賃管士
法令の確認日 2026年9月13日e-Govと照合済み

賃管士 民法 問50|賃借人死亡時の場面分岐——相続人がいる場合

問題

賃管士 | 民法 | 令和8年度(2026年度)試験対応・数値確認日 2026-10-12

賃借人が死亡した場合の賃貸借契約の帰すうに関する次のア〜オの記述のうち、誤っているものはどれか。

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答え合わせ

正解は オ
  • ア
  • イ
  • ウ
  • エ
  • オ

自信の3択

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解説

正答はオです。

借地借家法36条は「居住の用に供する建物の賃借人が相続人なしに死亡した場合」に限って適用される規定です。オのように賃借人に子などの法定相続人がいる場合には、36条の出番はなく、896条により相続人が当然に賃借人の地位を承継します。同居していた内縁の配偶者がいても、36条を根拠に賃貸人の意思にかかわらず当然に権利義務を承継するとはいえません。

ア・イ・エ・ウはいずれも条文どおりの正しい記述です。

賃借人死亡時の場面分岐(場面ごとの適用条文):

場面適用条文処理
相続人がいる場合民法896条相続人が当然に賃借人の地位を承継。複数なら共有(898条)
相続人がいることが明らかでない場合民法951条・952条相続財産は法人となり、家庭裁判所が清算人を選任
相続人なしに死亡し、居住用建物に同居者がいる場合借地借家法36条一定の同居者が、反対の意思表示がなければ賃借人の権利義務を承継

借地借家法36条が適用されるのはあくまで「相続人なしに死亡した場合」に限られ、相続人がいる場面では民法896条の一般原則(相続人による当然承継)で処理されます。

各選択肢の整理:

  • ア(正): 896条の一般原則。
  • イ(正): 898条1項。複数相続人の相続財産は共有。
  • オ(誤・正答): 36条は相続人がいる場合には適用されない。相続人がいる場面での内縁配偶者の当然承継を定める規定はない。
  • エ(正): 36条1項本文のとおり(「原則として」は、同居者自身が一月以内に反対の意思を表示すれば承継しないというただし書を指す)。
  • ウ(正): 951条・952条1項のとおり。

【賃借人死亡時の処理を「相続人の有無」で切り分けて整理する】

賃借人が死亡した場合の賃貸借関係の処理は、まず「相続人がいるかどうか」で適用条文が大きく分かれます。この場面分岐を正確に押さえることが、この論点の理解の核心です。

場面1: 相続人がいる場合(民法896条)

民法896条は「相続人は、相続開始の時から、被相続人の財産に属した一切の権利義務を承継する。ただし、被相続人の一身に専属したものは、この限りでない」と定めます。賃借権は財産的な権利であり一身専属権ではないため、相続人は相続開始と同時に、特段の手続なく当然に賃借人の地位(賃借権)を承継します。相続人が複数いる場合、賃借権を含む相続財産はその相続人の共有に属し(898条1項)、各相続人の共有持分は900条から902条までの規定により算定した相続分によります(898条2項)。

この場面では、賃借人と同居していた内縁の配偶者がいたとしても、借地借家法36条の出番はありません。36条はあくまで「相続人なしに死亡した場合」の規定であり、相続人が存在する限り適用されないためです。内縁配偶者が居住を継続できるかどうかは、相続人(賃借人の地位を承継した者)との関係で個別に調整すべき問題であり、賃貸人の意思にかかわらず当然に承継されるという規定は借地借家法にはありません。

場面2: 相続人のあることが明らかでない場合(民法951条・952条)

相続人が誰もいない、又はその存在が明らかでない場合、相続財産は法人となります(951条)。この場合、家庭裁判所は、利害関係人又は検察官の請求によって、相続財産の清算人を選任しなければなりません(952条1項)。選任した場合、家庭裁判所は遅滞なくその旨及び相続人があるならば一定の期間内(6か月を下ることができない期間)にその権利を主張すべき旨を公告します(952条2項)。

場面3: 相続人なしに死亡し、居住用建物に同居者がいる場合(借地借家法36条)

居住の用に供する建物の賃借人が相続人なしに死亡した場合において、その死亡当時、賃借人と婚姻又は縁組の届出をしていないが事実上夫婦又は養親子と同様の関係にあった同居者があるときは、その同居者は、建物の賃借人の権利義務を承継します(36条1項本文)。ただし、その同居者が、相続人なしに死亡したことを知った後一月以内に建物の賃貸人に反対の意思を表示したときは、この限りではありません(36条1項ただし書)。つまり、この「反対の意思表示」は、承継を望まない同居者自身が行うものであり、賃貸人が承継を拒否するための手続ではない点に注意が必要です。

管理会社の実務対応:

賃借人死亡の情報を把握した場合、まず相続人の有無を確認し、①相続人がいれば相続人との賃貸借継続の確認、②相続人がいなければ同居者の有無・居住用建物かどうかを確認して36条の適用可否を検討する、という順序で対応することが実務上重要です。

根拠: 民法896条・898条・951条・952条(e-Gov 法令検索)、借地借家法36条(e-Gov 法令検索)。確認日2026-09-30。

この問題の根拠条番号はe-Govの本文と機械で照合しています(2026-09-13)。照合の方法
訂正の記録この問題の訂正はありません(サイト全体の記録)
出典と作り方

本問は合格ナビが作成したオリジナル問題です(本試験問題の転載ではありません)。 根拠・出典:根拠: 民法896条・898条・951条・952条(e-Gov 法令検索)、借地借家法36条(e-Gov 法令検索) 試験範囲の根拠: 賃貸住宅管理業法施行規則第19条第1号/賃貸不動産経営管理士協議会公表 本問は賃貸不動産経営管理士試験の出題範囲に基づきgoukaku-navi.jpが独自に作成したオリジナル演習問題です(協議会発行の本試験問題の転載ではありません)。 確認日: 2026-09-30(e-Gov 法令API v2で896条・951条・952条・借地借家法36条の現行条文を取得して確認) 各根拠条文は「e-Gov法令検索」(https://elaws.e-gov.go.jp/)で原文を確認できます。令和8年度(2026年度)試験基準日時点で施行されている法令の数値を反映(数値確認日 2026-10-12)。

本問・解説は試験対策のための学習コンテンツです。法令・通達・ガイドラインは改正されることがあるため、最新の内容は一般社団法人 賃貸不動産経営管理士協議会・国土交通省の公式情報をご確認ください。本サイトは協議会と一切関係ありません。

執筆・監修:合格ナビ運営事務局(運営者情報)。賃貸住宅管理業法・サブリース新法・国土交通省ガイドラインの出題範囲分析に基づき、オリジナル問題と段差のある3段階の解説を作成しています。

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