管理業務等の適正化に関する法律第20条e-Govで原文を読む
出典と作り方
本問は合格ナビが作成したオリジナル問題です(本試験問題の転載ではありません)。 根拠・出典:根拠: 賃貸住宅の管理業務等の適正化に関する法律第20条・施行規則第40条 確認日: 2026-06-10 出典: e-Gov 法令検索 各根拠条文は「e-Gov法令検索」(https://elaws.e-gov.go.jp/)で原文を確認できます。令和8年度(2026年度)試験基準日時点で施行されている法令の数値を反映(数値確認日 2026-10-12)。
本問・解説は試験対策のための学習コンテンツです。法令・通達・ガイドラインは改正されることがあるため、最新の内容は一般社団法人 賃貸不動産経営管理士協議会・国土交通省の公式情報をご確認ください。本サイトは協議会と一切関係ありません。
執筆・監修:合格ナビ運営事務局(運営者情報)。賃貸住宅管理業法・サブリース新法・国土交通省ガイドラインの出題範囲分析に基づき、オリジナル問題と段差のある3段階の解説を作成しています。

