賃管士
法令の確認日 2026年9月13日e-Govと照合済み

賃管士 管理実務 問43|定期建物賃貸借の成立要件——書面性・事前説明・不履行の効果

問題

賃管士 | 管理実務 | 令和8年度(2026年度)試験対応・数値確認日 2026-10-12

定期建物賃貸借(定期借家)契約の成立要件に関する次のア〜オの記述のうち、誤っているものはどれか。

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正解は ウ
  • ア
  • イ
  • ウ
  • エ
  • オ

自信の3択

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解説

正答(誤っているもの)はウです。

借地借家法38条2項は「建物の賃貸借の契約がその内容を記録した電磁的記録によってされたときは、その契約は、書面によってされたものとみなして」同条1項の規定を適用すると定めています。つまり電磁的記録による契約書も、書面による契約と同じ効力を持ちます。「別途書面の作成が必要」とするウは誤りです。

ア(1項)・イ(3項)・エ(4項)・オ(5項)は条文どおり正しい記述です。

定期建物賃貸借の成立要件(38条):

要件内容条文
書面性公正証書等の書面(電磁的記録も書面とみなす)による契約が必要1項・2項
事前説明契約更新がなく期間満了で終了する旨を記載した書面を交付して説明3項
電磁的提供賃借人の承諾を得て事前説明の書面を電磁的方法で提供可能4項
説明義務違反の効果説明をしなかったときは、更新がないこととする定めが無効5項

各選択肢:

  • ア(正): 1項どおり。公正証書「等」であり、公正証書に限られない(書面一般でよい)。
  • イ(正): 3項どおり。事前説明は契約書とは別に、更新がない旨を記載した書面を交付して行う必要がある。
  • ウ(誤・正答): 2項により、電磁的記録による契約は書面によるものとみなされる。「別途書面が必要」という記述は条文と矛盾する。
  • エ(正): 4項どおり。事前説明の書面も、賃借人の承諾があれば電磁的方法による提供が可能。
  • オ(正): 5項どおり。事前説明をしなかったときは、更新がないこととする旨の定めが無効になる(更新のある普通の建物賃貸借として扱われる)。

【定期建物賃貸借の成立要件の全体構造——書面性・事前説明義務・電磁的方法・違反の効果】

1. 書面性の要件(38条1項・2項)

定期建物賃貸借は、通常の建物賃貸借(借地借家法26条以下の更新ルールが適用される「普通借家」)とは異なり、契約の更新がないことを定めることができる特別な類型です。この効果を発生させるには「公正証書による等書面によって契約をするとき」という要件が課されており、口頭の合意だけでは定期建物賃貸借としての効力(更新なしの効果)は生じません。

2項は、この契約書面が電磁的記録によって作成された場合も、書面によってされたものとみなす旨を定めています。電子契約サービスを用いて定期借家契約を締結する実務が広がっていますが、この2項の規定により、適法な電磁的記録による契約締結も書面性の要件を満たすことになります。

2. 事前説明義務(38条3項・4項・5項)

定期建物賃貸借は賃借人にとって「更新がなく、期間満了で確定的に契約が終了する」という重大な効果を持つため、賃貸人には契約書面とは別に、その旨を記載した書面を交付して説明する義務が課されています(3項)。この説明は契約締結前に行う必要があります。

4項により、この事前説明の書面も、賃借人の承諾を得れば電磁的方法により提供することができます(契約書面の電磁的提供〈2項〉とは別に、事前説明書面の電磁的提供〈4項〉が定められている点に注意)。

5項は、この事前説明義務を賃貸人が履行しなかった場合の効果を定めています。すなわち「契約の更新がないこととする旨の定め」自体が無効となります。この場合、契約全体が無効になるのではなく、更新なしの特約部分だけが無効となり、結果として通常の借家契約(更新がある契約)として扱われることになります。なお1項後段は、定期建物賃貸借には29条1項(期間を1年未満とする建物の賃貸借は期間の定めがないものとみなす規定)を適用しないと定めており、定期借家では1年未満の期間も定めることができます。

3. 実務上の留意点

管理業者・仲介業者が定期建物賃貸借を取り扱う際は、次の点を確実に履行する必要があります。

1. 契約書面を公正証書等の書面(又は適法な電磁的記録)で作成すること

2. 契約締結前に、更新がない旨を記載した別個の書面(事前説明書面)を交付し、口頭でも説明すること

3. 事前説明書面を電磁的方法で提供する場合は、あらかじめ賃借人の承諾を得ること(4項。契約そのものを電磁的記録で締結する場合は2項により書面によるものとみなされる)

事前説明を怠ると、賃貸人が「定期借家のつもりで契約したのに、実は普通借家として扱われ、期間満了時に当然には終了しない」という重大な不利益を被ることになるため、管理業者にとって特に注意すべき手続です。

この問題の根拠条番号はe-Govの本文と機械で照合しています(2026-09-13)。照合の方法
訂正の記録この問題の訂正はありません(サイト全体の記録)
出典と作り方

本問は合格ナビが作成したオリジナル問題です(本試験問題の転載ではありません)。 根拠・出典:根拠: 借地借家法38条(定期建物賃貸借)1項・2項・3項・4項・5項 確認日: 2026-09-30 出典: e-Gov 法令検索 借地借家法 https://laws.e-gov.go.jp/law/403AC0000000090#Mp-At_38 各根拠条文は「e-Gov法令検索」(https://elaws.e-gov.go.jp/)で原文を確認できます。令和8年度(2026年度)試験基準日時点で施行されている法令の数値を反映(数値確認日 2026-10-12)。

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執筆・監修:合格ナビ運営事務局(運営者情報)。賃貸住宅管理業法・サブリース新法・国土交通省ガイドラインの出題範囲分析に基づき、オリジナル問題と段差のある3段階の解説を作成しています。

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