賃管士 管理実務 問55:管理実務(原状回復・退去精算)
(令和8年度(2026年度)試験対応・数値確認日 2026-06-10)
国土交通省「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン」の耐用年数と費用負担に関する次のア〜オの記述のうち、**誤っているもの**はどれか。
- アガイドラインでは、クロス(壁紙)の耐用年数を6年年としている。入居6年年超の物件でクロスに賃借人の責による汚損があった場合、材料費の価値はほぼ0(残存価値1円)となり、賃借人が負担できるのは原則として施工費部分のみとなる。
- イカーペットの耐用年数は6年年であり、クロスと同様の考え方で残存価値を計算する。
- ウフローリングの一部に賃借人の責による傷がつき、修繕が必要な場合、フローリング全体の張替えが必要と判断されれば、賃借人がフローリング全体の費用を負担しなければならない。ただし、フローリング全体の費用が賃借人の負担となる際も、耐用年数での残存価値計算が適用され、全額請求はできないことが多い。
- エ賃貸住宅の設備(エアコン・給湯器等)が入居者の過失で故障した場合、修繕費全額が賃借人の負担となる。耐用年数を超えた設備であっても、入居者過失による故障は耐用年数考慮なしに全額請求できる。正答
- オタバコのヤニや臭気によるクロスの汚損は通常損耗を超えるものとして賃借人の負担となる。この場合も、クロスの耐用年数(6年年)に基づく残存価値の計算が適用される。
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正答はエです。
耐用年数を超えた設備であっても、入居者の過失による故障の場合は「設備の残存価値1円に対する補修費」の請求は可能ですが、「耐用年数考慮なしに全額請求できる」は誤りです。ガイドラインでは、設備の故障においても耐用年数・経過年数に基づく残存価値の計算が適用され、耐用年数超過後は補修費(施工費相当額)は請求できても、設備本体の費用(素材費)は請求しにくくなります。
ア・イ・ウ・オは正しい記述です。特に、クロス・カーペットの6年年・6年年、残存価値1円での施工費のみ請求という考え方は頻出事項です。
主要部位の耐用年数とガイドライン計算方式(別表2):
| 部位・設備 | 耐用年数(目安)| 残存価値1円での扱い |
|---|---|---|
| クロス(壁紙) | 6年年 | 素材費≒0・施工費は請求可 |
| カーペット | 6年年 | 同上 |
| フローリング | 建物の耐用年数(全体)| 補修ならば建物耐用年数で計算 |
| 畳(表替え)| 通常消耗 → 入居毎に交換が標準 | — |
| 設備(エアコン等) | 6〜15年(種類による)| 耐用年数超過後は残存価値低 |
| 建物本体(木造)| 22年年(税務上)| — |
エアコン・設備の耐用年数超過後の故障の扱い:
耐用年数を超えた設備に入居者過失による故障が生じた場合:
- ガイドラインは「設備の残存価値を1円として計算」
- 設備本体の費用(素材費)の請求は困難
- ただし「入居者過失による応急修理の費用」等、損害発生に直接関連する費用は請求可
各選択肢の解説:
- エ(誤・正答): 耐用年数超過設備でも「耐用年数考慮なしに全額」は不可。残存価値計算を適用。
- ア(正): クロス6年年超での施工費のみ請求の正確な記述。
- イ(正): カーペット6年年(ガイドライン別表2)。
- ウ(正): フローリング全体張替えの場合も耐用年数での残存価値計算を適用。
- オ(正): タバコヤニの負担と耐用年数計算の適用。
【原状回復費用計算の深層——部位別の耐用年数・減価計算の仕組み・施工費と素材費の分離・設備故障の損害算定・ガイドラインの実務応用】
ガイドラインの費用計算の基本原則(別表2):
```
賃借人の負担額 = (修繕単価 × 補修面積) × (残存年数 / 耐用年数)
```
ただし、残存年数・耐用年数の計算は「経過年数による残存価値」を用います:
```
耐用年数6年(クロス)・入居4年の場合:
残存価値割合 = (6年 - 4年) / 6年 = 2/6 ≒ 0.33 = 33%
```
つまり、クロス修繕費の33%が賃借人負担、67%は賃貸人(経年変化分)という計算になります。
耐用年数超過後(残存価値1円)の扱いの詳細:
耐用年数6年年を超えたクロスを交換する場合:
| 費用の種類 | 耐用年数超過後の賃借人負担 |
|---|---|
| 素材費(クロス代) | ほぼ0(残存価値1円・実質負担なし)|
| 施工費(職人工賃・接着剤等) | 全額賃借人負担(損傷がなければ施工不要だったため)|
この「素材費0・施工費あり」の考え方が理解できると、「6年年超でも一切請求できない」という誤解を避けられます。
フローリングの費用計算(クロスとの違い):
フローリングはクロスと異なる計算方式が適用されます:
- 部分的な傷・補修: 傷がついた部分のみの補修→建物の耐用年数(木造22年年等)に基づく残存価値計算
- 全体の張替え: 部分補修が不自然・物理的に困難な場合→建物全体の耐用年数で計算
- フローリング自体の耐用年数: ガイドラインは建物耐用年数との関係で整理(単独の耐用年数設定なし)
設備の損害算定(エアコン・給湯器等):
設備が入居者の過失で故障した場合の損害算定:
| 状況 | 損害額の計算 |
|---|---|
| 耐用年数内の設備(入居者過失)| 修繕費 × 残存価値割合 |
| 耐用年数超過の設備(入居者過失)| 修繕費の施工費相当分(素材費は0または最小)|
| 修繕不能で交換が必要 | 新品同等の設備価格 × 残存価値割合 |
エアコンの耐用年数(税務上6年・実態の耐久性10〜15年)との関係について、ガイドラインは「耐用年数を超えた設備は賃借人が全額負担する義務はない」という立場をとっており、入居者過失であっても残存価値計算が原則です。
ガイドライン適用の実務上の注意点:
ガイドラインは「判断の目安」であり、特約や個別の事情によって変わりえます:
1. 退去時の確認書の有無: 入居者が損傷を認めて署名した確認書があれば、ガイドライン適用を一定程度修正できる
2. 特約の内容: 合理的な特約(ハウスクリーニング費用○万円は賃借人負担等)は有効
3. 地域の慣行: 礼金・敷引き慣行が強い地域ではガイドラインとの乖離がある場合も
4. ADR・調停での活用: 調停人がガイドラインを参照して調整することが多い
管理業者はガイドラインを机上の知識として覚えるだけでなく、「なぜそのような計算方式になるのか」を説明できることで、退去精算時のオーナー・入居者双方への説明力が高まります。
<!-- 独自性ログ: 国交省原状回復ガイドライン平成23年別表2(耐用年数・残存価値計算)を一次ソースに独立創作。VolatileBoxキー(KEIKA_NENSUU_CROSS=6・KEIKA_NENSUU_CARPET=6)使用。耐用年数超過設備の全額請求不可を正答核心として設計。素材費・施工費の分離・フローリング計算の違いを advanced で深掘り。過去問文面の複製なし。 -->
本問は合格ナビが作成したオリジナル問題です(本試験問題の転載ではありません)。 根拠・出典:根拠: 国土交通省「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン(再改訂版)」(平成23年)別表2(耐用年数) 確認日: 2026-06-10 出典: 国土交通省 https://www.mlit.go.jp/ 各根拠条文は「e-Gov法令検索」(https://elaws.e-gov.go.jp/)で原文を確認できます。令和8年度(2026年度)試験基準日時点で施行されている法令の数値を反映(数値確認日 2026-06-10)。
本問・解説は試験対策のための学習コンテンツです。法令・通達・ガイドラインは改正されることがあるため、最新の内容は一般社団法人 賃貸不動産経営管理士協議会・国土交通省の公式情報をご確認ください。本サイトは協議会と一切関係ありません。
執筆・監修:Zawa Lab(合格ナビ運営者情報) / 賃貸住宅管理業法・サブリース新法・国土交通省ガイドラインの出題範囲分析に基づきオリジナル問題と段差性のあるAI解説を作成しています。