賃管士 管理実務 問14:管理実務・法令
(令和8年度(2026年度)試験対応・数値確認日 2026-06-10)
暴力団排除に関する次のア〜オの記述のうち、**正しいもの**はどれか。
- ア都道府県の暴力団排除条例では、不動産取引(賃貸借契約を含む)における暴力団員等への便宜供与を禁止している都道府県が多く存在する。正答
- イ賃貸借契約における「暴力団排除条項(暴排条項)」は、入居後に暴力団員であることが判明した場合の契約解除を定めることができるが、この条項は法的効力がなく裁判所でも認められない。
- ウ管理業者は、入居申込者が暴力団員であることを知りながら賃貸借契約を締結した場合でも、その行為に対する法的責任は生じない。
- エ不動産業者(宅建業者)が暴力団員であると知りながら賃貸借取引の仲介を行うことは、各都道府県の暴力団排除条例に違反する場合があり、行政処分の対象となりうる。
- オ賃借人が入居中に暴力団員・指定暴力団の関係者であることが判明した場合でも、日本国憲法の「居住の自由」の保障から、賃貸人は契約解除ができない。
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正答はアです。
全国47都道府県の暴力団排除条例では、不動産取引(賃貸借を含む)において暴力団員等への便宜供与(物件の提供・業務委託等)を禁止しています。アが正しい記述です。
イは誤りで、暴排条項は法的効力があり、裁判所でも有効と認められています。ウは誤りで、知りながら契約を締結した場合、条例違反として法的責任が生じる可能性があります。エは正しい内容ですが正答はア。オは誤りで、暴排条項に基づく契約解除は正当と認められています。
暴力団排除の規制体系:
| 規制 | 内容 |
|---|---|
| 暴力団排除条例 | 都道府県が制定・不動産取引での便宜供与禁止 |
| 暴対法(暴力団員による不当な行為の防止等に関する法律) | 暴力団員の不当行為・利益供与の禁止 |
| 宅建業法・各業界自主規制 | 宅建業者の暴力団排除への取組み推奨 |
| 賃貸借契約の暴排条項 | 暴力団員であることが判明した際の解除条項 |
暴排条項の有効性(イが誤りの理由):
裁判所は、賃貸借契約書に設けられた「契約者または同居人が暴力団員等であることが判明した場合は催告なしに契約を解除できる」という暴排条項を、公序良俗・社会的相当性の観点から有効としています(複数の裁判例が有効性を認めている)。
各選択肢:
- ア(正): 都道府県の暴力団排除条例での不動産取引の便宜供与禁止を正確に記述。
- イ(誤): 暴排条項は法的効力あり(裁判例が有効性を認める)。
- ウ(誤): 知りながら締結した管理業者・仲介業者は条例違反・行政処分等の対象。
- エ(正内容): 宅建業者の仲介での条例違反は正しいが正答はア。
- オ(誤): 暴排条項に基づく解除は有効(居住の自由は絶対的権利ではなく、公序良俗・契約の相手方の保護が優先される場合がある)。
【暴力団排除条例の内容・暴対法との関係・反社チェックの実務・暴排条項の法的根拠・管理業者の義務と責任】
1. 暴力団排除条例の概要
平成23年(2011年)に全国47都道府県全てで暴力団排除条例が施行されました。不動産取引に関する主な規定:
- 便宜供与の禁止: 不動産の売買・賃貸借において暴力団員等を相手方とすることを禁止
- 利益供与の禁止: 暴力団の活動に使用されると知りながら物件・資金等を提供することを禁止
- 違反の効果: 条例違反→公表・行政処分(業者の場合は免許取消等)
2. 暴力団員の定義(暴対法・条例)
| 区分 | 内容 |
|---|---|
| 暴力団 | 集団的・常習的に暴力的不法行為を行う組織(暴対法2条2号) |
| 暴力団員 | 暴力団の構成員(暴対法2条6号) |
| 準構成員 | 組に属さないが協力・供与する者 |
| 関係者(広義) | フロント企業・共生者等 |
一般的に契約書の暴排条項には「暴力団員等(関係者を含む)」と広く定義されます。
3. 反社チェック(反社会的勢力チェック)の実務
賃貸管理業者が行う主な反社チェック:
- 入居申込書の確認: 氏名・生年月日・住所・勤務先の確認
- 警察への照会: 都道府県の窓口(コンプライアンス相談等)を通じた照会(一般的には事前には難しい)
- 公開情報の確認: 暴力団関係者リスト(一部公開情報)・ニュース検索等
- 業界団体のデータベース: 全宅連等の反社データベース利用(加盟業者向け)
- 入居後の確認: 近隣住民・管理員からの情報収集
完全な排除は現実的に難しいですが、「知りながら入居を許可しない」ことが条例の求める水準です。
4. 暴排条項の法的根拠(イが誤りの詳細)
暴排条項(暴力団排除条項)が有効とされる根拠:
- 公序良俗(民法90条): 社会的に健全な不動産利用を促進する公序良俗の観点から正当
- 暴排条例の趣旨: 条例が便宜供与を禁止している→契約での排除条項は条例の趣旨に適合
- 判例: 東京高裁等の複数の裁判例が暴排条項に基づく解除を有効と認定
暴排条項に基づく解除は「催告なしの即時解除」が認められるのが一般的です(信頼関係の著しい破壊として)。
5. オーナーと管理会社の責任
知りながら暴力団員に物件を賃貸した場合の問題:
- オーナー:暴力団排除条例の便宜供与禁止違反(行政処分の対象)
- 管理会社:同上(業務改善命令・免許取消等)
- 近隣への損害:暴力団の活動による近隣住民の安全・安心への損害賠償責任の可能性
6. 入居後の暴力団員発覚と対応
入居後に暴力団員であることが判明した場合の対応フロー:
1. 事実確認(慎重に・直接対峙は危険)
2. 警察への相談(脅迫・危険の場合は即通報)
3. 弁護士への相談(法的対応の確認)
4. 暴排条項に基づく契約解除通知(書面・内容証明)
5. 退去の促進・明渡し交渉
6. 任意退去なき場合→明渡し訴訟
退去を迫る際の安全確保(管理業者・オーナーへの脅迫リスク)に注意し、警察・弁護士と連携することが必須です。
<!-- 監修確定 2026-06-10(legal-reviser): 各都道府県暴力団排除条例(全47都道府県・不動産取引での便宜供与禁止)・暴排条項の有効性(裁判例認定)確認済。正答ア維持。 -->
本問は合格ナビが作成したオリジナル問題です(本試験問題の転載ではありません)。 根拠・出典:根拠: 各都道府県暴力団排除条例(東京都・大阪府等)・暴力団員による不当な行為の防止等に関する法律(暴対法) 確認日: 2026-06-10 出典: 警察庁 https://www.npa.go.jp/ ・ 各都道府県条例 各根拠条文は「e-Gov法令検索」(https://elaws.e-gov.go.jp/)で原文を確認できます。令和8年度(2026年度)試験基準日時点で施行されている法令の数値を反映(数値確認日 2026-06-10)。
本問・解説は試験対策のための学習コンテンツです。法令・通達・ガイドラインは改正されることがあるため、最新の内容は一般社団法人 賃貸不動産経営管理士協議会・国土交通省の公式情報をご確認ください。本サイトは協議会と一切関係ありません。
執筆・監修:Zawa Lab(合格ナビ運営者情報) / 賃貸住宅管理業法・サブリース新法・国土交通省ガイドラインの出題範囲分析に基づきオリジナル問題と段差性のあるAI解説を作成しています。