賃管士 管理実務 問57:管理実務(高齢者・外国人対応)
(令和8年度(2026年度)試験対応・数値確認日 2026-06-10)
障害者の賃貸住宅への入居に関する次のア〜オの記述のうち、**正しいもの**はどれか。
- ア障害者差別解消法(令和6年4月改正施行)は、民間事業者(不動産業者・管理業者)による障害者への差別的取扱いを禁止し、合理的配慮の提供を**義務**として規定している。正答
- イ「障害者だから入居させない」という一律拒否は、障害者差別解消法や住宅確保要配慮者への配慮義務に反するが、障害の種類を理由にした一律拒否は法律上許容されている。
- ウ賃貸住宅に居住する視覚障害者(全盲)が「介助犬を同伴したい」と申し出た場合、管理業者はペット禁止の規定を理由として、絶対に拒否できる。
- エ障害者の入居を断ることはできないが、「保証人を用意してください」「保証会社への加入を条件とします」という審査条件を課すことは、障害者への差別的取扱いとして禁止されている。
- オ知的障害者や精神障害者の入居を検討する場合、管理業者は入居者の支援者(家族・グループホーム・支援事業者等)との連携体制の整備を支援機関に確認することが、トラブル防止の観点から有効な対応である。
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正答はアです。
障害者差別解消法は令和6年4月改正施行により、民間事業者(不動産業者・管理業者を含む)に対しても合理的配慮の提供が義務となりました(改正前は努力義務)。不動産管理業者として障害者への合理的な配慮(例: 書類の大きな文字での用意・手話通訳の手配等)が求められます。
イは誤りです。障害の種類を理由にした一律拒否も差別に該当します。
ウは誤りです。介助犬・盲導犬・聴導犬は「身体障害者補助犬法」により受け入れ義務があります(ペット禁止特約の例外)。
エは誤りです。保証会社への加入要求は障害者・健常者を問わず同じ条件であれば差別ではありません。
オは正しい実務対応です。
障害者差別解消法の主要改正(令和6年4月施行):
| 改正前 | 改正後(R6.4〜)|
|---|---|
| 行政機関: 合理的配慮義務 | 同左 |
| 民間事業者: 合理的配慮努力義務 | 合理的配慮の提供を義務化 |
差別的取扱いと合理的配慮の区別:
| 区分 | 内容 |
|---|---|
| 差別的取扱い(禁止) | 障害を理由とした不当な取扱い(一律拒否・条件差別等)|
| 合理的配慮(義務化R6〜) | 障害者から配慮を求められた場合の過重な負担でない範囲での対応 |
介助犬・補助犬の法的地位(身体障害者補助犬法):
- 盲導犬・介助犬・聴導犬は「身体障害者補助犬」として認定
- 不動産事業者は補助犬使用者の入室を拒否できない(身体障害者補助犬法第9条)
- ペット禁止の規定は補助犬には適用されない(法律上の例外)
各選択肢の解説:
- ア(正): R6.4改正で民間事業者への合理的配慮提供が義務化。
- イ(誤): 障害の種類を理由にした一律拒否も差別的取扱いに該当。
- ウ(誤): 補助犬はペット禁止の例外(身体障害者補助犬法9条)。拒否不可。
- エ(誤): 障害者にも同じ条件を求める(保証会社加入等)は、全入居者に同様の条件であれば差別ではない。障害者のみに加重する条件は差別的取扱いの可能性。
- オ(正): 支援者との連携確認は適切な実務対応。
【障害者対応の深層——差別解消法R6改正の実務影響・補助犬法・合理的配慮の判断基準・住宅確保要配慮者との連携・グループホーム事業者との連携】
障害者差別解消法R6改正の実務への影響:
令和6年4月改正施行により、不動産管理業者が受けた可能性のある変化:
| 場面 | 改正前(努力義務)| 改正後(義務化)|
|---|---|---|
| 視覚障害者から書類の音声化を求められた | 対応しなくてもよい(努力義務)| 対応する義務(過重な負担でない範囲)|
| 聴覚障害者から書面でのみの説明を求められた | 同上 | 対応する義務 |
| 精神障害者から慣れ親しんだ方法での連絡を求められた | 同上 | 対応する義務 |
「過重な負担でない範囲」の判断は、事業の規模・費用・体制を考慮して個別に判断されます。大企業ほど合理的配慮の義務範囲が広くなる傾向があります。
身体障害者補助犬法(平成14年)の詳細:
| 法的義務 | 内容 |
|---|---|
| 不動産業者の入室拒否禁止 | 補助犬使用者の賃貸・売買契約における入室拒否を禁止(9条)|
| 事業所・公共施設への受入義務 | 飲食店・宿泊施設・公共交通等でも受入義務 |
| 対象 | 盲導犬・介助犬・聴導犬(厚生労働省認定)|
| ペット禁止との関係 | 補助犬は例外(一般ペットとは法的に別扱い)|
補助犬は認定証・表示(ユーザーカード)を持っており、入居申込時に確認できます。管理業者は補助犬の受入れをオーナーに説明し、「ペット禁止物件でも補助犬は受け入れ義務がある」ことを理解させることが必要です。
合理的配慮の「過重な負担」の判断基準:
内閣府の指針では「過重な負担」の判断要素:
1. 事業への影響の程度(費用・業務への支障)
2. 実現可能性の程度(技術的・物理的な可否)
3. 費用・負担の程度
4. 事業の規模・財政状況
例えば、小規模の個人管理業者に高コストのバリアフリー改修を求めることは「過重な負担」として合理的配慮義務の対象外となる場合があります。一方、書面の大きな文字での提供・メールでの対応等は通常「過重な負担」とはならず、義務の対象となります。
精神障害・知的障害者の入居支援体制:
精神障害・知的障害を持つ入居者の場合、管理業者が直接対応することに限界があります。有効な支援体制:
- 地域活動支援センター・相談支援事業所: 精神障害者の生活支援を行う機関
- グループホーム運営事業者: 障害者の集合住宅管理に精通している
- 住宅確保要配慮者居住支援法人: 住宅確保要配慮者の入居支援を行う法人
- 保証人代行・身元保証サービス: 身元保証人を用意できない場合の代替
管理業者は、これらの支援機関と連携することで、入居者への直接対応の負担を軽減しつつ、支援機関を通じたリスク管理が可能になります。入居申込時に支援機関を確認し、連絡体制を整えておくことが適切な実務対応です。
住宅確保要配慮者への対応(セーフティネット法との連携):
住宅確保要配慮者には障害者が含まれます。「セーフティネット住宅」(住宅確保要配慮者の入居を拒まない住宅)に登録することで、自治体からの紹介・居住支援法人との連携が可能になり、空室活用と社会貢献を両立できます。
<!-- 独自性ログ: 障害者差別解消法(R6.4改正)7条・8条・身体障害者補助犬法9条・住宅確保要配慮者居住支援法を一次ソースに独立創作。民間事業者への合理的配慮義務化(R6.4)を正答核心として設計。補助犬法・支援機関連携を advanced で深掘り。過去問文面の複製なし。 -->
本問は合格ナビが作成したオリジナル問題です(本試験問題の転載ではありません)。 根拠・出典:根拠: 障害を理由とする差別の解消の推進に関する法律(障害者差別解消法・令和6年4月改正施行)第7条・第8条 確認日: 2026-06-10 出典: 内閣府 障害者差別解消法 https://www8.cao.go.jp/shougai/suishin/sabekai.html 各根拠条文は「e-Gov法令検索」(https://elaws.e-gov.go.jp/)で原文を確認できます。令和8年度(2026年度)試験基準日時点で施行されている法令の数値を反映(数値確認日 2026-06-10)。
本問・解説は試験対策のための学習コンテンツです。法令・通達・ガイドラインは改正されることがあるため、最新の内容は一般社団法人 賃貸不動産経営管理士協議会・国土交通省の公式情報をご確認ください。本サイトは協議会と一切関係ありません。
執筆・監修:Zawa Lab(合格ナビ運営者情報) / 賃貸住宅管理業法・サブリース新法・国土交通省ガイドラインの出題範囲分析に基づきオリジナル問題と段差性のあるAI解説を作成しています。