賃管士
法令の確認日 2026年9月13日e-Govと照合済み

賃管士 管理実務 問41|保証債務の性質——書面性・保証の範囲・付従性

問題

賃管士 | 管理実務 | 令和8年度(2026年度)試験対応・数値確認日 2026-10-12

賃貸借契約における連帯保証人の保証債務の性質に関する次のア〜オの記述のうち、正しいものはどれか。

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答え合わせ

正解は イ
  • ア
  • イ
  • ウ
  • エ
  • オ

自信の3択

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解説

正答はイです。

民法447条1項は「保証債務は、主たる債務に関する利息、違約金、損害賠償その他その債務に従たるすべてのものを包含する」と定めています。つまり保証人は元の賃料だけでなく、滞納による遅延損害金なども含めて責任を負います。

アは誤りです。保証契約は書面(または電磁的記録)でしなければ効力を生じません(446条2項)。ウ・エは誤りです。保証人の負担は主たる債務より重くならず(448条1項)、主債務が後から加重されても保証人の負担は加重されません(448条2項)。オは誤りです。電磁的記録でされた保証契約は書面によるものとみなされます(446条3項)。

保証債務の3つの性質(民法446〜448条):

性質内容条文
成立要件(要式性)書面(又は電磁的記録)でしなければ効力を生じない446条2項・3項
範囲の広さ利息・違約金・損害賠償等、主債務に従たるものをすべて包含447条1項
付従性(内容面)保証人の負担は主債務より重くならず、主債務の限度に減縮される448条1項
付従性(加重の遮断)契約締結後に主債務が加重されても保証人の負担は加重されない448条2項

各選択肢:

  • ア(誤): 保証契約は要式契約であり、口頭の合意だけでは効力を生じない(446条2項)。賃貸借の連帯保証契約書を取り交わす実務は、この要式性に基づく。
  • イ(正・正答): 447条1項どおり。滞納賃料本体に加え、遅延損害金等も保証の対象に含まれる。
  • ウ(誤): 448条1項により、保証人の負担が主債務より重いときは主債務の限度に減縮される。当事者の合意があっても法定の減縮は排除されない。
  • エ(誤): 448条2項により、契約締結後の主債務の加重は保証人の負担に影響しない(付従性の一方向性)。
  • オ(誤): 446条3項により、電磁的記録による保証契約は書面によるものとみなされる。

【保証債務の要式性・範囲・付従性の全体構造と賃貸管理実務への当てはめ】

1. 保証契約の要式性(446条2項・3項)

保証契約は諾成契約の原則の例外として、書面(または当該保証契約の内容を記録した電磁的記録)によらなければ効力を生じません。これは保証人が安易に保証を引き受けることを防ぎ、保証意思を明確化する趣旨です。賃貸借の連帯保証契約においても、口頭での「保証する」という約束だけでは法的効力がなく、契約書(または電子契約データ)の取り交わしが不可欠です。

2. 保証債務の範囲(447条1項)

保証債務は元本だけでなく、次のものをすべて含みます。

  • 利息
  • 違約金
  • 損害賠償(遅延損害金を含む)
  • その他主たる債務に従たるすべてのもの

賃貸借の保証実務でいえば、保証人は「滞納賃料そのもの」だけでなく、賃貸借契約や法定利率に基づく遅延損害金、原状回復費用(債務不履行に基づく損害賠償)なども保証の範囲に含まれます。ただし保証人が個人であり保証が個人根保証契約に該当する場合は、別途極度額(465条の2)の定めが必要であり、極度額を超える部分は保証の対象外となります(本問は極度額制度そのものではなく、保証債務の範囲・性質を問う設問である点に注意)。

なお447条2項は「保証人は、その保証債務についてのみ、違約金又は損害賠償の額を約定することができる」と定めており、保証人固有の違約金等を主債務とは別に取り決めることも可能です。

3. 付従性(448条1項・2項)

保証債務の付従性とは、保証債務が主たる債務の存在・内容に従属する性質をいいます。448条は付従性の内容面を具体化しています。

  • 1項: 保証人の負担が主債務より重いときは、主債務の限度に減縮される(保証人が主債務者より不利益な立場に置かれないようにする趣旨)
  • 2項: 保証契約締結後に主債務の目的又は態様が加重されても、保証人の負担は加重されない(保証人が予想していなかった負担の増加から保証人を守る趣旨)

賃貸管理実務では、賃貸借契約の途中で賃料を増額したり、特約を追加したりする場合がありますが、448条2項により、その加重が当然に保証人の負担にまで及ぶわけではない点に注意が必要です。保証人の負担を変更する必要がある場合は、保証人との間で改めて合意(保証契約の変更)を取ることが望ましい実務対応となります。

4. 実務上の留意点

管理業者・オーナーが保証人へ滞納賃料等を請求する場面では、①保証契約が書面(電磁的記録を含む)で適法に成立しているか、②請求する債務が447条の範囲に含まれるか、③主債務の加重が保証人に及ぶものか(448条2項の制約)を確認することが、無用な紛争を避けるうえで重要です。

この問題の根拠条番号はe-Govの本文と機械で照合しています(2026-09-13)。照合の方法
訂正の記録この問題の訂正はありません(サイト全体の記録)
出典と作り方

本問は合格ナビが作成したオリジナル問題です(本試験問題の転載ではありません)。 根拠・出典:根拠: 民法446条(保証人の責任等)・447条(保証債務の範囲)・448条(保証人の負担と主たる債務の目的又は態様) 確認日: 2026-09-30 出典: e-Gov 法令検索 民法 https://laws.e-gov.go.jp/law/129AC0000000089#Mp-At_447 各根拠条文は「e-Gov法令検索」(https://elaws.e-gov.go.jp/)で原文を確認できます。令和8年度(2026年度)試験基準日時点で施行されている法令の数値を反映(数値確認日 2026-10-12)。

本問・解説は試験対策のための学習コンテンツです。法令・通達・ガイドラインは改正されることがあるため、最新の内容は一般社団法人 賃貸不動産経営管理士協議会・国土交通省の公式情報をご確認ください。本サイトは協議会と一切関係ありません。

執筆・監修:合格ナビ運営事務局(運営者情報)。賃貸住宅管理業法・サブリース新法・国土交通省ガイドラインの出題範囲分析に基づき、オリジナル問題と段差のある3段階の解説を作成しています。