賃管士
法令の確認日 2026年9月13日e-Govと照合済み

賃管士 民法 問49|賃貸人死亡時の相続による地位承継

問題

賃管士 | 民法 | 令和8年度(2026年度)試験対応・数値確認日 2026-10-12

賃貸人(オーナー)が死亡した場合の賃貸借関係に関する次のア〜オの記述のうち、誤っているものはどれか。

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答え合わせ

正解は エ
  • ア
  • イ
  • ウ
  • エ
  • オ

自信の3択

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解説

正答はエです。

相続放棄を行った相続人は「相続開始時に遡って(さかのぼって)相続人でなかった」ものとみなされます(民法939条)。つまり相続放棄した人は「相続前から賃貸人の地位を取得した」という状況はありえず、エの記述は誤りです。

相続放棄をすると、相続開始時点から相続人でないとみなされるため、賃料の請求権もありません。

アからウは正しい記述です。複数の相続人がいる場合(ウ)の問題は実務上重要で、賃料をどの相続人の口座に支払うかの調整が必要になります。

賃貸人死亡時の法律関係の整理:

項目内容
賃貸借の継続賃貸人の死亡で賃貸借は終了しない(相続人が承継)
地位の承継民法896条「相続人は、相続開始の時から、被相続人の財産に属した一切の権利義務を承継する」
共同相続の場合賃貸人の地位を相続人全員が共同承継→実務上の調整が必要
相続放棄939条「相続の放棄をした者は、その相続に関しては、初めから相続人とならなかったものとみなす」
相続放棄の期限相続開始を知った時から3ヶ月以内(民法915条)

各選択肢の整理:

  • ア(正): 民法896条の通り。相続人が賃貸人の地位を承継。
  • イ(正): 賃貸人の死亡は賃貸借終了事由ではない。相続人が継続。
  • ウ(正): 共同相続の場合、全員が共同で賃貸人の地位を持つため、実務的には「代表相続人」を決めて対応することが多い。
  • エ(誤): 相続放棄した者は相続開始時に遡って相続人でないとみなされる(939条)ため、「相続前から地位を取得した」という状態はありえない。また放棄後に賃料請求する権限もない。
  • オ(正): 管理会社の実務上の義務(オーナー死亡時の速やかな相続人確認・連絡)。

【賃貸人死亡時の管理実務—相続手続きとの調整・管理の継続性の問題】

オーナー(賃貸人)が死亡した場合、管理会社は以下の複数の問題に対応する必要があります。

問題1:賃料の支払先の問題(共同相続):

相続人が複数いる場合、賃料は「相続人全員に対して支払うべき」という法律上の状態になります。ただし「全員の口座に分割して振り込む」のは現実的ではないため、以下の対応が一般的です:

  • 遺産分割協議が完了するまでの間:相続人の代表者を指定してもらい、代表者口座に振り込む
  • 相続人全員の合意書または代表者選任の書面を取得
  • 遺産分割協議書完成後:確定した相続人(または法人等)名義の口座へ変更

問題2:管理受託契約の継続性:

管理受託契約は「オーナーと管理会社の間の契約」です。オーナーが死亡した場合、契約の当事者が消滅したことになりますが:

  • 管理受託契約のうち委任(準委任)の性質を持つ部分は、委任者の死亡によって終了するのが民法の原則(653条1号)
  • ただし契約で「委任者の死亡後も存続する」旨を定めていれば、その定めに従う(相続人が契約上の地位を引き継ぐ)

実務的な対応:

  • 相続人が確定したら相続人との間で新たな管理受託契約を締結(または旧契約の継続確認)
  • 相続人との間で管理方針・費用等を改めて確認

問題3:相続人不存在の場合(遺産が国庫帰属となるケース):

相続人が全員相続放棄した場合や、もともと相続人がいない場合、不動産は「相続財産法人」となり最終的には国庫に帰属します(民法959条)。

この期間の管理問題:

  • 相続財産の清算は、家庭裁判所が利害関係人又は検察官の請求により選任する「相続財産清算人」が行う(952条。2023年4月施行の改正前の名称は「相続財産管理人」)
  • 管理会社は「管理受託契約の相手方が相続財産清算人(弁護士等)になる」という状況に直面する可能性

問題4:孤独死・遺体発見後の対応:

オーナーが賃借物件内で孤独死した場合(オーナーが建物の一部に居住しているケースも含む)や、賃借人が孤独死した場合は別の問題が生じます。

管理会社が行う対応の手順:

1. 警察・行政への連絡(孤独死の場合は変死として取り扱われる場合が多い)

2. 遺族・相続人の特定

3. 残置物(遺品)の取り扱い(国交省モデル契約条項の活用)

4. 特殊清掃の手配(必要に応じて)

5. 心理的瑕疵(次の入居者への告知義務)の判断

賃管士として「オーナー死亡・賃借人死亡」いずれの場面でも、法律・実務両面での対応方針を理解し、緊急時に適切に行動できることが専門家としての価値です。

根拠: 民法653条・896条・915条・939条・951条・952条(e-Gov 法令検索)、国交省「残置物の処理等に関するモデル契約条項」(2021年6月)。確認日2026-06-10。

この問題の根拠条番号はe-Govの本文と機械で照合しています(2026-09-13)。照合の方法
訂正の記録この問題の訂正はありません(サイト全体の記録)
出典と作り方

本問は合格ナビが作成したオリジナル問題です(本試験問題の転載ではありません)。 根拠・出典:根拠: 民法896条・915条・938条(e-Gov 法令検索) 試験範囲の根拠: 賃貸住宅管理業法施行規則第19条第1号/賃貸不動産経営管理士協議会公表 本問は賃貸不動産経営管理士試験の出題範囲に基づきgoukaku-navi.jpが独自に作成したオリジナル演習問題です(協議会発行の本試験問題の転載ではありません)。 確認日: 2026-06-10 各根拠条文は「e-Gov法令検索」(https://elaws.e-gov.go.jp/)で原文を確認できます。令和8年度(2026年度)試験基準日時点で施行されている法令の数値を反映(数値確認日 2026-10-12)。

本問・解説は試験対策のための学習コンテンツです。法令・通達・ガイドラインは改正されることがあるため、最新の内容は一般社団法人 賃貸不動産経営管理士協議会・国土交通省の公式情報をご確認ください。本サイトは協議会と一切関係ありません。

執筆・監修:合格ナビ運営事務局(運営者情報)。賃貸住宅管理業法・サブリース新法・国土交通省ガイドラインの出題範囲分析に基づき、オリジナル問題と段差のある3段階の解説を作成しています。

この問題の関連トピック

  • 賃貸人死亡時の相続による地位承継(民法896条
  • 頻出度B

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