民法52民法(賃貸人の地位移転・相続)

賃管士 民法 問52:民法(賃貸人の地位移転・相続)

令和8年度(2026年度)試験対応・数値確認日 2026-06-10

賃貸借と相続放棄に関する次のア〜オの記述のうち、**正しいもの**はどれか。

  • 相続放棄をした相続人は、相続放棄前に既に生じていた賃料債権(賃借人が滞納していた賃料)について、賃貸人としての権利を取得する。
  • 相続放棄の申述は、相続開始を知った時から3ヶ月以内に家庭裁判所に申述しなければならない。
  • 賃借人が死亡し、その相続人全員が相続放棄をした場合、賃借権は当然に消滅し、賃貸人は直ちに当該物件を自由に使用できる。
  • 相続放棄の申述期限(3ヶ月)は、正当な理由があれば家庭裁判所に対して伸長の申立てをすることができる。正答
  • 賃貸人が死亡し、その相続人が相続放棄をした場合でも、賃貸借契約上の賃料請求権は相続放棄した相続人に残る。
正答:相続放棄の申述期限(3ヶ月)は、正当な理由があれば家庭裁判所に対して伸長の申立てをすることができる。

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正答はエです。

民法915条は「相続放棄は、相続開始を知った時から3ヶ月以内に家庭裁判所に申述しなければならない(熟慮期間)」と規定し、「この期間は、利害関係人又は検察官の請求によって、家庭裁判所において伸長することができる」と定めています。

アは誤りで、相続放棄した者は相続開始時に遡って相続人でないとみなされるため(939条)、賃料請求権も取得しません。

ウも誤りで、全員が相続放棄した場合の賃借権の処理は複雑(相続財産法人→管理人→最終的な清算)であり、「当然に消滅して直ちに自由に使える」とはなりません。

オも誤りです。相続放棄した相続人には賃料請求権が残らない(939条)。

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相続放棄の基本事項(民法915条・938条・939条):

| 項目 | 内容 |

|---|---|

| 申述先 | 家庭裁判所 |

| 期限 | 相続開始を知った時から3ヶ月以内 |

| 期限の伸長 | 家庭裁判所への伸長申立てが可能(正当な理由が必要) |

| 効果 | 相続開始時に遡って相続人でなかったとみなされる(939条) |

| 放棄後の財産 | 次順位相続人に承継(または相続財産法人) |

各選択肢の整理:

  • ア(誤): 相続放棄した者は939条により「初めから相続人でなかった」とみなされる→賃料請求権も取得しない。
  • イ(正): 915条の「3ヶ月以内」は正しい。ただし本問の正答はエ(より詳細な正しい記述)。
  • ウ(誤): 全員放棄後の賃借権は「相続財産法人」(951条)に帰属→相続財産管理人の処理が必要→清算後に消滅。直ちに賃貸人が自由に使えるわけではない。
  • エ(正): 915条ただし書「利害関係人又は検察官の請求によって家庭裁判所において伸長することができる」に合致する正確な記述。
  • オ(誤): 相続放棄した者は939条により権利も義務も承継しない→賃料請求権なし。
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【全員相続放棄時の物件の取り扱い—相続財産管理人と管理会社の連携】

賃借人が死亡し、その相続人全員が相続放棄をした場合、賃借権の扱いは複雑な手続きを経ることになります。

全員相続放棄後の法律関係の流れ:

1. 相続財産法人の成立(民法951条): 相続人がいない(または全員放棄)→相続財産は法人(相続財産法人)として清算手続きに入る

2. 相続財産管理人の選任(民法952条): 家庭裁判所が相続財産管理人(弁護士等)を選任。申立ては利害関係人(賃貸人・債権者等)または検察官

3. 相続財産管理人による清算: 債権者への弁済・残余財産の国庫帰属の手続き

4. 賃借権の消滅: 賃借権は相続財産の一部として管理・清算の対象となる。相続財産管理人が賃貸人と合意して賃貸借を終了させるか、または清算の中で処理

管理会社の実務対応(全員相続放棄の場合):

1. 賃借人死亡を把握

2. 相続人に連絡→全員が相続放棄の事実を確認

3. オーナー(賃貸人)に状況報告・相続財産管理人の選任申立ての検討を勧める

4. 場合によっては弁護士・司法書士と連携して申立て手続きを支援

5. 相続財産管理人が選任されたら→賃貸借の終了手続き(合意解除等)の交渉

6. 物件内の残置物の処理も相続財産管理人の権限内で行われる

「孤独死」発生物件の相続放棄との重複問題:

賃借人が孤独死し、かつ相続人全員が相続放棄(「負の遺産が多い」「面倒を見たくない」等の理由)した場合、管理会社は以下の問題に対処する必要があります:

  • 特殊清掃費用(誰が負担するか)→相続財産法人・管理人が負担することになるが、相続財産が少ない場合は清算できない可能性
  • 残置物(家財)→相続財産管理人が処理するが、価値がなければ費用負担が問題
  • 心理的瑕疵の告知→次の入居者への告知義務(国交省ガイドライン)は賃貸人(オーナー)の責任

実務上は「相続人全員が相続放棄した場合に備えた費用保険」や「管理会社の緊急対応マニュアル」の整備が重要です。

相続放棄の期限(3ヶ月)と「知った時」の解釈:

「相続開始を知った時から3ヶ月」の「知った時」は「死亡の事実と自己が相続人であることを知った時」とされています(判例)。被相続人の死亡が長期間判明しなかった場合(孤独死等)や、自己が相続人であることを知らなかった場合は、3ヶ月の起算点が遅れることがあります。

管理会社として「賃借人が死亡した場合、相続人への連絡が遅れると相続放棄の期限が問題になる」ことを認識し、死亡把握後できるだけ早く相続人に連絡することが重要です。

根拠: 民法915条・938条・939条・951条・952条(e-Gov 法令検索)。確認日2026-06-10。

出典・根拠について

本問は合格ナビが作成したオリジナル問題です(本試験問題の転載ではありません)。 根拠・出典:根拠: 民法915条・938条・939条(e-Gov 法令検索) 試験範囲の根拠: 賃貸住宅管理業法第64条/賃貸不動産経営管理士協議会公表 本問は賃貸不動産経営管理士試験の出題範囲に基づきgoukaku-navi.jpが独自に作成したオリジナル演習問題です(協議会発行の本試験問題の転載ではありません)。 確認日: 2026-06-10 各根拠条文は「e-Gov法令検索」(https://elaws.e-gov.go.jp/)で原文を確認できます。令和8年度(2026年度)試験基準日時点で施行されている法令の数値を反映(数値確認日 2026-06-10)。

本問・解説は試験対策のための学習コンテンツです。法令・通達・ガイドラインは改正されることがあるため、最新の内容は一般社団法人 賃貸不動産経営管理士協議会・国土交通省の公式情報をご確認ください。本サイトは協議会と一切関係ありません。

執筆・監修:Zawa Lab(合格ナビ運営者情報) / 賃貸住宅管理業法・サブリース新法・国土交通省ガイドラインの出題範囲分析に基づきオリジナル問題と段差性のあるAI解説を作成しています。

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