民法48民法(賃貸人の地位移転・相続)

賃管士 民法 問48:民法(賃貸人の地位移転・相続)

令和8年度(2026年度)試験対応・数値確認日 2026-06-10

オーナーチェンジ後の必要費・有益費の請求に関する次のア〜オの記述のうち、**正しいもの**はどれか。

  • オーナーチェンジ前に賃借人が支出した必要費は、旧オーナーと新オーナーの双方に請求できる。
  • オーナーチェンジ前に賃借人が支出した必要費は、旧オーナーに請求すべきであり、新オーナーへの請求はできない。
  • オーナーチェンジ後に賃借人が必要費を支出した場合、賃借人は新オーナーに対して直ちに請求することができる。正答
  • オーナーチェンジ前に賃借人が支出した有益費は、旧オーナーが変わっているため全額返還を免れる。
  • 必要費・有益費の請求権は、賃貸借終了後に行使できる権利であり、賃貸借継続中は行使できない。
正答:オーナーチェンジ後に賃借人が必要費を支出した場合、賃借人は新オーナーに対して直ちに請求することができる。

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正答はウです。

民法608条1項は「賃借人が必要費を支出したときは、直ちに賃貸人に請求できる」と規定しています。オーナーチェンジ後に賃借人が支出した必要費であれば、その時点の賃貸人(新オーナー)に対して直ちに請求できます。

オーナーチェンジ前の費用(イ)については、旧オーナーへの請求が原則ですが、605条の2第4項により賃貸人の地位が移転した場合には、費用の償還に関する債務も新オーナーに承継されます(ただし実務上の取り扱いは複雑)。

オは誤りで、必要費は「直ちに」請求できます(賃貸借終了まで待つ必要はありません)。

標準試験対策の基準レベル

必要費・有益費の請求時期の整理(608条):

| 費用の種類 | 請求できる時期 | 根拠 |

|---|---|---|

| 必要費 | 直ちに(支出後すぐに賃貸人に請求可能) | 608条1項 |

| 有益費 | 賃貸借終了時(現存する増加価値があれば) | 608条2項 |

オーナーチェンジと費用請求の関係(605条の2第4項の影響):

605条の2第4項:「賃貸人たる地位の移転があったときは、その移転とともに、敷金の返還に係る債務及び第608条の規定による費用の償還に係る債務は、新たな賃貸人に承継される」

→ オーナーチェンジ前に生じていた費用の償還債務も新オーナーに承継されることが条文上明示

各選択肢の整理:

  • ア(誤): 旧・新双方に請求できるわけではない。地位移転で新オーナーに承継される。
  • イ(誤): 605条の2第4項により費用償還債務も新オーナーに承継。「新オーナーへの請求はできない」は誤り。
  • ウ(正): 608条1項の通り。新オーナーへ直ちに請求可能。
  • エ(誤): 有益費の返還義務も605条の2第4項で新オーナーに承継される。「免れる」は誤り。
  • オ(誤): 必要費は「直ちに」請求可能(賃貸借終了まで待たなくてよい)。
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【オーナーチェンジ時の費用精算の実務—旧・新オーナー間の取り決めの重要性】

605条の2第4項は「費用の償還債務も新オーナーに承継される」ことを明確にしましたが、実務上は旧・新オーナー間での「費用の引継ぎ調整」が売買時点での重要な課題です。

費用引継ぎの実務的問題:

パターン1:オーナーチェンジ前に賃借人が必要費を支出し、旧オーナーにまだ請求していない場合

  • 法律上:費用償還債務は新オーナーに承継(605条の2第4項)
  • 実務上:旧オーナーと新オーナーの売買契約で「未精算の費用償還債務」を明確にし、価格調整等を行う

パターン2:有益費がオーナーチェンジ前から発生している場合

  • 有益費の返還は賃貸借終了時(608条2項)だが、その時点の賃貸人(新オーナー)が義務を承継
  • 旧オーナーが有益費増加分の価値を享受して売却した可能性→売買価格への反映が適切

管理会社の役割(費用の「見える化」):

管理会社が管理受託中に把握している「未精算の費用」を売買前に正確に旧・新オーナーに報告することが、トラブル防止の最重要手段です。

報告すべき事項の例:

  • 賃借人から申請があった修繕費用の未精算分
  • 過去に賃借人が支出した必要費・有益費で未返済のもの(あれば)
  • 賃借人との紛争・未解決の請求(保証金の問題等)

「管理会社が知っていた情報を新オーナーに開示しなかった」ことが後のトラブルになるケースがあります。管理受託業務における「管理物件の状態の正確な開示」は、賃貸住宅管理業法の善管注意義務(業法の精神)からも要求される重要義務です。

必要費の「直ちに請求できる」の意味(実務応用):

賃借人が緊急修繕(例:給水管破裂→業者を自分で手配)をした場合、608条1項により修繕費用を「直ちに」賃貸人に請求できます。

「直ちに」とは「修繕完了後すぐに請求できる(賃貸借終了を待たずに)」という意味です。ただし「直ちに支払わなければならない」という絶対的な即時払い義務が賃貸人に生じるかは、費用の合理性(適切な業者・相当な費用か)が前提です。

管理会社が緊急修繕の場合の「発注承認フロー(○万円以下は管理会社が独断で発注可)」を管理受託契約に明記しておくことで、このような問題を事前に整理できます。

根拠: 民法605条の2第4項・608条(e-Gov 法令検索)、令和2年4月施行民法改正。確認日2026-06-10。

出典・根拠について

本問は合格ナビが作成したオリジナル問題です(本試験問題の転載ではありません)。 根拠・出典:根拠: 民法605条の2・608条(e-Gov 法令検索) 試験範囲の根拠: 賃貸住宅管理業法第64条/賃貸不動産経営管理士協議会公表 本問は賃貸不動産経営管理士試験の出題範囲に基づきgoukaku-navi.jpが独自に作成したオリジナル演習問題です(協議会発行の本試験問題の転載ではありません)。 確認日: 2026-06-10 各根拠条文は「e-Gov法令検索」(https://elaws.e-gov.go.jp/)で原文を確認できます。令和8年度(2026年度)試験基準日時点で施行されている法令の数値を反映(数値確認日 2026-06-10)。

本問・解説は試験対策のための学習コンテンツです。法令・通達・ガイドラインは改正されることがあるため、最新の内容は一般社団法人 賃貸不動産経営管理士協議会・国土交通省の公式情報をご確認ください。本サイトは協議会と一切関係ありません。

執筆・監修:Zawa Lab(合格ナビ運営者情報) / 賃貸住宅管理業法・サブリース新法・国土交通省ガイドラインの出題範囲分析に基づきオリジナル問題と段差性のあるAI解説を作成しています。

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