賃管士
法令の確認日 2026年9月13日e-Govと照合済み

賃管士 管理実務 問60|サブリース契約の実務——マスターリース・パススルー型・賃料減額リスク

問題

賃管士 | 管理実務 | 令和8年度(2026年度)試験対応・数値確認日 2026-10-12

サブリース(特定賃貸借)契約に関する次のア〜オの記述のうち、誤っているものはどれか。

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答え合わせ

正解は オ
  • ア
  • イ
  • ウ
  • エ
  • オ

自信の3択

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解説

正答はオです。

サブリース契約(特定賃貸借契約)は建物の賃貸借契約です。建物が第三者に売却された場合、民法605条の2(R2改正)により、賃貸人(オーナー)の地位は当然に新所有者に移転します(オーナーチェンジ)。「自動的に終了する」は誤りです。入居者(転借人)の保護も、新オーナーへの引き継ぎが前提です。

ア〜エはいずれも正しい記述です。特に、サブリース減額請求権の不放棄(イ)と重要事項説明義務(エ)は頻出事項です。

サブリース規制(賃貸住宅管理業法)の体系:

規制内容根拠条文
誇大広告禁止業法28条
不当勧誘行為禁止業法29条
特定賃貸借契約の重要事項説明業法30条
契約成立時書面の交付業法31条
業者の不実告知・故意不告知禁止業法29条1号

重要事項説明の主な内容(業法30条):

  • 賃貸住宅の維持保全・家賃等の管理の方法
  • 借地借家法に基づき賃料が減額されうること(減額請求)に関する事項
  • 契約期間・解除条件
  • 契約の更新・解除に関する事項

オーナーチェンジ時の地位移転(民法605条の2):

対抗要件を備えた賃貸借の建物が売却された場合、特定賃貸借契約の賃貸人の地位は新所有者に移転します(民法605条の2第1項)。ただし、譲渡人と譲受人が、賃貸人たる地位を譲渡人に留保する旨及び譲受人が譲渡人に賃貸する旨の合意をしたときは移転しません(同条2項)。

各選択肢の解説:

  • オ(誤・正答): 建物売却時、サブリース契約は自動終了せず地位が新オーナーに移転(民法605条の2)。
  • ア(正): サブリースの定義として正確。
  • イ(正): 最判平15.10.21・借地借家法32条の適用とその不放棄性。
  • ウ(正): 業法28条・29条の誇大広告・不当勧誘禁止。
  • エ(正): 業法30条の重要事項説明義務の正確な記述。

【サブリース実務の深層——マスターリースとサブリースの構造・賃料減額請求の仕組み・「30年一括」の落とし穴・オーナーチェンジ時の地位移転・業法の行政処分体系】

サブリース(特定賃貸借)の法的構造:

```

オーナー(賃貸人)

↑ 賃貸借契約(マスターリース)

特定転貸事業者(サブリース業者)

↓ 転貸借契約(サブリース)

入居者(転借人)

```

重要な法的特性:

  • マスターリースとサブリースは独立した2つの賃貸借契約
  • 入居者(転借人)はサブリース業者と直接の賃貸借関係(オーナーとは間接的)
  • マスターリースを合意解除しても、賃貸人はそれを転借人に対抗できない(民法613条3項本文。解除当時に賃貸人が債務不履行による解除権を有していた場合を除く)
  • マスターリースが期間満了・解約申入れで終了する場合、賃貸人は転借人に通知しなければ終了を対抗できず、転貸借は通知日から6か月で終了する(借地借家法34条)

「30年一括借上」の法的問題(最判平15.10.21の意義):

最高裁平成15年10月21日判決は、「サブリース契約においても借地借家法32条の賃料増減額請求権が適用される」と明確に判示しました。これにより:

  • 「30年間賃料固定」「賃料を下げない」旨のサブリース特約があっても、経済情勢の変化・空室増加等で賃料減額請求が可能
  • 減額請求権を「事前に放棄させる」条項は借地借家法32条に反し無効
  • 業法30条により、特定転貸事業者は特定賃貸借契約の締結前に、契約の内容及びその履行に関する事項(国土交通省令で定めるもの)を書面で説明しなければならない

「30年一括借上→家賃固定→安心投資」という宣伝が一般的ですが、実態として10年・15年後の賃料改定(減額)が行われるケースが多く、オーナーが事前説明なしに「騙された」と感じるトラブルが多発していました。これを背景に業法のサブリース規制(R3施行)が制定されました。

業法の誇大広告禁止の対象(業法28条・主な禁止事項):

1. 賃料が固定され減額されないかのような表示

2. 空室・滞納が発生しても賃料が保証されるかのような表示(実際には保証期間・条件がある)

3. 30年一括借上で長期安定収入が保証されるかのような表示(実際には解除・改定リスクあり)

これらの表示が「著しく事実と相違」する場合は行政処分・罰則の対象となります。

オーナーチェンジ時の地位移転の実務:

建物売却時の当事者の対応:

当事者対応
旧オーナー(売主)サブリース業者への売却通知・敷金の授受の精算
新オーナー(買主)サブリース契約書の内容確認・業者との関係継続可否の判断
サブリース業者賃貸人の地位移転への対応・新オーナーへの賃料支払い
入居者(転借人)オーナーチェンジの通知(サブリース業者経由)

新オーナーがサブリース契約を引き継ぎたくない場合は、売買契約時にサブリース契約の解除条件等を取り決めておく必要があります。

業法の行政処分体系(サブリース違反の場合):

区分内容
指示特定転貸事業者等に対する指示(業法33条)
業務停止特定賃貸借契約に関する業務の全部又は一部の停止命令(業法34条)
罰則(不当勧誘)故意の事実不告知・不実告知(29条1号違反)は6月以下の拘禁刑若しくは50万円以下の罰金又は併科(業法42条2号)
罰則(誇大広告)28条違反は30万円以下の罰金(業法44条10号)
両罰規定法人にも各本条の罰金刑を科す(業法45条)

サブリースに関する誇大広告・不当勧誘は、国交省による監督の対象となっています。管理業者はサブリースを取り扱う場合、必ず業法の規制内容を理解した上で適法に運営することが求められます。

この問題の根拠条番号はe-Govの本文と機械で照合しています(2026-09-13)。照合の方法
訂正の記録この問題の訂正はありません(サイト全体の記録)
出典と作り方

本問は合格ナビが作成したオリジナル問題です(本試験問題の転載ではありません)。 根拠・出典:根拠: 賃貸住宅管理業法第28条〜第32条(サブリース規制)・民法第605条の2(賃貸人の地位移転)・最判平15.10.21(サブリース賃料減額請求) 確認日: 2026-06-10 出典: 国土交通省 賃貸住宅管理業法 https://www.mlit.go.jp/ 各根拠条文は「e-Gov法令検索」(https://elaws.e-gov.go.jp/)で原文を確認できます。令和8年度(2026年度)試験基準日時点で施行されている法令の数値を反映(数値確認日 2026-10-12)。

本問・解説は試験対策のための学習コンテンツです。法令・通達・ガイドラインは改正されることがあるため、最新の内容は一般社団法人 賃貸不動産経営管理士協議会・国土交通省の公式情報をご確認ください。本サイトは協議会と一切関係ありません。

執筆・監修:合格ナビ運営事務局(運営者情報)。賃貸住宅管理業法・サブリース新法・国土交通省ガイドラインの出題範囲分析に基づき、オリジナル問題と段差のある3段階の解説を作成しています。

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