賃管士
法令の確認日 2026年9月13日e-Govと照合済み

賃管士 管理実務 問64|賃貸経営と消費税——土地・事業用建物の貸付けと居住用賃貸建物の仕入税額控除の制限

問題

賃管士 | 管理実務 | 令和8年度(2026年度)試験対応・数値確認日 2026-10-12

賃貸不動産の経営に関係する消費税の取扱いに関する次のア〜オの記述のうち、誤っているものはどれか。

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答え合わせ

正解は エ
  • ア
  • イ
  • ウ
  • エ
  • オ

自信の3択

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解説

正答(誤っているもの)はエです。

消費税法30条10項は、住宅の貸付けの用に供しないことが明らかな建物以外の建物で、高額特定資産に当たるもの(居住用賃貸建物)に係る課税仕入れ等の税額には、仕入税額控除の規定(30条1項)を適用しないと定めています。高額な賃貸マンション等を取得しても、その消費税は原則として控除できません。

アは別表第二第一号と施行令8条、イは第十三号の「住宅」の定義、ウは第一号、オは12条の4と施行令25条の5のとおりです。

賃貸経営で押さえる消費税の区分:

取引扱い根拠
土地(土地の上に存する権利を含む)の貸付け非課税別表第二第一号
うち貸付期間1月未満/駐車場その他の施設の利用に伴う土地の使用非課税から除外施行令8条
住宅(居住用の家屋又は居住用部分)の貸付け非課税別表第二第十三号
店舗・事務所など住宅以外の建物の貸付け非課税の対象外同号の定義
居住用賃貸建物の取得に係る消費税仕入税額控除の対象外30条10項

各選択肢:

  • ア(正): 第一号の「政令で定める場合を除く」を受けた施行令8条どおり。
  • イ(正): 第十三号の「住宅」は人の居住の用に供する家屋又はその部分に限られる。
  • ウ(正): 第一号は「土地(土地の上に存する権利を含む。)」と定める。
  • エ(誤・正答): 30条10項により、居住用賃貸建物に係る課税仕入れ等の税額には仕入税額控除(30条1項)が適用されない。
  • オ(正): 12条の4第1項と施行令25条の5のとおり(自ら建設した資産は建設等に要した課税仕入れ等の額の合計額で判定する)。

【賃貸経営の消費税——売上側の非課税と、仕入側の控除制限】

1. 売上側:何が非課税になるか

消費税法6条1項は、別表第二に掲げる資産の譲渡等には消費税を課さないと定めています。賃貸経営で関係が深いのは次の二つです。

  • 第一号: 土地(土地の上に存する権利を含む)の譲渡及び貸付け。ただし施行令8条により、貸付期間が1月に満たない場合と、駐車場その他の施設の利用に伴って土地が使用される場合は除かれます。
  • 第十三号: 住宅(人の居住の用に供する家屋又は家屋のうち人の居住の用に供する部分)の貸付け。店舗・事務所として使わせる建物の貸付けは「住宅」の貸付けではないので、非課税になりません。

2. 仕入側:居住用賃貸建物の控除制限(30条10項)

消費税の納税額は、売上に係る税額から仕入れに係る税額を控除して計算します(仕入税額控除・30条1項)。30条10項は、この控除を「住宅の貸付けの用に供しないことが明らかな建物(その附属設備を含む。)以外の建物」で、高額特定資産又は調整対象自己建設高額資産に該当するもの(居住用賃貸建物)に係る課税仕入れ等の税額には適用しないと定めています。

30条10項は、住宅の貸付けに使われうる高額な建物について、取得に係る課税仕入れ等の税額を、課税売上割合などの計算によらず、仕入税額控除の対象から外す規定です。条文の対象は「住宅の貸付けの用に供しないことが明らかな建物以外の建物」なので、住宅の貸付けに使わないことが明らかな建物は制限の対象外です。

3. 高額特定資産(12条の4・施行令25条の5)

高額特定資産は、棚卸資産及び調整対象固定資産のうち、価額が高額なものとして政令で定めるものです。施行令25条の5は、一の取引の単位に係る課税仕入れの支払対価の額の110分の100(消費税等相当額を除いた額)が1,000万円以上のもの、自ら建設した資産については建設等に要した課税仕入れ等の額の合計額が1,000万円以上のもの、と定めています。

4. 実務上の留意点

オーナーが賃貸マンションを新築・購入する場面では、建物の取得に係る消費税が控除できない前提で収支計画を立てる必要があります。なお、居住用賃貸建物を取得後一定期間内に課税賃貸用に供した場合や譲渡した場合に控除額を調整する規定も置かれています(35条の2)。管理業者はオーナーに税務判断を示す立場ではありませんが、制度の存在を知り、税理士への相談を勧められるようにしておくことが大切です。

この問題の根拠根拠: 消費税法6条1項・別表第二第一号・第十三号・30条10項(居住用賃貸建物に係る仕入税額控除の制限)・12条の4第1項(高額特定資産)/消費税法施行令8条(土地の貸付けから除外される場合)・25条の5(高額特定資産の範囲等) 確認日: 2026-09-30 出典: e-Gov 法令検索 消費税法 https://laws.e-gov.go.jp/law/363AC0000000108#Mp-At_30 / 消費税法施行令 https://laws.e-gov.go.jp/law/363CO0000000360#Mp-At_8
訂正の記録この問題の訂正はありません(サイト全体の記録)
出典と作り方

本問は合格ナビが作成したオリジナル問題です(本試験問題の転載ではありません)。 根拠・出典:根拠: 消費税法6条1項・別表第二第一号・第十三号・30条10項(居住用賃貸建物に係る仕入税額控除の制限)・12条の4第1項(高額特定資産)/消費税法施行令8条(土地の貸付けから除外される場合)・25条の5(高額特定資産の範囲等) 確認日: 2026-09-30 出典: e-Gov 法令検索 消費税法 https://laws.e-gov.go.jp/law/363AC0000000108#Mp-At_30 / 消費税法施行令 https://laws.e-gov.go.jp/law/363CO0000000360#Mp-At_8 各根拠条文は「e-Gov法令検索」(https://elaws.e-gov.go.jp/)で原文を確認できます。令和8年度(2026年度)試験基準日時点で施行されている法令の数値を反映(数値確認日 2026-10-12)。

本問・解説は試験対策のための学習コンテンツです。法令・通達・ガイドラインは改正されることがあるため、最新の内容は一般社団法人 賃貸不動産経営管理士協議会・国土交通省の公式情報をご確認ください。本サイトは協議会と一切関係ありません。

執筆・監修:合格ナビ運営事務局(運営者情報)。賃貸住宅管理業法・サブリース新法・国土交通省ガイドラインの出題範囲分析に基づき、オリジナル問題と段差のある3段階の解説を作成しています。

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