賃管士 建築・設備 問34:電気設備
(令和8年度(2026年度)試験対応・数値確認日 2026-06-10)
漏電遮断機(漏電ブレーカー)に関する次のア〜オの記述のうち、**誤っているもの**はどれか。
- ア漏電遮断機は、電気回路に地絡電流(漏電)が発生した際に自動的に電流を遮断する保護装置であり、感電事故・電気火災の防止に有効である。
- イ内線規程等の技術基準では、住宅の分電盤には漏電遮断機の設置が義務付けられており、新築住宅では標準的に設置されている。
- ウ漏電遮断機の感度電流の標準値は30mAであり、この電流値は人体への安全基準(致死レベル以下)に基づいて設定されている。
- エ漏電遮断機が作動した(ブレーカーが落ちた)場合、必ず電気工事士に依頼して原因を調査・修繕しなければならず、入居者が自分でブレーカーを上げることは禁止されている。正答
- オ電気設備の老朽化や水濡れにより絶縁が劣化すると、漏電が発生しやすくなる。漏電遮断機が適切に機能していれば、漏電発生時に回路を遮断して被害を最小限にできる。
AI解説(初心者・標準・上級)
理解度に合わせて3レベルの解説を無料で読めます。根拠条文・国土交通省ガイドラインも明記。
正答(誤っているもの)はエです。
漏電遮断機が作動した場合(ブレーカーが落ちた場合)、入居者が状況を確認した上でブレーカーを上げること自体は特に禁止されていません。ただし、繰り返し落ちる場合や原因が不明な場合は電気工事士・電気業者に相談することが推奨されます。エの「入居者が自分でブレーカーを上げることは禁止されている」は誤りです。
ア・イ・ウ・オは正しい記述です。感度電流30mA(ウ)、感電・電気火災防止(ア)、新築住宅への標準設置(イ)、老朽化・水濡れによる漏電リスク(オ)はいずれも正しい内容です。
漏電遮断機の基本:
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 機能 | 漏電(地絡電流)検知→自動遮断 |
| 感度電流 | 30mA(標準)・高感度型15mA |
| 動作時間 | 0.1秒以内(高速型)・0.1〜2秒(遅延型) |
| 設置場所 | 分電盤・各回路のブレーカー |
| 設置義務 | 新築住宅・内線規程で推奨・電技解釈で一定の設置義務 |
エが誤りの理由:
漏電ブレーカーが落ちた場合の対応:
1. 問題の電気器具を取り外す・電源コードを抜く
2. ブレーカーを上げる(手動でONに戻す)→これ自体は禁止されていない
3. 再度落ちる・原因が不明な場合→電気業者に相談
「入居者が自分でブレーカーを上げること自体が禁止」は誤りです。ただし繰り返す場合は専門家への相談が必要です。
各選択肢:
- ア(正): 漏電遮断機の機能・目的を正確に記述。
- イ(正): 新築住宅への標準設置・内線規程への言及が正しい。
- ウ(正): 30mAの感度電流と人体安全基準を正確に記述。
- エ(誤・正答): ブレーカーを上げること自体は禁止されていない。繰り返す場合は専門家相談を推奨。
- オ(正): 老朽化・水濡れによる絶縁劣化と漏電ブレーカーの機能を正確に記述。
【漏電の発生原理・感度電流の意味・電気火災との関係・賃貸管理業者の対応フロー・高齢住宅と電気設備のリスク】
1. 漏電の発生原理
電気設備(配線・器具)は「絶縁体」で覆われ、電流が設計された回路内のみを流れるよう設計されています。絶縁体が劣化すると:
- 電流が本来の回路外(筐体・接地側・人体)に流れ出す→漏電(地絡電流)
- 漏電電流が人体を通ると感電事故
- 漏電電流が局所に集中すると発熱→電気火災(電気系トラッキング火災も含む)
漏電遮断機(漏電ブレーカー)はこの漏電電流(地絡電流)を検知して回路を遮断し、上記の事故を防ぎます。
2. 感度電流30mAの根拠
人体に流れる電流の影響:
| 電流値 | 影響 |
|---|---|
| 1mA | 電気を感じる |
| 5mA | けいれん・痛み |
| 10mA | 筋肉硬直(離脱困難) |
| 30mA以上 | 心室細動のリスク |
| 50mA以上 | 致死のリスク |
標準的な漏電遮断機の感度電流30mAは「人体が感知し始め・致死に至る前」の安全マージンを確保した値です。0.1秒以内の高速遮断と組み合わせることで、感電事故での死亡リスクを低下させます。
3. トラッキング火災(電気シリーズ火災)
プラグとコンセントの間に埃・水分が蓄積すると「トラッキング現象」(電気的なショート)が発生し、出火します。漏電遮断機だけではこの現象を完全には防げない場合があります。
予防策:
- コンセントカバー(ほこり防止カバー)の使用
- 長期差し込みプラグの定期的な清掃・抜き差し
- 洗面所・浴室近くのコンセントへの防水措置
管理業者として、入居者へのトラッキング火災予防の情報提供(入居時案内・ハンドブック)が重要です。
4. 漏電ブレーカー作動時の対応フロー(エの詳細)
(1) 入居者ができること:
1. 全ての電気器具のコンセントを抜く
2. ブレーカーをONに戻す(これ自体は禁止されていない)
3. 電気器具を1つずつ差し込んで、どの器具で落ちるかを確認
4. 問題のある器具を特定・使用中止
(2) 電気業者への相談が必要な場合:
- どの器具を差しても繰り返し落ちる
- 原因が特定できない
- 老朽化した配線の問題が疑われる
「入居者がブレーカーを上げること自体が禁止」(エの誤り)という過剰な制限ではなく、繰り返す場合・原因不明の場合は専門家への相談を推奨します。
5. 賃貸管理業者の電気設備管理
築30年超の物件での電気設備リスク:
- 配線の絶縁劣化(PVC被覆の経年劣化)
- 漏電遮断機自体の劣化(30年以上使用で動作不良のリスク)
- 分電盤の老朽化(端子の緩み・スイッチの接触不良)
推奨される管理業務:
- 電気設備の定期点検(第一種または第二種電気工事士による)
- 漏電ブレーカーの動作確認(テストボタンによる年1回程度の確認)
- 老朽設備のリフォーム提案
6. 集合住宅の高圧受電と電気保安管理
高圧受電(6.6kV)の集合住宅では「電気主任技術者(電気保安管理者)」の選任が義務付けられています(電気事業法)。電気主任技術者は:
- 自家用電気工作物の保安監督
- 年次点検(停電検査)の実施
- 月次点検の実施
管理業者は、オーナーが電気保安管理契約(電気保安協会等)を締結しているか確認することも重要な業務です。
<!-- 監修確定 2026-06-10(legal-reviser): 内線規程(JEAC8001)・電気設備技術基準(漏電遮断機の設置・感度電流30mA)確認済。入居者のブレーカー操作は禁止されていない(繰り返す場合は専門家相談推奨)。正答エ(誤)維持。 -->
本問は合格ナビが作成したオリジナル問題です(本試験問題の転載ではありません)。 根拠・出典:根拠: 内線規程(JEAC8001)・電気設備の技術基準の解釈 確認日: 2026-06-10 出典: 電気技術規程 内線規程 https://www.jeac.or.jp/ 各根拠条文は「e-Gov法令検索」(https://elaws.e-gov.go.jp/)で原文を確認できます。令和8年度(2026年度)試験基準日時点で施行されている法令の数値を反映(数値確認日 2026-06-10)。
本問・解説は試験対策のための学習コンテンツです。法令・通達・ガイドラインは改正されることがあるため、最新の内容は一般社団法人 賃貸不動産経営管理士協議会・国土交通省の公式情報をご確認ください。本サイトは協議会と一切関係ありません。
執筆・監修:Zawa Lab(合格ナビ運営者情報) / 賃貸住宅管理業法・サブリース新法・国土交通省ガイドラインの出題範囲分析に基づきオリジナル問題と段差性のあるAI解説を作成しています。