賃管士
法令の確認日 2026年9月13日e-Govと照合済み

賃管士 管理実務 問58|普通建物賃貸借の更新・終了——法定更新・解約申入れ・正当事由

問題

賃管士 | 管理実務 | 令和8年度(2026年度)試験対応・数値確認日 2026-10-12

普通建物賃貸借契約の更新・終了に関する次のア〜オの記述のうち、誤っているものはどれか。

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答え合わせ

正解は イ
  • ア
  • イ
  • ウ
  • エ
  • オ

自信の3択

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解説

正答(誤っているもの)はイです。

26条2項は「前項の通知をした場合であっても、建物の賃貸借の期間が満了した後建物の賃借人が使用を継続する場合において、建物の賃貸人が遅滞なく異議を述べなかったときも、同項と同様とする」と定めています。つまり、更新拒絶の通知をしても、期間満了後に賃借人が使用を継続し、賃貸人が遅滞なく異議を述べなければ、契約は更新されたものとみなされます。「通知のみを根拠に直ちに明渡しを求めることができる」とするイは誤りです。

ア・ウ・エ・オは26条1項、27条1項、28条、26条2項の条文どおり正しい記述です。

普通建物賃貸借の更新・終了の構造:

制度内容条文
法定更新(期間満了時)期間満了1年前〜6月前に更新拒絶等の通知をしないと、同一条件で更新したとみなす26条1項
法定更新(使用継続時)更新拒絶通知後も賃借人が使用継続し、賃貸人が遅滞なく異議を述べなければ更新とみなす26条2項
解約申入れによる終了賃貸人からの解約申入れの日から6月経過で終了27条1項
正当事由の要件更新拒絶通知・解約申入れは正当事由がなければできない28条

各選択肢:

  • ア(正): 26条1項どおり。
  • イ(誤・正答): 26条2項により、更新拒絶通知後も賃借人が使用を継続し賃貸人が遅滞なく異議を述べなければ更新したものとみなされる。通知だけで自動的に明渡しを求められるわけではなく、使用継続への対応(遅滞なき異議)が別途必要。
  • ウ(正): 27条1項どおり。解約申入れから6月経過で終了。
  • エ(正): 28条どおり。更新拒絶・解約申入れには正当事由が必要。
  • オ(正): 26条2項どおり。使用継続+賃貸人の異議なしで法定更新。

【普通建物賃貸借の更新・終了制度の全体構造——二段階の法定更新と正当事由の役割】

1. 二段階の法定更新制度

借地借家法26条は、普通建物賃貸借における更新について二段階の法定更新の仕組みを定めています。

  • 第一段階(1項): 期間満了の1年前から6月前までの間(通知期間)に、当事者のいずれかが更新をしない旨の通知又は条件を変更しなければ更新をしない旨の通知をしなかった場合、従前の契約と同一の条件(ただし期間の定めのない契約となる)で更新したものとみなされます。
  • 第二段階(2項): 仮に賃貸人が第一段階の通知期間内に更新拒絶の通知をしていたとしても、期間満了後に賃借人が建物の使用を継続し、それに対して賃貸人が「遅滞なく」異議を述べなかった場合には、やはり更新したものとみなされます。

この二段階構造により、賃貸人が形式的に更新拒絶の通知をしただけでは足りず、期間満了後の賃借人の使用継続に対して速やかに異議を述べる(明渡しを求める意思を明確にする)ことまでが求められます。「通知した」という事実だけで安心してはならない点が、賃貸管理実務上の重要な留意点です。

2. 解約申入れによる終了(27条)

期間の定めのない建物賃貸借(又は法定更新により期間の定めのないものとなった賃貸借)については、賃貸人が解約の申入れをすることで契約を終了させることができます。27条1項は、解約の申入れの日から6月を経過することによって賃貸借が終了すると定めています。この6月という期間は、賃借人が新たな住居を探すための猶予期間としての意味を持ちます。なお27条2項により、この解約申入れによる終了の場面にも、26条2項・3項(使用継続時の法定更新の規定)が準用されます。

3. 正当事由の要件(28条)

賃貸人による更新拒絶の通知、又は解約の申入れは、28条により「正当の事由があると認められる場合でなければ、することができない」とされています。正当事由の有無は、次の事情を総合的に考慮して判断されます。

1. 賃貸人及び賃借人(転借人を含む)が建物の使用を必要とする事情

2. 建物の賃貸借に関する従前の経過

3. 建物の利用状況及び建物の現況

4. 賃貸人が明渡しの条件として又は明渡しと引換えに財産上の給付(立退料等)をする旨の申出をした場合における、その申出

正当事由が認められない更新拒絶の通知は効力を生じないため、通知をしなかった場合と同じく26条1項により契約は更新されたものとみなされます。正当事由のない解約申入れも効力を生じず、賃貸借はそのまま継続します。

4. 実務上の留意点

管理業者は、更新拒絶や解約申入れを行う場合、①通知期間(1年前〜6月前、又は解約申入れ日から6月)を遵守すること、②正当事由を具体的に整理し、必要であれば立退料の提示を検討すること、③期間満了後の賃借人の使用継続の有無を確認し、継続している場合は遅滞なく異議を述べること、の3点を確実に履行する必要があります。

この問題の根拠条番号はe-Govの本文と機械で照合しています(2026-09-13)。照合の方法
訂正の記録この問題の訂正はありません(サイト全体の記録)
出典と作り方

本問は合格ナビが作成したオリジナル問題です(本試験問題の転載ではありません)。 根拠・出典:根拠: 借地借家法26条(建物賃貸借契約の更新等)1項・2項・27条(解約による建物賃貸借の終了)1項・28条(建物賃貸借契約の更新拒絶等の要件) 確認日: 2026-09-30 出典: e-Gov 法令検索 借地借家法 https://laws.e-gov.go.jp/law/403AC0000000090#Mp-At_26 各根拠条文は「e-Gov法令検索」(https://elaws.e-gov.go.jp/)で原文を確認できます。令和8年度(2026年度)試験基準日時点で施行されている法令の数値を反映(数値確認日 2026-10-12)。

本問・解説は試験対策のための学習コンテンツです。法令・通達・ガイドラインは改正されることがあるため、最新の内容は一般社団法人 賃貸不動産経営管理士協議会・国土交通省の公式情報をご確認ください。本サイトは協議会と一切関係ありません。

執筆・監修:合格ナビ運営事務局(運営者情報)。賃貸住宅管理業法・サブリース新法・国土交通省ガイドラインの出題範囲分析に基づき、オリジナル問題と段差のある3段階の解説を作成しています。

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