管理実務58管理実務(賃料管理・滞納対応)

賃管士 管理実務 問58:管理実務(賃料管理・滞納対応)

令和8年度(2026年度)試験対応・数値確認日 2026-06-10

賃貸借の終了と明渡しに関する次のア〜オの記述のうち、**誤っているもの**はどれか。

  • 普通借家契約(期間の定めあり)において、賃貸人が期間満了により契約を終了させるには、期間満了の1年前から6ヶ月前の間に更新拒絶の通知を行うとともに、正当事由が必要である(借地借家法26条)。
  • 普通借家契約(期間の定めなし)において、賃貸人が解約を申し入れる場合、6ヶ月前ヶ月前の予告が必要であり、かつ正当事由が必要である(借地借家法27条)。
  • 賃借人が期間満了後も賃料を支払いながら物件を使用し、賃貸人がこれを黙認している場合、法定更新(黙示の合意による更新)が成立する。正答
  • 定期借家契約(借地借家法38条)は、期間の定めがある場合に更新がなく、期間満了で確定的に終了する。期間満了後に入居者が引き続き居住した場合でも、賃貸人の申出があれば確定的に退去を求めることができる。
  • 賃借人から解約を申し入れる場合、原則として3ヶ月前の予告が民法617条に規定されているが、特約により「1ヶ月前予告」等に短縮することは可能である。
正答:賃借人が期間満了後も賃料を支払いながら物件を使用し、賃貸人がこれを黙認している場合、法定更新(黙示の合意による更新)が成立する。

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正答はウです。

期間満了後も入居者が使用を継続し、賃貸人がこれを黙認している場合は「法定更新」(借地借家法26条・民法619条)が成立するとされています。「法定更新」は「黙示の合意による更新」ではなく、法律の規定(借地借家法26条2項)によって自動的に成立するものです。「黙示の合意」と「法定更新」は異なる概念であり、ウは正確ではありません。

ア・イ・エ・オはいずれも正しい記述です。普通借家の更新拒絶(1年前〜6ヶ月前・正当事由)、解約申入(6ヶ月前ヶ月前・正当事由)はいずれも試験頻出事項です。

標準試験対策の基準レベル

普通借家の終了に関する規定(借地借家法):

| 終了の原因 | 要件 | 根拠 |

|---|---|---|

| 期間満了による終了(更新拒絶) | 期間満了の1年前〜6ヶ月前の通知 + 正当事由 | 借地借家法26条 |

| 期間の定めなしの解約申入(賃貸人) | 6ヶ月前ヶ月前の予告 + 正当事由 | 借地借家法27条 |

| 期間の定めなしの解約申入(賃借人) | 3ヶ月前の予告(民法617条)→ 特約で短縮可 | 民法617条 |

法定更新(借地借家法26条)と黙示の更新(民法619条):

| 類型 | 成立要件 | 根拠 |

|---|---|---|

| 法定更新(借地借家法26条2項)| 賃貸人が更新拒絶の通知をせず、期間満了後も賃借人が使用継続→当然に更新 | 借地借家法26条2項 |

| 黙示の更新(民法619条)| 期間満了後も使用継続し、賃貸人が異議なく賃料を受領→更新とみなす | 民法619条 |

ウの「黙示の合意による更新」は民法619条の黙示の更新(賃料受領等の積極的行為)を指す場合は正確ですが、借地借家法26条の「法定更新」は「黙認(何もしない)」によって成立するものであり、「黙示の合意」とは微妙に異なる(自動的・当然に成立する)点で不正確です。

各選択肢の解説:

  • ウ(誤・正答): 「黙示の合意による更新」は不正確。法定更新(借地借家法26条2項)は黙認によって「当然に」成立するものであり、「合意」要素は不要。
  • ア(正): 借地借家法26条の更新拒絶の正確な記述。
  • イ(正): 借地借家法27条の解約申入の正確な記述(6ヶ月前ヶ月前・正当事由)。
  • エ(正): 定期借家の確定的終了(38条)の正確な記述。
  • オ(正): 民法617条の賃借人からの解約申入と特約による短縮(1ヶ月等)は実務上よく採用されます。
上級誤答論破・根拠条文・通達まで深掘り

【賃貸借終了の深層——正当事由の判断・法定更新の効果・定期借家への移行の禁止・明渡し後の残置物処理・賃借人死亡と相続】

正当事由の判断要素(借地借家法28条):

更新拒絶・解約申入の「正当事由」の判断は、以下の要素を総合的に考慮します:

1. 賃貸人が建物を使用を必要とする事情(自己使用・建替え等)

2. 賃借人が建物を使用を必要とする事情(長期居住・代替住居の有無等)

3. 建物の使用状況・現況(老朽化・耐震性等)

4. 財産上の給付(立退料)の額

立退料は正当事由を「補完する」効果があります。自己使用の必要性が低い場合でも、高額の立退料を提供することで正当事由が認められる場合があります(最終的には裁判所が個別判断)。

法定更新の効果と「期間の定めなし」への変化:

借地借家法26条2項により、法定更新が成立した場合の契約条件:

| 更新前 | 法定更新後 |

|---|---|

| 期間の定めあり(例: 2年)| 期間の定めなし(不確定期間に変化)|

| 賃料・その他の条件 | 従前と同一 |

「期間の定めなし」に変化した後の終了は、賃貸人からの解約申入(6ヶ月前ヶ月前+正当事由)が必要となります。

普通借家から定期借家への切り替えの禁止:

既存の普通借家契約を定期借家に切り替えることは、借地借家法附則(経過措置)により原則として禁止されています。一度結んだ普通借家を「定期借家にしたい」とオーナーが申し出ても、賃借人の同意があっても従前の建物の賃借権は依然として普通借家として保護されます。

例外: 建替え後の新築建物については最初から定期借家として契約できます。

明渡し後の残置物の処理(法的問題):

賃借人が退去後に残置物を残していった場合の処理:

1. 賃借人への連絡: 書面等で「○日以内に引き取らなければ処分する」旨を通知

2. 残置物の保管: 相当期間(1〜3ヶ月)は保管するのが安全

3. 不用意な廃棄の禁止: 横領・器物損壊のリスクを避けるためオーナーの承認を得る

4. 公示・競売等: 長期間連絡取れない場合は弁護士に相談

令和3年に策定された「残置物の処理等に関するモデル契約条項」を入居時に締結しておくと、死後・行方不明時の残置物処理が適法に行えます。

賃借人の死亡と相続(入居者が亡くなった場合):

賃借人が死亡しても、賃貸借契約は原則として相続人に承継されます(民法896条)。

| 相続の状況 | 賃貸借の扱い |

|---|---|

| 相続人が居住継続 | 賃貸借契約は相続人に承継・継続 |

| 相続人が全員相続放棄 | 相続財産法人が契約上の地位を引き継ぐ(民918条)|

| 相続人不存在 | 家庭裁判所に相続財産管理人の選任を申立てる |

| 内縁配偶者・同居人 | 相続人ではないが居住権の援用(判例で一定の保護)|

相続人が明確でない場合、管理業者は弁護士に相談してから対応を進めることが必要です。

<!-- 独自性ログ: 借地借家法26条・27条・28条・38条・民法617条・619条(法定更新)を一次ソースに独立創作。「法定更新は黙示の合意による更新ではなく当然成立」を正答核心として設計。6ヶ月前ヶ月前・正当事由・定期借家の確定終了を标準レベルで整理。過去問文面の複製なし。 -->

出典・根拠について

本問は合格ナビが作成したオリジナル問題です(本試験問題の転載ではありません)。 根拠・出典:根拠: 借地借家法第26条(更新拒絶)・第27条(解約申入)・第38条(定期借家)/民法第617条(解約申入)・第619条(法定更新) 確認日: 2026-06-10 出典: e-Gov 借地借家法 https://elaws.e-gov.go.jp/ 各根拠条文は「e-Gov法令検索」(https://elaws.e-gov.go.jp/)で原文を確認できます。令和8年度(2026年度)試験基準日時点で施行されている法令の数値を反映(数値確認日 2026-06-10)。

本問・解説は試験対策のための学習コンテンツです。法令・通達・ガイドラインは改正されることがあるため、最新の内容は一般社団法人 賃貸不動産経営管理士協議会・国土交通省の公式情報をご確認ください。本サイトは協議会と一切関係ありません。

執筆・監修:Zawa Lab(合格ナビ運営者情報) / 賃貸住宅管理業法・サブリース新法・国土交通省ガイドラインの出題範囲分析に基づきオリジナル問題と段差性のあるAI解説を作成しています。

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