賃管士 建築・設備 問36:建物管理・建築基準法
(令和8年度(2026年度)試験対応・数値確認日 2026-06-10)
建築物の定期調査・定期報告制度に関する次のア〜オの記述のうち、**誤っているもの**はどれか。
- ア建築基準法12条は、一定の建築物について、専門の有資格者(一級建築士・二級建築士・建築設備検査員等)による定期調査・報告を義務付けている。
- イ定期調査・報告の対象には、特定建築物(劇場・映画館・百貨店・病院等)の他、一定規模以上の共同住宅等も含まれる。
- ウ外壁タイルのひび割れ・浮きは落下事故のリスクがあるため、定期調査の際に確認する項目の一つであり、建築物の定期調査・報告書に記載される。
- エ定期調査・報告の義務があるにもかかわらず、報告を怠った場合、建築基準法上の罰則(過料等)はなく、行政指導にとどまる。正答
- オ定期報告(12条報告)の頻度は、建築物の用途・規模によって異なり、3年ごと・年1回等、法令で定める頻度での報告が求められる。
AI解説(初心者・標準・上級)
理解度に合わせて3レベルの解説を無料で読めます。根拠条文・国土交通省ガイドラインも明記。
正答(誤っているもの)はエです。
建築基準法12条の定期調査・報告義務に違反した場合、罰則が設けられています。「行政指導にとどまる」とするエは誤りです。建築基準法100条(準用)等により、報告義務違反に対して100万円以下の罰金等の罰則が適用される場合があります。
ア・イ・ウ・オは正しい記述です。有資格者による定期調査(ア)、共同住宅等も対象(イ)、外壁タイルの確認(ウ)、頻度の規定(オ)はいずれも正しい内容です。
建築基準法12条の定期調査・報告制度:
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 対象 | 特定建築物(劇場・百貨店・病院等)・一定規模の共同住宅等 |
| 報告者 | 建築物の所有者・管理者 |
| 調査者 | 一級・二級建築士または建築物調査員(国交大臣登録資格) |
| 頻度 | 建物用途・規模により異なる(3年に1回・年1回等) |
| 報告先 | 特定行政庁(都道府県知事・市区町村長等) |
| 違反時 | 罰則あり(100万円以下の罰金等) |
エが誤りの理由:
建築基準法は定期報告義務違反に罰則を設けています(同法101条等)。「行政指導のみ・罰則なし」という記述は誤りです。違反が繰り返された場合や重大な不備がある場合は刑事告発に至る場合もあります。
各選択肢:
- ア(正): 定期調査・報告の有資格者要件を正確に記述。
- イ(正): 共同住宅等も対象に含まれることを正確に記述。
- ウ(正): 外壁タイルの浮き・ひび割れが調査項目であることを正確に記述。
- エ(誤・正答): 報告義務違反に罰則あり(行政指導のみでない)。
- オ(正): 報告頻度が法令で定められていることを正確に記述。
【12条報告の詳細・対象建築物の種類・外壁調査の方法・落下事故と管理責任・賃貸管理業者の義務】
1. 建築基準法12条報告制度の概要
建築基準法12条は「特定建築物(劇場・映画館・百貨店・ホテル・病院・特定の共同住宅等)および建築設備・昇降機等」について、定期的に専門家が安全性を確認し特定行政庁に報告することを義務付けています。
目的:建物の経年劣化・設備の故障等による事故(外壁落下・エレベーター事故・避難設備の不備等)を予防するため、定期的な調査・報告によって安全の確認と早期発見を実現する。
2. 対象建築物の種類(主なもの)
| 区分 | 対象 |
|---|---|
| 第1種特定建築物 | 劇場・映画館・観覧場等 |
| 第2種特定建築物 | 百貨店・マーケット・ホテル・旅館・病院・老人福祉施設等 |
| 第3種特定建築物 | 共同住宅(3階建て以上かつ5戸以上等・地域の条例等による) |
共同住宅(賃貸マンション・分譲マンション)も規模・地域によっては定期報告の対象になります(イが正しい理由)。
3. 定期調査の内容(主な確認項目)
建築物の定期調査では以下を確認します:
- 外壁の仕上げ・外装材: タイルの浮き・ひび割れ・欠損(打診調査・目視)
- 屋根・防水: 防水層の劣化・亀裂・雨漏りの跡
- 階段・廊下: 手すりの破損・段差・床面の劣化
- 避難施設(廊下・非常口・避難器具): 障害物・施錠状態・破損
- 建築設備(換気・排煙・非常用照明等): 動作確認
外壁タイルの浮き・ひび割れは、落下事故(人身事故・車両被害)のリスクがあるため特に重要な調査項目です(ウが正しい)。
4. 外壁調査の方法と技術
外壁タイルの浮き・ひび割れの確認方法:
| 方法 | 内容 | 特徴 |
|---|---|---|
| 打診調査 | ハンマー等で叩いて音で判断 | 足場・ゴンドラ必要・高コスト |
| 赤外線サーモグラフィー | 熱画像で浮きを検出 | 足場不要・広範囲を効率よく確認 |
| ドローン調査 | ドローンで撮影・映像確認 | 高所・複雑形状にも対応 |
近年はドローン・赤外線カメラによる非接触調査が普及し、外壁調査コストが低下しています。
5. 外壁落下事故と管理責任
外壁タイルが落下して通行人に被害が生じた場合:
- 民法717条(土地工作物責任): 建物の設置・保存の瑕疵による損害→所有者が賠償責任
- 定期報告を怠った場合: 「適切な点検・管理を怠った」として過失責任の根拠になる
- 賃貸管理会社の責任: 管理委託を受けている場合、適切な点検・報告を怠ったことで損害賠償責任を問われる可能性
管理会社として定期報告の対象建物かどうか確認し、必要な場合は有資格者による定期調査の手配とオーナーへの報告が重要な義務です。
6. 罰則の詳細(エが誤りの理由)
建築基準法101条(100条の読み替え等)・12条5項:
- 報告義務違反(定期報告の未提出・虚偽報告)→100万円以下の罰金
- 特定行政庁の命令違反→より重い罰則の場合あり
「行政指導のみ・罰則なし」は誤りです。ただし実際には指導→督促→罰則という段階的な対応が多く、即時罰則適用のケースは少ないですが、法的根拠として罰則規定は存在します。
<!-- 監修確定 2026-06-10(legal-reviser): 建築基準法12条(定期調査・報告)・101条(罰則100万円以下の罰金)確認済。外壁タイルが調査対象・報告義務違反に罰則あり(行政指導のみでない)。正答エ(誤)維持。 -->
本問は合格ナビが作成したオリジナル問題です(本試験問題の転載ではありません)。 根拠・出典:根拠: 建築基準法第12条(建築物の定期調査・報告) 確認日: 2026-06-10 出典: e-Gov 建築基準法 https://elaws.e-gov.go.jp/document?lawid=325AC0000000201 各根拠条文は「e-Gov法令検索」(https://elaws.e-gov.go.jp/)で原文を確認できます。令和8年度(2026年度)試験基準日時点で施行されている法令の数値を反映(数値確認日 2026-06-10)。
本問・解説は試験対策のための学習コンテンツです。法令・通達・ガイドラインは改正されることがあるため、最新の内容は一般社団法人 賃貸不動産経営管理士協議会・国土交通省の公式情報をご確認ください。本サイトは協議会と一切関係ありません。
執筆・監修:Zawa Lab(合格ナビ運営者情報) / 賃貸住宅管理業法・サブリース新法・国土交通省ガイドラインの出題範囲分析に基づきオリジナル問題と段差性のあるAI解説を作成しています。