賃管士 賃貸住宅管理業法 問50:賃貸住宅管理業法(管理受託契約)
(令和8年度(2026年度)試験対応・数値確認日 2026-06-10)
管理受託契約に基づく管理業務の再委託(業法第15条)に関する次のア〜オの記述のうち、**正しいもの**はどれか。
- ア管理業者は、受託した管理業務の全部を一括して第三者に再委託することができる。ただし、委託者(オーナー)の書面による事前承諾がある場合に限る。
- イ管理業者は、委託者の承諾がない場合でも、受託した管理業務の一部(清掃・設備点検等)を専門業者に委託することができる。正答
- ウ管理業者が管理業務の一部を第三者に再委託した場合、当該業務に関する管理業法上の義務(分別管理・定期報告等)は再委託先の第三者が引き受け、委託元の管理業者は責任を負わない。
- エ管理業者は、受託した管理業務を別の登録管理業者に一括再委託することができる。相手先が登録を受けた管理業者であれば業法第15条の制限の対象外となる。
- オ管理業法第15条の一括再委託禁止は、管理業務の全部を一つの第三者に委託することを禁止するものであり、異なる専門業者に業務を分割して個別委託することも、合計で全業務になれば禁止対象となる。
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正答はイです。
業法第15条は「管理業者は、受託した管理業務の全部を一括して第三者に再委託してはならない」と規定しています。これは「一括再委託(全部委託)の禁止」であり、業務の「一部」を第三者に委託することは禁止されていません(イが正しい)。
清掃・設備点検等の専門業務を専門業者に委託することは「業務の一部委託」として認められており、委託者の承諾は必ずしも必要ではありません(ただし重説書面の記載事項として再委託先の記載は必要)。
アの「一括再委託は書面承諾で可能」は誤り(書面承諾があっても一括再委託は禁止)。エの「相手が登録業者なら制限対象外」も誤り(相手方に関係なく一括禁止)。
一括再委託禁止(業法第15条)のポイント:
| 区分 | 業法上の取扱い |
|---|---|
| 管理業務の全部を一括して第三者に再委託 | 禁止(委託者の承諾があっても禁止) |
| 管理業務の一部を第三者に委託 | 可(委託者の承諾は不要だが、重説書面への記載が必要) |
| 再委託先が登録管理業者の場合 | 一括再委託の禁止は適用される(相手方の資格に関係なし) |
| 委託元の責任の帰属 | 委託元(登録管理業者)が引き続き管理業法上の義務を負う |
一括再委託を禁止する理由:
委託者(オーナー)がAという管理業者を信頼して委託したのに、Aが実際の業務をBに全部丸投げした場合、委託者が信頼して契約した相手(A)が実際には業務を行わないという状態が生じます。これはオーナーの期待権・信頼を裏切る行為であり、管理の品質管理も困難になります。
各選択肢の整理:
- ア(誤): 書面承諾があっても一括再委託は禁止(業法第15条の文言は「してはならない」と絶対禁止)。
- イ(正): 業務の一部委託は委託者の承諾不要でも可(ただし重説書面記載要)。
- ウ(誤): 再委託しても委託元(登録管理業者)が管理業法上の義務(分別管理・定期報告等)を引き続き負う。
- エ(誤): 相手が登録業者でも一括再委託は禁止(業法第15条の適用除外規定なし)。
- オ(要確認): 「異なる専門業者への分割委託が全業務になれば禁止」という解釈については、業法第15条の「一括して」という文言が「1者に全部委託」を想定しているため、複数者への分割委託は「一括再委託」には該当しないという解釈が有力。
【一括再委託禁止の「絶対禁止性」と宅建業法の媒介制限との比較】
業法第15条の一括再委託禁止は「委託者(オーナー)の承諾があっても禁止」という絶対的禁止規定です。これは宅建業法第78条の2(宅建業者間の媒介・代理の制限)とは異なり、「当事者の合意で排除できない強行規定」として設計されています。
絶対禁止とした理由:
1. 「委託者が承諾すれば全部丸投げ可能」とすると、実質的に「登録不要の第三者が管理業務を行う」ことを許容することになり、登録制度の実効性が失われる。
2. 委託者(オーナー)は管理業務の実態を十分に把握できないため、「承諾した」という事実があっても、その承諾の意味を理解していない可能性がある。
3. 消費者保護として強行規定化することで、管理業法の適用が常に確保される。
「一部委託」の範囲と「全部委託」の境界:
業法第15条の「全部を一括して」という禁止は「実質的に全ての管理業務を一者に丸投げする」ことを意味します。業務を複数の専門業者に分割委託した場合(清掃会社・設備管理会社・保険会社への個別委託等)は「一括」ではないため禁止対象外と解されます。
ただし、業務分割が形式的であり(例:清掃と金銭管理だけ自社が行い、残り98%の業務を1社に再委託)実質的には全部丸投げと変わらない場合は、業法の趣旨から「実質的一括再委託」として禁止に抵触する可能性があります。この境界線は解釈・運用通知での確認が必要です。
委託元の責任継続:管理業法上の義務はどこまで及ぶか
一部業務を再委託した場合でも、委託元の管理業者は以下の管理業法上の義務を引き続き負います:
- 分別管理義務(業法第16条):家賃等の金銭管理は委託元の管理業者が責任を負う(再委託先が預かった金銭についても委託元が分別管理を確保する義務)
- 定期報告義務(業法第20条):委託者(オーナー)への定期報告は委託元の管理業者が責任を負う(再委託先からの情報を取りまとめて報告)
- 秘密保持義務(業法第21条):再委託先が取り扱う情報についても委託元が秘密保持を確保する義務
- 帳簿備付義務(業法第18条):再委託を含む業務全体の帳簿を委託元が備付け
「再委託したから自分は知らない」という言い訳は管理業法上通用しません。委託元は再委託先の業務品質・法令遵守について「使用者責任的な監督義務」を負います。
一括再委託禁止の実務的対応(管理業者の自社業務範囲の確保):
一括再委託禁止に対応するため、管理業者は「自社が核となって行う業務(指揮・監督・委託者報告等)」を明確に定め、専門業者への個別業務委託と自社業務の範囲を整理することが重要です。業界団体が策定した「管理受託契約標準約款」では一括再委託禁止の規定が明記されており、標準約款の活用が推奨されています。
確認日: 2026-06-10。出典: 賃貸住宅管理業法第15条(e-Gov)。
本問は合格ナビが作成したオリジナル問題です(本試験問題の転載ではありません)。 根拠・出典:根拠: 賃貸住宅管理業法第15条(一括再委託の禁止・業務の一部委託は可・委託元の責任継続) <!-- 作問独自性ログ 2026-06-10: 一括再委託禁止(相手が登録業者でも禁止)・一部委託は委託者承諾不要でも可・委託元の責任継続を論点に独立創作。イを正として設計。 --> 各根拠条文は「e-Gov法令検索」(https://elaws.e-gov.go.jp/)で原文を確認できます。令和8年度(2026年度)試験基準日時点で施行されている法令の数値を反映(数値確認日 2026-06-10)。
本問・解説は試験対策のための学習コンテンツです。法令・通達・ガイドラインは改正されることがあるため、最新の内容は一般社団法人 賃貸不動産経営管理士協議会・国土交通省の公式情報をご確認ください。本サイトは協議会と一切関係ありません。
執筆・監修:Zawa Lab(合格ナビ運営者情報) / 賃貸住宅管理業法・サブリース新法・国土交通省ガイドラインの出題範囲分析に基づきオリジナル問題と段差性のあるAI解説を作成しています。