賃管士
法令の確認日 2026年9月13日e-Govと照合済み

賃管士 管理実務 問53|漏水・設備不具合の予防保全——定期点検・長期修繕計画との連携

問題

賃管士 | 管理実務 | 令和8年度(2026年度)試験対応・数値確認日 2026-10-12

賃貸住宅の予防保全・長期修繕計画に関する次のア〜オの記述のうち、最も適切でないものはどれか。

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答え合わせ

正解は ウ
  • ア
  • イ
  • ウ
  • エ
  • オ

自信の3択

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解説

正答はウです。

賃貸住宅の長期修繕計画は、賃貸住宅管理業法で「全管理業者に義務付けられている」ものではありません。長期修繕計画は、分譲マンションでは管理組合が作成するのが標準(マンション標準管理規約・長期修繕計画作成ガイドライン)ですが、一般の賃貸住宅については法律上の作成義務はなく、任意で作成することが推奨される実務です。

ア・イ・エ・オはいずれも正しい記述です。大規模修繕の12〜15年周期(イ)と給湯器の10〜15年の耐用年数(オ)は実務重要知識です。

予防保全と事後保全の比較:

比較項目予防保全事後保全
対応のタイミング故障・損傷前の定期点検・整備故障・損傷発生後の修繕
コスト定期コスト(計画的)突発コスト(予測困難)
入居者への影響最小(使用継続可)大(使用不能・苦情リスク)
推奨推奨(長期的にコスト低減)小修繕は許容範囲内

主要設備の耐用年数の目安:

設備耐用年数の目安
給湯器10〜15年
エアコン10〜15年
換気扇10〜15年
電気温水器15〜20年
配管(更生)20〜25年
屋根・外壁(大規模修繕)12〜15年

長期修繕計画の法的位置づけ(分譲 vs 賃貸):

対象法的根拠作成義務
分譲マンション(管理組合)マンション標準管理規約・長期修繕計画作成ガイドライン(管理計画認定の基準にも用いられる)管理組合の業務として作成するのが標準(管理規約による)
賃貸住宅(賃貸管理業者)賃貸住宅管理業法義務なし(推奨・任意)

各選択肢の解説:

  • ウ(誤・正答): 賃貸住宅の長期修繕計画の作成は管理業者に法的に義務付けられていない。
  • ア(正): 予防保全の定義として正確。
  • イ(正): 国交省「長期修繕計画作成ガイドライン」(令和3年9月改訂)は、外壁塗装等の修繕周期の目安を12〜15年としている(主に分譲マンション向けの目安)。
  • エ(正): 排水管清掃の効果とオーナー負担の一般的な取扱いとして正確。
  • オ(正): 給湯器の10〜15年耐用年数は設備管理の基本知識。

【予防保全・長期修繕計画の深層——分譲マンションとの法的差異・賃貸住宅の任意計画の設計・設備の耐用年数と更新タイミング・コスト管理戦略】

分譲マンション管理と賃貸住宅管理の法的差異(長期修繕計画を中心に):

観点分譲マンション(管理組合)賃貸住宅(管理業者)
法的根拠マンション管理適正化法・区分所有法・マンション標準管理規約賃貸住宅管理業法(長期修繕計画の義務規定なし)
計画の作成管理組合が作成するのが標準。令和4年4月開始の管理計画認定制度では認定基準の一つ法律上の作成義務なし(任意・推奨)
修繕積立金管理規約に基づき管理組合が積立てオーナーが任意で積立て(税務上の扱いは別途)
大規模修繕の意思決定管理組合の総会決議が必要オーナーの判断で実施

賃貸住宅の長期修繕計画の設計(任意・推奨):

管理業者がオーナーに提案する長期修繕計画の標準的な構成:

年数主要な修繕項目
1〜5年設備点検・小修繕・クロス交換等の軽微な改修
5〜10年設備交換(給湯器・エアコン・換気扇)・塗装の部分補修
12〜15年大規模修繕(外壁塗装・屋根防水・共用部改修)
20〜30年配管更生・更新・大型設備(エレベーター等)の更新

予防保全の費用対効果(定量的理解):

事後保全と予防保全のコスト比較例(配管を例に):

```

事後保全(漏水発生後の対処): 応急修理 + 復旧工事 + 下階入居者への損害賠償

= 修理費 + 損害賠償 + 空室損失 ≒ 50〜200万円(ケースによる)

予防保全(定期点検・清掃): 年1〜2回の排水管高圧洗浄

= 1〜3万円/戸・年 × 10年 = 10〜30万円

```

定期的な予防保全は事後保全コストを大幅に下回ることが多く、入居者への影響最小化・オーナーの資産価値維持に直結します。

設備別の交換計画(予防保全の実務):

設備耐用年数目安交換サイン推奨対応
給湯器10〜15年故障頻発・燃焼不安定10年経過後は予備見積り取得
エアコン10〜15年冷暖房効率低下冷媒規制(R32等)対応品への切替
換気扇10〜15年異音・風量低下24時間換気設備は計画的更新
電気錠・スマートロック7〜10年誤動作・電池切れ頻発セキュリティ強化と更新を同時検討
宅配ボックス10〜15年電子部品劣化コロナ以降の需要増で早期更新も検討

修繕費の積立てと税務処理(オーナーへの提案):

オーナーに修繕費の積立てを提案する際のポイント:

  • 修繕費として支出した場合: 当年度の必要経費(全額当期費用)
  • 資本的支出の場合: 減価償却で処理(当期全額費用ではない)

積立て預金は「修繕引当金」として積立てるが、税務上は損金不算入(実際に支出するまで経費にならない)。ただし計画的な積立ては大規模修繕時の一時的な資金負担を平準化できます。

この問題の根拠条番号はe-Govの本文と機械で照合しています(2026-09-13)。照合の方法
訂正の記録この問題の訂正はありません(サイト全体の記録)
出典と作り方

本問は合格ナビが作成したオリジナル問題です(本試験問題の転載ではありません)。 根拠・出典:根拠: 国土交通省「賃貸住宅の管理業務等の適正化に関するガイドライン」・賃貸住宅管理業法 確認日: 2026-06-10 出典: 国土交通省 https://www.mlit.go.jp/ 各根拠条文は「e-Gov法令検索」(https://elaws.e-gov.go.jp/)で原文を確認できます。令和8年度(2026年度)試験基準日時点で施行されている法令の数値を反映(数値確認日 2026-10-12)。

本問・解説は試験対策のための学習コンテンツです。法令・通達・ガイドラインは改正されることがあるため、最新の内容は一般社団法人 賃貸不動産経営管理士協議会・国土交通省の公式情報をご確認ください。本サイトは協議会と一切関係ありません。

執筆・監修:合格ナビ運営事務局(運営者情報)。賃貸住宅管理業法・サブリース新法・国土交通省ガイドラインの出題範囲分析に基づき、オリジナル問題と段差のある3段階の解説を作成しています。

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