問題
賃貸住宅管理業法に基づく管理受託契約の成立時書面(契約成立時書面)に関する次のア〜オの記述のうち、誤っているものはどれか。
キーボード:1〜5で選択・Enterで次へ
答え合わせ
- ア
- イ
- ウ
- エ
- オ
自信の3択
えらぶと、この端末に記録します(登録はいりません)
解説
正答はオです。
「法第20条の規定による委託者への報告に関する事項」は成立時書面の記載事項に含まれています(施行規則35条2項5号)。「定期報告は任意・記載不要」は誤りです。業法20条・施行規則40条は、管理受託契約を締結した日から1年を超えない期間ごと(及び契約期間満了後遅滞なく)の報告を義務付けており、その内容・方法を成立時書面で明確にしておく必要があります。
ア・イ・エ・ウはいずれも正しい記述です。特に業法20条の年1回以上の定期報告義務(ウ)と成立時書面の電磁的交付(エ)は頻出事項です。
成立時書面の記載事項(業法14条1項・施行規則第35条):
| # | 記載事項 |
|---|---|
| 1 | 管理業務の対象となる賃貸住宅(法14条1項1号) |
| 2 | 管理業務の実施方法(同2号) |
| 3 | 契約期間に関する事項(同3号) |
| 4 | 報酬に関する事項(同4号。報酬の額・支払の時期及び方法を含む=規則35条1項) |
| 5 | 契約の更新又は解除に関する定めがあるときはその内容(同5号) |
| 6 | 管理業者の商号・名称又は氏名、登録年月日・登録番号(規則35条2項1号) |
| 7 | 管理業務の内容(同2号) |
| 8 | 管理業務の一部の再委託に関する定めがあるときはその内容(同3号) |
| 9 | 責任及び免責に関する定めがあるときはその内容(同4号) |
| 10 | 法20条の規定による委託者への報告に関する事項(同5号) |
| 11 | 入居者に対する管理業務の内容・実施方法の周知に関する事項(同6号) |
定期報告義務(業法20条):
- 少なくとも年1回以上の定期報告義務
- 時期(施行規則40条1項): 管理受託契約を締結した日から1年を超えない期間ごと、及び契約期間の満了後遅滞なく
- 管理業務報告書の記載事項(同項):
- 報告の対象となる期間
- 管理業務の実施状況
- 管理業務の対象となる賃貸住宅の入居者からの苦情の発生状況及び対応状況
成立時書面と重説書面の違い:
| 比較項目 | 重説書面(業法13条) | 成立時書面(業法14条) |
|---|---|---|
| 交付タイミング | 契約締結前 | 契約締結後・遅滞なく |
| 目的 | 委託者への事前情報提供 | 契約内容の確認・記録 |
各選択肢の解説:
- オ(誤・正答): 委託者への報告に関する事項は成立時書面の記載事項(施行規則35条2項5号)。「不要・任意」は誤り。
- ア(正): 業法14条1項の契約締結後の遅滞なき交付義務。
- イ(正): 管理業務の実施方法(法14条1項2号)・内容(規則35条2項2号)は記載事項。
- エ(正): 委託者の承諾を得て電磁的方法で提供できる(業法14条2項による13条2項の準用)。
- ウ(正): 業法20条・年1回以上の定期報告義務。
【管理委託契約の深層——成立時書面の法的意義・定期報告義務の実務・再委託の制限・分別管理と成立時書面の連携・解除条件の設計】
成立時書面の法的意義(業法14条):
成立時書面は「管理委託契約の内容を書面化した合意書」として機能します。重説書面(事前説明)との関係:
```
重説書面(業法13条)= 契約前の説明・内容確認
↓ 合意・署名
成立時書面(業法14条)= 合意内容の書面化・証拠保全
```
成立時書面には重説書面との記載事項の重複もありますが、成立時書面はより詳細な合意内容を記録します。
定期報告の実務設計:
年1回以上の定期報告を成立時書面に明記する際の設計ポイント:
| 報告の観点 | 推奨内容 |
|---|---|
| 頻度 | 年1回(最低)→月次・四半期・年次など選択 |
| 方法 | 書面送付・メール・専用ポータルシステム等 |
| 内容 | ①稼働状況(入居率・空室期間)②収入・費用の実績 ③苦情・修繕の発生と対応 ④今後の見通し |
| 緊急報告 | 火災・漏水等の緊急事態は速やかに報告する旨を契約で定めておくのが望ましい(定期報告とは別) |
再委託の制限(業法15条):
管理業務の一括再委託(すべての業務を別業者に任せること)は禁止されています(業法15条)。
- 禁止: 管理業務の全部を一括して再委託
- 許容: 管理業務の一部を再委託(修繕業者への修繕委託・清掃業者への清掃委託等)
- 再委託先への監督責任は委託業者(管理業者)が負う
成立時書面には「管理業務の一部の再委託に関する定めがあるときは、その内容」を記載します(施行規則35条2項3号)。
分別管理の説明:
家賃等の分別管理(業法16条・施行規則36条)は成立時書面の法定記載事項ではありませんが、管理口座の区分や帳簿での管理方法をオーナーに説明しておくと、オーナーは:
- 自分の家賃がどのように管理されているか(口座の区分)
- 管理業者の固有財産と混同されていないか
を確認できます。
契約の更新・解除条件の設計:
成立時書面には「契約期間・更新・解除に関する事項」を記載します。一般的な設計例:
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 契約期間 | 1〜2年(標準) |
| 自動更新 | 期間満了の○ヶ月前に申し出なき場合は自動更新 |
| 解除申出期間 | 期間満了の○ヶ月前(通常3ヶ月前) |
| 中途解除 | 違約金の有無・金額 |
| 管理業者による解除 | 委託者の義務違反・連絡不通等の場合 |
免責事項の設計(リスク管理):
成立時書面に免責事項を明記することで、管理業者は合理的な範囲のリスクを限定できます:
- 自然災害による損害
- 入居者の故意・重過失による損害
- 管理業者が事前に知り得なかった隠れた瑕疵による損害
ただし、管理業者の故意・重過失による損害まで免責する定めは、委託者が消費者に当たる場合は消費者契約法8条により無効となるなど、効力が否定されるおそれがあります。
- 賃貸住宅の管理業務等の適正化に関する法律e-Govで原文を読む
- 消費者契約法第8条e-Govで原文を読む
出典と作り方
本問は合格ナビが作成したオリジナル問題です(本試験問題の転載ではありません)。 根拠・出典:根拠: 賃貸住宅管理業法第14条(管理受託契約の締結時の書面の交付)・第20条(委託者への定期報告)・施行規則第35条(書面の記載事項)・第40条(定期報告) 確認日: 2026-09-30 出典: 国土交通省 賃貸住宅管理業法 https://www.mlit.go.jp/ 各根拠条文は「e-Gov法令検索」(https://elaws.e-gov.go.jp/)で原文を確認できます。令和8年度(2026年度)試験基準日時点で施行されている法令の数値を反映(数値確認日 2026-10-12)。
本問・解説は試験対策のための学習コンテンツです。法令・通達・ガイドラインは改正されることがあるため、最新の内容は一般社団法人 賃貸不動産経営管理士協議会・国土交通省の公式情報をご確認ください。本サイトは協議会と一切関係ありません。
執筆・監修:合格ナビ運営事務局(運営者情報)。賃貸住宅管理業法・サブリース新法・国土交通省ガイドラインの出題範囲分析に基づき、オリジナル問題と段差のある3段階の解説を作成しています。

