問題
消費税の課税事業者である宅地建物取引業者が宅地又は建物の貸借の媒介又は代理に関して受ける報酬について、宅地建物取引業法46条1項に基づき国土交通大臣が定めた報酬の額(報酬告示)に関する次のア〜オの記述のうち、誤っているものはどれか。なお、長期の空家等の特例は考慮しないものとする。
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答え合わせ
- ア
- イ
- ウ
- エ
- オ
自信の3択
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解説
正答(誤っているもの)はアです。
報酬告示の第四は、居住用建物の賃貸借の媒介で依頼者の一方から受ける報酬を、原則として借賃の1月分の0.55倍以内とし、例外として「媒介の依頼を受けるに当たって当該依頼者の承諾を得ている場合」を除いています。承諾は依頼を受ける時点で得ておく必要があり、契約成立後に得れば足りるわけではありません。
イは第四の前段、ウは第五、エは第六、オは第十一①ただし書のとおりで、いずれも正しい記述です。
貸借の報酬の上限(報酬告示):
| 規定 | 内容 |
|---|---|
| 第四 前段 | 貸借の媒介:依頼者の双方から受ける報酬の合計額は借賃の1月分の1.1倍以内 |
| 第四 後段 | 居住用建物の賃貸借の媒介:依頼者の一方からは借賃の1月分の0.55倍以内(媒介の依頼を受けるに当たって当該依頼者の承諾を得ている場合を除く) |
| 第五 | 貸借の代理:依頼者から借賃の1月分の1.1倍以内。相手方からも受けるときは合計で1.1倍以内 |
| 第六 | 居住用以外の建物・宅地の賃貸借で返還されない権利金の授受があるとき:権利金を売買代金とみなして計算できる |
| 第十一① | 告示の規定によるほかは報酬を受けられない。ただし依頼者の依頼による広告の料金に相当する額は別 |
借賃は消費税等相当額を含まない額で計算し、1.1倍・0.55倍は消費税等相当額を含んだ上限です。
各選択肢:
- ア(誤・正答): 承諾は「媒介の依頼を受けるに当たって」得ている必要がある(第四後段)。契約成立後の承諾では0.55倍を超えて受けられない。
- イ(正): 第四前段どおり。
- ウ(正): 第五どおり。
- エ(正): 第六どおり。居住用建物の賃貸借はこの特例の対象外。
- オ(正): 第十一①ただし書どおり。
【報酬規制の仕組みと、貸借の媒介・代理の上限の読み方】
1. 法律と告示の関係(宅建業法46条)
宅地建物取引業法46条1項は、宅建業者が売買・交換・貸借の代理又は媒介に関して受けることのできる報酬の額は「国土交通大臣の定めるところによる」とし、2項で「前項の額をこえて報酬を受けてはならない」と定めています。具体的な上限は法律ではなく大臣の告示(報酬告示)に書かれており、4項により宅建業者は事務所ごとに、公衆の見やすい場所にこの報酬の額を掲示しなければなりません。賃貸住宅の管理業者が入居者募集で媒介を行う場合も、宅建業者としてこの告示に従います。
2. 貸借の媒介(第四)
依頼者の双方(貸主と借主)から受ける報酬の合計額は、借賃の1月分の1.1倍以内です。借賃は消費税等相当額を含まない額を用い、1.1倍は消費税等相当額を含んだ上限です(課税事業者の場合。免税事業者は第十一②で別の計算になる)。
居住用建物の賃貸借の媒介では、依頼者の一方から受けられる額が、原則として借賃の1月分の0.55倍以内に制限されます。これを超えて一方から受けるには「媒介の依頼を受けるに当たって当該依頼者の承諾を得ている」必要があります。承諾の時期が「依頼を受けるに当たって」と定められている点が選択肢アの誤りの根拠です。承諾があっても、双方からの合計が1.1倍以内という上限は変わりません。
3. 貸借の代理(第五)
代理の依頼者から受ける報酬は借賃の1月分の1.1倍以内で、相手方からも報酬を受ける場合は、その合計が1.1倍を超えてはなりません。
4. 権利金の特例(第六)
居住用建物を除く宅地・建物の賃貸借で、権利設定の対価として支払われる返還されない金銭(権利金)の授受がある場合は、権利金の額を売買代金とみなして売買の計算方法で報酬を算定できます。店舗・事務所などが対象で、居住用建物の賃貸借には使えません。
5. 告示以外の報酬の禁止と広告料金(第十一①)
宅建業者は、告示の規定によるほかは報酬を受けることができません。例外は、依頼者の依頼によって行う広告の料金に相当する額です。依頼のない広告の費用や、名目を変えた手数料を上乗せして受け取ることは、この規定に反します。
6. 長期の空家等の特例(第九・第十)
令和6年7月1日施行の改正で、長期間使用されていない「長期の空家等」の貸借の媒介・代理には、借主から受ける報酬が通常の範囲内である場合に限り、合計で借賃の1月分の2.2倍まで受けられる特例が設けられました。本問はこの特例を除いて問うています。
- 宅地建物取引業法第46条e-Govで原文を読む
出典と作り方
本問は合格ナビが作成したオリジナル問題です(本試験問題の転載ではありません)。 根拠・出典:根拠: 宅地建物取引業法46条(報酬)1項・2項・4項/宅地建物取引業者が宅地又は建物の売買等に関して受けることができる報酬の額(昭和45年建設省告示第1552号、最終改正 令和6年6月21日国土交通省告示第949号・令和6年7月1日施行)第四・第五・第六・第十一 確認日: 2026-09-30 出典: e-Gov 法令検索 宅地建物取引業法 https://laws.e-gov.go.jp/law/327AC1000000176#Mp-At_46 / 国土交通省 報酬告示 https://www.mlit.go.jp/tochi_fudousan_kensetsugyo/const/content/001750143.pdf 各根拠条文は「e-Gov法令検索」(https://elaws.e-gov.go.jp/)で原文を確認できます。令和8年度(2026年度)試験基準日時点で施行されている法令の数値を反映(数値確認日 2026-10-12)。
本問・解説は試験対策のための学習コンテンツです。法令・通達・ガイドラインは改正されることがあるため、最新の内容は一般社団法人 賃貸不動産経営管理士協議会・国土交通省の公式情報をご確認ください。本サイトは協議会と一切関係ありません。
執筆・監修:合格ナビ運営事務局(運営者情報)。賃貸住宅管理業法・サブリース新法・国土交通省ガイドラインの出題範囲分析に基づき、オリジナル問題と段差のある3段階の解説を作成しています。

