問題
長屋又は共同住宅の遮音に関する建築基準法30条及び同法施行令22条の3の規定について、次のア〜オの記述のうち、正しいものはどれか。
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答え合わせ
- ア
- イ
- ウ
- エ
- オ
自信の3択
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解説
正答はウです。
建築基準法30条1項1号は、長屋又は共同住宅の各戸の界壁に、隣の住戸からの日常生活の音を低減する性能を求め、その技術的基準を政令に委ねています。施行令22条の3第1項は、振動数125・500・2,000ヘルツの音に対する透過損失を、それぞれ25・40・50デシベル以上と定めています。ウはこのとおりです。
アは誤りで、長屋も対象です。イは誤りで、小屋裏・天井裏に達しなくてよいのは天井が基準を満たす場合です。エは誤りで、床衝撃音の規定はありません。オは誤りで、高い音ほど大きい透過損失が必要です。
界壁の遮音の規定:
| 条文 | 内容 |
|---|---|
| 法30条1項1号 | 長屋又は共同住宅の各戸の界壁は、隣接住戸からの日常生活に伴う音を衛生上支障がないように低減する性能の政令基準に適合し、大臣が定めた構造方法を用いるか大臣の認定を受けたもの |
| 法30条1項2号 | 界壁は小屋裏又は天井裏に達するもの |
| 法30条2項 | 天井の構造が同様の性能の政令基準に適合し、大臣の構造方法又は認定によるものなら、1項2号は適用しない |
| 施行令22条の3 | 透過損失の基準(1項)。30条2項の天井の基準も同じ(2項) |
透過損失の基準(施行令22条の3第1項):
| 振動数 | 透過損失 |
|---|---|
| 125ヘルツ | 25デシベル以上 |
| 500ヘルツ | 40デシベル以上 |
| 2,000ヘルツ | 50デシベル以上 |
各選択肢:
- ア(誤): 法30条は「長屋又は共同住宅」の各戸の界壁を対象とする。
- イ(誤): 1項2号を適用しないのは、30条2項で「天井の構造」が基準に適合する場合。界壁が基準に適合するだけでは足りない。
- ウ(正): 施行令22条の3第1項の表のとおり。
- エ(誤): 建築基準法・同施行令には床衝撃音の基準の規定はない。遮音の基準は界壁(と30条2項の天井)について定められている。
- オ(誤): 表のとおり、振動数が高いほど大きい透過損失(25→40→50デシベル)が求められる。
【界壁の遮音の規定の組み立て・透過損失の読み方・天井で代える仕組み・床の音との違い・賃貸管理での使い方】
1. 規定の組み立て(法30条)
建築基準法30条1項は、長屋又は共同住宅の各戸の界壁に2つの基準を求めています。1号は、隣接する住戸からの日常生活に伴い生ずる音を衛生上支障がないように低減するために界壁に必要とされる性能について、政令で定める技術的基準に適合し、国土交通大臣が定めた構造方法を用いるもの又は大臣の認定を受けたものであること。2号は、界壁が小屋裏又は天井裏に達するものであることです。対象は共同住宅だけでなく長屋も含みます(アが誤り)。
2. 透過損失の基準(施行令22条の3第1項)
1号の技術的基準は、施行令22条の3第1項が定めています。透過損失は、壁を通り抜ける間に音がどれだけ弱まるかを表す値で、数値が大きいほど音を通しにくいことを意味します。基準は、125ヘルツで25デシベル以上、500ヘルツで40デシベル以上、2,000ヘルツで50デシベル以上です(ウが正しい)。振動数が高い音ほど大きい透過損失が求められています(オが誤り)。
3. 天井で代える仕組み(法30条2項・施行令22条の3第2項)
界壁を小屋裏や天井裏まで立ち上げる(1項2号)代わりに、天井の構造が同じ性能の基準に適合し、大臣が定めた構造方法を用いるか大臣の認定を受けたものであれば、1項2号は適用されません(30条2項)。この天井の基準も、施行令22条の3第2項で1項と同じ透過損失の基準とされています。界壁だけが基準に適合していても、天井が基準に適合しなければ、界壁を小屋裏又は天井裏に達せしめる必要があります(イが誤り)。
4. 床の音との違い
建築基準法と同法施行令が遮音について定めているのは、この界壁(と天井)の横方向の音です。上下階の床衝撃音(物の落下音や足音)について、数値の基準を定めた規定はありません(エが誤り)。床の遮音性能は、設計や仕様の選択に委ねられている部分です。
5. 賃貸管理での使い方
隣室の話し声やテレビの音の苦情では、界壁の構造が法30条の基準に沿ったものか、界壁が小屋裏・天井裏まで達しているか(又は天井が基準に適合しているか)を竣工図書で確認することが、原因の切り分けの手がかりになります。一方、上階の足音の苦情は法の基準の対象外であるため、床の仕様や生活音への配慮のお願いなど、別の観点から対応を考えることになります。
- 建築基準法第30条e-Govで原文を読む
出典と作り方
本問は合格ナビが作成したオリジナル問題です(本試験問題の転載ではありません)。 根拠・出典:根拠: 建築基準法30条1項・2項、建築基準法施行令22条の3第1項・2項(e-Gov 法令API v2・law_id 325AC0000000201・325CO0000000338・2026-09-30取得の現行全文で確認) 確認日: 2026-09-30 出典: e-Gov 法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/325AC0000000201#Mp-At_30 各根拠条文は「e-Gov法令検索」(https://elaws.e-gov.go.jp/)で原文を確認できます。令和8年度(2026年度)試験基準日時点で施行されている法令の数値を反映(数値確認日 2026-10-12)。
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執筆・監修:合格ナビ運営事務局(運営者情報)。賃貸住宅管理業法・サブリース新法・国土交通省ガイドラインの出題範囲分析に基づき、オリジナル問題と段差のある3段階の解説を作成しています。

