賃管士
法令の確認日 2026年9月13日e-Govと照合済み

賃管士 管理実務 問32|建物の使用貸借と賃貸借の違い——民法593条〜599条・借地借家法1条

問題

賃管士 | 管理実務 | 令和8年度(2026年度)試験対応・数値確認日 2026-10-12

建物の使用貸借と建物の賃貸借に関する次のア〜オの記述のうち、民法及び借地借家法の規定によれば、正しいものはどれか。

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答え合わせ

正解は ア
  • ア
  • イ
  • ウ
  • エ
  • オ

自信の3択

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解説

正答はアです。

民法597条3項は「使用貸借は、借主の死亡によって終了する」と定めています。一方、民法の賃貸借の規定には賃借人の死亡を終了事由とする定めはなく、賃借人の地位は相続によって相続人に承継されます(896条)(ア)。

ウは誤りで、借地借家法は建物の賃貸借を対象とし、無償の使用貸借には適用されません(1条)。イは誤りで、書面によらない使用貸借は、借主が受け取るまで貸主が解除できます(593条の2)。エは誤りで、通常の必要費は借主の負担です(595条1項)。オは誤りで、期間も目的も定めなかったときは、貸主はいつでも解除できます(598条2項)。

使用貸借と賃貸借の比較:

項目使用貸借賃貸借
対価無償(593条)賃料を支払う(601条)
借地借家法適用されない建物の賃貸借に適用される(1条)
受取り前の解除書面によらないものは、借主が受け取るまで貸主が解除できる(593条の2)該当規定なし
通常の必要費借主が負担(595条1項)賃貸人の負担に属する必要費は賃借人が直ちに償還請求できる(608条1項)
借主の死亡終了する(597条3項)終了事由とされておらず、相続される(896条)
期間・目的の定めがないとき貸主はいつでも解除できる(598条2項)借地借家法の解約申入れの規定による

各選択肢:

  • ウ(誤): 借地借家法は建物の賃貸借についての法律で、使用貸借には適用されません。
  • イ(誤): 593条の2本文により解除できます。解除できないのは書面による使用貸借です。
  • ア(正): 597条3項と、賃貸借に死亡による終了の規定がないこと・896条のとおりです。
  • エ(誤): 595条1項により、通常の必要費は借主の負担です。
  • オ(誤): 598条2項により、貸主はいつでも解除できます。

【使用貸借の性質・借地借家法の適用範囲・終了の仕組み・管理実務で出会う場面】

1. 使用貸借の性質

使用貸借は、当事者の一方がある物を引き渡すことを約し、相手方が受け取った物を無償で使用・収益して契約が終了したときに返還することを約することで成立します(593条)。賃貸借(601条)との違いは、対価(賃料)を支払わない点です。書面によらない使用貸借は、借主が借用物を受け取るまで貸主が解除できます(593条の2)。借主は通常の必要費を負担します(595条1項)。

2. 借地借家法が適用されない

借地借家法1条は、同法を、建物の所有を目的とする地上権・土地の賃借権と、建物の賃貸借について特別の定めをする法律としています。無償の使用貸借は対象ではないため、更新拒絶や解約申入れに正当事由を求める規定、建物の引渡しによる対抗力(31条)などは使用貸借には及びません。

3. 終了の仕組み(597条・598条)

  • 期間を定めたときは、期間の満了で終了します(597条1項)。
  • 期間を定めず、使用・収益の目的を定めたときは、借主がその目的に従い使用・収益を終えることで終了し(597条2項)、目的に従い使用・収益をするのに足りる期間を経過したときは、貸主は解除できます(598条1項)。
  • 期間も目的も定めなかったときは、貸主はいつでも解除できます(598条2項)。
  • 借主はいつでも解除できます(598条3項)。
  • 借主が死亡すると終了します(597条3項)。

賃貸借には、賃借人の死亡で終了するという規定はなく、賃借人の地位は被相続人の財産に属した権利義務として相続人に承継されます(896条)。

4. 管理実務で出会う場面

親族に無償で住まわせている住戸や、賃料を受け取らずに社宅の一部を使わせている場合などは、使用貸借に当たることがあります。名目上わずかな金銭を受け取っていても、使用の対価といえるかどうかで賃貸借か使用貸借かが分かれます。どちらに当たるかで、借地借家法による保護や、借主が死亡したときの扱いが大きく変わるため、管理を受託するときは契約の実態を確かめておくことが大切です。

この問題の根拠条番号はe-Govの本文と機械で照合しています(2026-09-13)。照合の方法
訂正の記録この問題の訂正はありません(サイト全体の記録)
出典と作り方

本問は合格ナビが作成したオリジナル問題です(本試験問題の転載ではありません)。 根拠・出典:根拠: 民法第593条(使用貸借)・第593条の2(借用物受取り前の貸主による使用貸借の解除)・第595条(借用物の費用の負担)・第597条(期間満了等による使用貸借の終了)・第598条(使用貸借の解除)・第601条(賃貸借)・第608条・第896条(相続の一般的効力)、借地借家法第1条(趣旨) 確認日: 2026-09-30 出典: e-Gov 法令検索(法令API v2) https://laws.e-gov.go.jp/law/129AC0000000089#Mp-At_597 / https://laws.e-gov.go.jp/law/129AC0000000089#Mp-At_598 / https://laws.e-gov.go.jp/law/403AC0000000090#Mp-At_1 各根拠条文は「e-Gov法令検索」(https://elaws.e-gov.go.jp/)で原文を確認できます。令和8年度(2026年度)試験基準日時点で施行されている法令の数値を反映(数値確認日 2026-10-12)。

本問・解説は試験対策のための学習コンテンツです。法令・通達・ガイドラインは改正されることがあるため、最新の内容は一般社団法人 賃貸不動産経営管理士協議会・国土交通省の公式情報をご確認ください。本サイトは協議会と一切関係ありません。

執筆・監修:合格ナビ運営事務局(運営者情報)。賃貸住宅管理業法・サブリース新法・国土交通省ガイドラインの出題範囲分析に基づき、オリジナル問題と段差のある3段階の解説を作成しています。

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