賃管士
法令の確認日 2026年9月13日e-Govと照合済み

賃管士 民法 問51|借地借家法36条1項の要件——反対の意思表示は同居者がするものであり賃貸人の拒否権ではない

問題

賃管士 | 民法 | 令和8年度(2026年度)試験対応・数値確認日 2026-10-12

借地借家法36条(居住用建物の賃貸借の承継)の要件に関する次のア〜オの記述のうち、誤っているものはどれか。

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正解は イ
  • ア
  • イ
  • ウ
  • エ
  • オ

自信の3択

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解説

正答はイです。

借地借家法36条1項ただし書は「相続人なしに死亡したことを知った後一月以内に建物の賃貸人に反対の意思を表示したとき」は承継が生じない、と定めていますが、この「反対の意思を表示」する主体は、承継を望まない同居者自身です。賃貸人が同居者による承継を一方的に拒否できる権利を36条は定めていません。イは反対の意思表示の主体を賃貸人としており誤りです。

ア・ウ・エ・オはいずれも36条1項の条文どおりの正しい記述です。

借地借家法36条1項の要件整理:

要件内容
対象物件居住の用に供する建物(事業用建物は対象外)
賃借人の状況相続人なしに死亡(相続人がいれば36条不適用)
承継対象者婚姻・縁組の届出なし・事実上夫婦又は養親子と同様の関係にあった同居者
反対の意思表示の主体同居者自身(賃貸人ではない)
反対の意思表示の期間相続人なしに死亡したことを知った後一月以内
反対がない場合の効果同居者が権利義務を当然に承継

各選択肢の整理:

  • ア(正): 36条は居住用建物に限定。
  • イ(誤・正答): 反対の意思を表示するのは同居者であり、賃貸人にそのような拒否権はない。
  • ウ(正): 36条は相続人なしに死亡した場合に限る。
  • エ(正): 条文どおり「事実上夫婦又は養親子と同様の関係」。
  • オ(正): 反対の意思表示の主体・期間ともに条文どおり。

【36条1項の「反対の意思表示」は誰のための制度か】

借地借家法36条1項は次のとおり定めています。「居住の用に供する建物の賃借人が相続人なしに死亡した場合において、その当時婚姻又は縁組の届出をしていないが、建物の賃借人と事実上夫婦又は養親子と同様の関係にあった同居者があるときは、その同居者は、建物の賃借人の権利義務を承継する。ただし、相続人なしに死亡したことを知った後一月以内に建物の賃貸人に反対の意思を表示したときは、この限りでない。」

「反対の意思を表示」する主体を条文構造から読む:

本文の主語は一貫して「同居者」です。「その同居者は、建物の賃借人の権利義務を承継する」という本文に続けて、「ただし、(同居者が)相続人なしに死亡したことを知った後一月以内に建物の賃貸人に反対の意思を表示したときは、この限りでない」というただし書が置かれています。つまり、この制度は「同居者が望めば当然に賃借人の権利義務を承継できるが、承継を望まない同居者は一定期間内に賃貸人へその旨を申し出ることで承継を回避できる」という、同居者の側の選択肢(オプトアウト)を定めたものです。賃貸人が「この同居者には承継させたくない」という理由で反対を表明して承継を阻止できる制度ではありません。

賃貸人の関与はどこにあるか:

36条1項で賃貸人が出てくるのは、ただし書の「建物の賃貸人に反対の意思を表示したとき」の部分、つまり同居者の反対の意思表示を受ける相手方としてだけです。承継の要件に賃貸人の承諾や同意は入っておらず、賃貸人が承継を拒める旨の規定もありません。条文の構造は「同居者が反対しない限り承継が当然に生じ、承継を望まない同居者だけがそれを回避できる」というものです。

同居者の範囲(エの補足):

承継の対象となる同居者は「婚姻又は縁組の届出をしていないが、建物の賃借人と事実上夫婦又は養親子と同様の関係にあった」者に限られます。法律上の配偶者や養子(婚姻・縁組の届出済み)であれば、その人自身が相続人なので、賃借権は896条により通常の相続で承継され、「相続人なしに死亡した場合」という36条の場面になりません。36条は、法律上の相続人にはなれないが実質的に家族同様の生活を営んでいた者を保護するための規定です。

実務上の留意点:

管理会社としては、賃借人が死亡した場合にまず相続人の有無を確認し、相続人がいなければ同居者の有無・居住用建物であることを確認したうえで、承継を望まない同居者がいる場合には一月以内の反対の意思表示という選択肢があることを案内する、という順序で対応することになります。賃貸人側から一方的に承継を拒否できるという誤った理解のまま案内すると、同居者の居住権を不当に侵害するおそれがあるため注意が必要です。

根拠: 借地借家法36条(e-Gov 法令検索)。確認日2026-09-30。

この問題の根拠条番号はe-Govの本文と機械で照合しています(2026-09-13)。照合の方法
訂正の記録この問題の訂正はありません(サイト全体の記録)
出典と作り方

本問は合格ナビが作成したオリジナル問題です(本試験問題の転載ではありません)。 根拠・出典:根拠: 借地借家法36条(e-Gov 法令検索、現行条文) 試験範囲の根拠: 賃貸住宅管理業法施行規則第19条第1号/賃貸不動産経営管理士協議会公表 本問は賃貸不動産経営管理士試験の出題範囲に基づきgoukaku-navi.jpが独自に作成したオリジナル演習問題です(協議会発行の本試験問題の転載ではありません)。 確認日: 2026-09-30(e-Gov 法令API v2で借地借家法36条の現行条文を取得して確認) 各根拠条文は「e-Gov法令検索」(https://elaws.e-gov.go.jp/)で原文を確認できます。令和8年度(2026年度)試験基準日時点で施行されている法令の数値を反映(数値確認日 2026-10-12)。

本問・解説は試験対策のための学習コンテンツです。法令・通達・ガイドラインは改正されることがあるため、最新の内容は一般社団法人 賃貸不動産経営管理士協議会・国土交通省の公式情報をご確認ください。本サイトは協議会と一切関係ありません。

執筆・監修:合格ナビ運営事務局(運営者情報)。賃貸住宅管理業法・サブリース新法・国土交通省ガイドラインの出題範囲分析に基づき、オリジナル問題と段差のある3段階の解説を作成しています。

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