問題
建築物の定期調査・定期報告制度に関する次のア〜オの記述のうち、誤っているものはどれか。
キーボード:1〜5で選択
答え合わせ
- ア
- イ
- ウ
- エ
- オ
自信の3択
えらぶと、この端末に記録します(登録はいりません)
解説
正答(誤っているもの)はエです。
建築基準法12条の定期調査・報告義務に違反した場合、罰則が設けられています。「行政指導にとどまる」とするエは誤りです。定期報告をしない、または虚偽の報告をした者は、100万円以下の罰金の対象です(建築基準法101条1項2号)。
ア・イ・ウ・オは正しい記述です。有資格者による定期調査(ア)、共同住宅等も対象(イ)、外壁タイルの確認(ウ)、頻度の規定(オ)はいずれも正しい内容です。
建築基準法12条の定期調査・報告制度:
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 対象 | 政令で定める特殊建築物(劇場・百貨店・病院等)と、特定行政庁が指定する特定建築物(共同住宅等が指定される場合あり) |
| 報告者 | 建築物の所有者・管理者 |
| 調査者 | 一級・二級建築士または建築物調査員資格者証の交付を受けている者(12条1項) |
| 頻度 | 建物用途・規模により異なる(3年に1回・年1回等) |
| 報告先 | 特定行政庁(都道府県知事・市区町村長等) |
| 違反時 | 報告をしない・虚偽報告は100万円以下の罰金(101条1項2号) |
エが誤りの理由:
建築基準法101条1項2号は、12条1項・3項の報告をせず、または虚偽の報告をした者を100万円以下の罰金に処すると定めています。「行政指導のみ・罰則なし」という記述は誤りです。
各選択肢:
- ア(正): 定期調査の有資格者(一級・二級建築士・建築物調査員=12条1項)を正確に記述。
- イ(正): 共同住宅等も対象に含まれることを正確に記述。
- ウ(正): 外壁タイルの浮き・ひび割れが調査項目であることを正確に記述。
- エ(誤・正答): 報告義務違反に罰則あり(行政指導のみでない)。
- オ(正): 報告頻度が法令で定められていることを正確に記述。
【12条報告の詳細・対象建築物の種類・外壁調査の方法・落下事故と管理責任・賃貸管理業者の義務】
1. 建築基準法12条報告制度の概要
建築基準法12条は、6条1項1号の特殊建築物のうち政令で定めるもの(劇場・映画館・百貨店・ホテル・病院等)と、特定行政庁が指定する特定建築物(共同住宅等)、それらの建築設備・昇降機等について、定期的に専門家が調査・検査し特定行政庁に報告することを義務付けています。
目的:建物の経年劣化・設備の故障等による事故(外壁落下・エレベーター事故・避難設備の不備等)を予防するため、定期的な調査・報告によって安全の確認と早期発見を実現する。
2. 対象建築物の種類(主なもの)
| 区分 | 対象 |
|---|---|
| 政令で定めるもの(12条1項・施行令) | 劇場・映画館・百貨店・ホテル・旅館・病院等のうち一定規模以上のもの |
| 特定行政庁が指定するもの(12条1項) | 上記以外の特定建築物。共同住宅を指定している特定行政庁もある(規模要件は特定行政庁ごと) |
共同住宅(賃貸マンション・分譲マンション)も、所在地の特定行政庁が指定していれば定期報告の対象になります(イが正しい理由)。
3. 定期調査の内容(主な確認項目)
建築物の定期調査では以下を確認します:
- 外壁の仕上げ・外装材: タイルの浮き・ひび割れ・欠損(打診調査・目視)
- 屋根・防水: 防水層の劣化・亀裂・雨漏りの跡
- 階段・廊下: 手すりの破損・段差・床面の劣化
- 避難施設(廊下・非常口・避難器具): 障害物・施錠状態・破損
- 建築設備(換気・排煙・非常用照明等): 動作確認
外壁タイルの浮き・ひび割れは、落下事故(人身事故・車両被害)のリスクがあるため特に重要な調査項目です(ウが正しい)。
4. 外壁調査の方法と技術
外壁タイルの浮き・ひび割れの確認方法:
| 方法 | 内容 | 特徴 |
|---|---|---|
| 打診調査 | ハンマー等で叩いて音で判断 | 足場・ゴンドラ必要・高コスト |
| 赤外線サーモグラフィー | 熱画像で浮きを検出 | 足場不要・広範囲を効率よく確認 |
| ドローン調査 | ドローンで撮影・映像確認 | 高所・複雑形状にも対応 |
近年はドローン・赤外線カメラによる非接触調査が普及し、外壁調査コストが低下しています。
5. 外壁落下事故と管理責任
外壁タイルが落下して通行人に被害が生じた場合:
- 民法717条(土地工作物責任): 建物の設置・保存の瑕疵による損害→所有者が賠償責任
- 定期報告を怠った場合: 「適切な点検・管理を怠った」として過失責任の根拠になる
- 賃貸管理会社の責任: 管理委託を受けている場合、適切な点検・報告を怠ったことで損害賠償責任を問われる可能性
管理会社として定期報告の対象建物かどうか確認し、必要な場合は有資格者による定期調査の手配とオーナーへの報告が重要な義務です。
6. 罰則の詳細(エが誤りの理由)
建築基準法101条1項2号:
- 12条1項・3項の報告をしない、または虚偽の報告をした→100万円以下の罰金
「行政指導のみ・罰則なし」は誤りです。ただし実際には指導→督促→罰則という段階的な対応が多く、即時罰則適用のケースは少ないですが、法的根拠として罰則規定は存在します。
- 建築基準法第12条・第101条e-Govで原文を読む
- 民法第717条e-Govで原文を読む
出典と作り方
本問は合格ナビが作成したオリジナル問題です(本試験問題の転載ではありません)。 根拠・出典:根拠: 建築基準法第12条(建築物の定期調査・報告)・第101条第1項第2号(罰則) 確認日: 2026-06-10 出典: e-Gov 建築基準法 https://elaws.e-gov.go.jp/document?lawid=325AC0000000201 各根拠条文は「e-Gov法令検索」(https://elaws.e-gov.go.jp/)で原文を確認できます。令和8年度(2026年度)試験基準日時点で施行されている法令の数値を反映(数値確認日 2026-10-12)。
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