賃管士
法令の確認日 2026年9月13日e-Govと照合済み

賃管士 管理実務 問42|賃貸借契約の解除——催告解除と無催告解除の要件

問題

賃管士 | 管理実務 | 令和8年度(2026年度)試験対応・数値確認日 2026-10-12

賃貸借契約の解除の要件に関する次のア〜オの記述のうち、誤っているものはどれか。

キーボード:1〜5で選択・Enterで次へ

タップするとすぐ答え合わせ

答え合わせ

正解は エ
  • ア
  • イ
  • ウ
  • エ
  • オ

自信の3択

えらぶと、この端末に記録します(登録はいりません)

解説

正答(誤っているもの)はエです。

民法は解除の原則を「催告解除」(541条:相当期間を定めて催告し、履行がなければ解除できる)としつつ、542条で「催告によらない解除」ができる場合を定めています。賃借人が履行を拒絶する意思を明確に示した場合や、残存部分だけでは契約目的を達成できない場合などは、催告なしに直ちに解除できます。「常に催告を経なければならない」とするエは誤りです。

ア・イ・ウ・オは条文どおり正しい記述です。

催告解除(541条)と無催告解除(542条)の関係:

区分要件条文
催告解除(原則)相当期間を定めて催告し、その期間内に履行がないとき541条本文
催告解除の例外期間経過時の不履行が契約・取引上の社会通念に照らして軽微なとき→解除不可541条ただし書
無催告解除(例外)全部の履行不能/履行拒絶の明確な意思表示/一部不能で契約目的達成不能 等542条1項各号

各選択肢:

  • ア(正): 541条本文どおり。賃料不払いに対する解除の原則的な手順。
  • イ(正): 541条ただし書どおり。催告期間を経過した時の不履行が契約及び取引上の社会通念に照らして軽微なときは解除できない。
  • ウ(正): 542条1項2号(債務者がその債務の全部の履行を拒絶する意思を明確に表示したとき)に該当し、無催告解除が可能。
  • エ(誤・正答): 542条が定める無催告解除の各事由に該当する場合は催告不要であり、「常に催告を経なければならない」という記述は条文と矛盾する。
  • オ(正): 542条1項3号(債務の一部の履行が不能である場合又は債務者がその一部の履行を拒絶する意思を明確に表示した場合において、残存する部分のみでは契約をした目的を達することができないとき)どおり。

【解除制度の全体構造——催告解除の原則と無催告解除の類型・賃貸管理実務への当てはめ】

1. 催告解除の原則(541条)

民法541条は、当事者の一方が債務を履行しない場合、相手方が相当の期間を定めて履行を催告し、その期間内に履行がないときに契約を解除できると定めます。賃貸借契約でいえば、賃借人が賃料を滞納した場合、賃貸人(または管理業者)は「〇日以内に支払わなければ契約を解除する」旨の催告を行い、その期間内に支払いがなければ解除の意思表示をする、という手順が原則となります。

ただし541条ただし書は、催告期間経過時点の不履行が「契約及び取引上の社会通念に照らして軽微」であるときは解除できないと定めています。「軽微」かどうかは個別事情(滞納額・滞納期間・従前の履行状況等)によって決まるものであり、本問は条文の構造(原則と例外)そのものを問う設問です。

2. 無催告解除の類型(542条)

542条1項は、次の場合には催告なしに直ちに契約の全部を解除できると定めています。

1. 債務の全部の履行が不能であるとき

2. 債務者がその債務の全部の履行を拒絶する意思を明確に表示したとき

3. 債務の一部の履行が不能である場合又は債務者がその債務の一部の履行を拒絶する意思を明確に表示した場合において、残存する部分のみでは契約をした目的を達することができないとき

4. 契約の性質又は当事者の意思表示により、特定の日時又は一定の期間内に履行をしなければ契約をした目的を達することができない場合において、債務者が履行をしないでその時期を経過したとき(定期行為)

5. 前各号に掲げる場合のほか、債務者がその債務の履行をせず、債権者が催告をしても契約をした目的を達するのに足りる履行がされる見込みがないことが明らかであるとき

賃貸借実務への当てはめでいえば、賃借人が「もう二度と賃料を払わない」と明確に意思表示した場合(2号)や、賃借人の資力・態度から見て催告しても支払いの見込みが客観的に明らかにない場合(5号)などは、無催告解除の余地があります。ただし、無催告解除の適用は要件が厳格であり、実務上は催告を行った上で解除する方が紛争リスクは低いとされています。

3. 一部解除(542条2項)

542条2項は、債務の一部の履行が不能であるとき、又は債務者がその債務の一部の履行を拒絶する意思を明確に表示したときは、催告なしに契約の一部の解除ができると定めています。全部解除の要件(1項3号)とは異なり、残存部分で契約目的を達成できるかどうかを問わない点が異なります。

4. 実務上の留意点

管理業者が滞納対応を行う際は、まず541条の催告解除の手順(内容証明郵便による催告等)を踏むのが原則です。542条の要件を満たさないまま催告なしに解除の意思表示をしても解除の効力は生じないため、慎重な要件確認が必要です。

この問題の根拠条番号はe-Govの本文と機械で照合しています(2026-09-13)。照合の方法
訂正の記録この問題の訂正はありません(サイト全体の記録)
出典と作り方

本問は合格ナビが作成したオリジナル問題です(本試験問題の転載ではありません)。 根拠・出典:根拠: 民法541条(催告による解除)・542条(催告によらない解除) 確認日: 2026-09-30 出典: e-Gov 法令検索 民法 https://laws.e-gov.go.jp/law/129AC0000000089#Mp-At_541 各根拠条文は「e-Gov法令検索」(https://elaws.e-gov.go.jp/)で原文を確認できます。令和8年度(2026年度)試験基準日時点で施行されている法令の数値を反映(数値確認日 2026-10-12)。

本問・解説は試験対策のための学習コンテンツです。法令・通達・ガイドラインは改正されることがあるため、最新の内容は一般社団法人 賃貸不動産経営管理士協議会・国土交通省の公式情報をご確認ください。本サイトは協議会と一切関係ありません。

執筆・監修:合格ナビ運営事務局(運営者情報)。賃貸住宅管理業法・サブリース新法・国土交通省ガイドラインの出題範囲分析に基づき、オリジナル問題と段差のある3段階の解説を作成しています。

この問題の関連トピック

  • 賃貸借契約の解除——催告解除と無催告解除の要件
  • 頻出度A

関連する問題

ページの先頭へ