賃管士
法令の確認日 2026年9月13日e-Govと照合済み

賃管士 管理実務 問16|賃貸住宅経営の収益計算——NOI・表面利回り・実質利回り

問題

賃管士 | 管理実務 | 令和8年度(2026年度)試験対応・数値確認日 2026-10-12

賃貸住宅経営の収益計算に関する次のア〜オの記述のうち、誤っているものはどれか。

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答え合わせ

正解は エ
  • ア
  • イ
  • ウ
  • エ
  • オ

自信の3択

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解説

正答(誤っているもの)はエです。

表面利回りが高い物件が「必ず投資価値が高い」というエの記述は誤りです。表面利回りは空室リスク・修繕費・管理コスト等を考慮していない単純な数字であり、実際の収益性(実質利回り)は大幅に低くなる場合があります。また、利回りが高い物件は立地・築年数・設備等のリスクが高い場合が多く、「表面利回りが高い=投資価値が高い」は誤りです。

ア・イ・ウは正しい記述です。表面利回り(ア)・実質利回り(イ)・NOI(ウ)の定義はいずれも正確です。オも正しい方向ですが正答はエです。

賃貸住宅投資の主要指標:

指標計算式内容
表面利回り年間賃料収入÷物件購入価格空室・経費を考慮しない単純収益率
実質利回りNOI÷物件取得価格空室・経費を考慮した純収益率
NOI有効賃料収入−営業経費純営業収益(借入金返済前)
CCR年間手残り÷自己投資額自己資金に対する収益率

エが誤りの理由(表面利回りの限界):

表面利回りが高い物件は:

  • 空室リスクが高い(立地・築年・設備に問題がある場合)
  • 修繕費・管理コストが高い
  • 金融機関の融資が厳しい

実際の収益性(実質利回り・NOI利回り)が低ければ投資価値は低くなります。

各選択肢:

  • ア(正): 表面利回りの定義(経費考慮なし)を正確に記述。
  • イ(正): 実質利回りの定義(NOI÷取得価格)を正確に記述。
  • ウ(正): NOIの定義(有効賃料収入−営業経費)を正確に記述。
  • エ(誤・正答): 表面利回り高い=投資価値高いは誤り(実質利回り・リスクの総合判断が必要)。
  • オ(正方向): レバレッジ効果の基本概念は正しいが正答はエ。

【NOIの詳細構成・利回りの計算例・レバレッジ効果の仕組み・不動産投資の収益評価手法(DCF法)・賃管士が持つべき収益分析の視点】

1. NOIの詳細構成

NOI(Net Operating Income)の計算:

項目内容
満室想定収入全室満室時の年間賃料収入
− 空室損失平均空室率×満室想定収入
= 有効賃料収入(EGI)実際に収受できる賃料収入
− 営業経費管理費・修繕費・固定資産税・保険料等
= NOI純営業収益

典型的な営業経費率(総収入に対する比率):20〜40%程度(物件・規模・年数による)

2. 利回りの計算例

物件A(購入価格1億円・年間賃料収入600万円・空室率10%・営業経費率30%):

  • 表面利回り:600万÷1億円 = 6.0%
  • 有効賃料収入:600万×(1-0.1) = 540万円
  • 営業経費:540万×0.3 = 162万円
  • NOI:540万−162万 = 378万円
  • 実質利回り:378万÷1億円 = 3.78%

表面6%でも実質3.78%という大きなギャップが生じます。

3. レバレッジ効果(オの詳細)

レバレッジ(てこの原理)を使った投資の例:

全額自己資金50%借入
物件価格1億円1億円
自己資金1億円5,000万円
借入金0円5,000万円
NOI378万円378万円
金利(2%の場合)0円100万円
金利支払後の収益(元本返済・税は考慮しない簡略計算)378万円278万円
自己資金利回り3.78%5.56%

借入を活用することで自己資金に対する収益率が上がる(ポジティブレバレッジ)のが「レバレッジ効果」です。

注意: 実質利回りが金利を下回る場合(ネガティブレバレッジ)は借入が逆効果になります。

4. DCF(Discounted Cash Flow)法

プロ向けの高度な不動産評価手法です:

  • 将来の年間キャッシュフローを予測
  • 割引率(期待収益率)で割り引いて現在価値を算出
  • 評価期間終了後の売却価格(エグジット)も考慮

DCF法は収益性・リスクを時系列で捉えるため、長期保有・大型投資案件で活用されます。

5. 賃管士が持つべき収益分析の視点

賃管士は「建物の管理」だけでなく、オーナーの収益最大化を支援する役割も期待されます:

  • 空室率の改善提案(入居者募集・リノベーション・賃料設定見直し)
  • 費用削減提案(修繕コストの適正化・保険の見直し)
  • 収益シミュレーションの提供(NOI・実質利回りの試算)

単純な「管理業務の遂行」から「オーナーの資産運用パートナー」への進化が賃管士の付加価値向上の方向性です。

6. 空室対策と収益性

空室率10%→5%に改善した場合の収益インパクト(上記例):

  • 有効賃料収入:600万×(1-0.05) = 570万円(↑30万円)
  • NOI:570万−171万 = 399万円(↑21万円)
  • 実質利回り:3.99%(↑0.21%ポイント)

空室率改善は直接的に収益に影響するため、PM業務の中で最も重要な成果指標の一つです。

この問題の根拠根拠: 不動産投資の一般的な評価基準・国土交通省不動産関連情報 確認日: 2026-06-10 出典: 国土交通省 https://www.mlit.go.jp/
訂正の記録この問題の訂正はありません(サイト全体の記録)
出典と作り方

本問は合格ナビが作成したオリジナル問題です(本試験問題の転載ではありません)。 根拠・出典:根拠: 不動産投資の一般的な評価基準・国土交通省不動産関連情報 確認日: 2026-06-10 出典: 国土交通省 https://www.mlit.go.jp/ 各根拠条文は「e-Gov法令検索」(https://elaws.e-gov.go.jp/)で原文を確認できます。令和8年度(2026年度)試験基準日時点で施行されている法令の数値を反映(数値確認日 2026-10-12)。

本問・解説は試験対策のための学習コンテンツです。法令・通達・ガイドラインは改正されることがあるため、最新の内容は一般社団法人 賃貸不動産経営管理士協議会・国土交通省の公式情報をご確認ください。本サイトは協議会と一切関係ありません。

執筆・監修:合格ナビ運営事務局(運営者情報)。賃貸住宅管理業法・サブリース新法・国土交通省ガイドラインの出題範囲分析に基づき、オリジナル問題と段差のある3段階の解説を作成しています。

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