電験三種
法令の確認日 2026年9月13日e-Govと照合済み

電験三種 機械 問21電動機応用

問題

電験三種 | 機械 | 令和8年度(2026年度)試験対応・数値確認日 2026-10-29

次の文章は,スイッチトリラクタンスモータ(SRM)に関する記述である。 一般に,SRM の構造は,固定子の巻線が (ア) ,回転子の形状が (イ) となっている。固定子の巻線に流す電流をスイッチで切り替えると,(イ) の回転子が,固定子の磁極に引き付けられて回転する。 このモータは,回転子の構造が簡単で強固であるため,(ウ) に適している。また,ネオジムなどの (エ) を使用せず,鉄心と巻線のみで磁気回路を構成できる特長を有する。 上記の記述中の空白箇所(ア)~(エ)に当てはまる組合せとして,正しいものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。

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答え合わせ

正解は 3
  • 1
  • 2
  • 3
  • 4
  • 5

自信の3択

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解説

電験三種「機械」の「電動機応用」からの出題(令和7年度上期 問7)。スイッチトリラクタンスモータ(SRM)の構造と特長を問う穴埋め問題で、正答は(3)です。

SRM は、固定子の突き出た磁極にそれぞれ巻線を巻いた(ア)集中巻で、回転子は歯車のように凸凹のある(イ)突極形の鉄心です。電流を流す磁極を順に切り替えると、回転子の突極が引き付けられて回ります。

回転子には巻線も磁石もない鉄心だけの簡単で丈夫な構造なので(ウ)高速回転に向き、ネオジムなどの(エ)希土類磁石を使いません。よって正答は(3)です。

【各空白の検討】

(ア) 集中巻:SRM の固定子は突極形の磁極をもち、各磁極に巻線を集中して巻く。分布巻は、巻線を多数のスロットに分散して配置する方式で、誘導電動機や同期機の固定子に用いられる。

(イ) 突極形:回転子は鉄心に凸部(突極)を設けた形。電流を流した固定子の磁極に、磁気抵抗(リラクタンス)が小さくなる位置へ回転子の突極が引き付けられることでトルクが生じる。円筒形の回転子では位置によって磁気抵抗が変わらないので、このしくみのトルクは生じない。

(ウ) 高速回転:回転子は鉄心だけでできており、巻線や磁石がないので遠心力に強く、高速回転に適している。

(エ) 希土類磁石:ネオジム磁石は希土類(レアアース)を使った永久磁石。SRM は永久磁石を使わず、鉄心と巻線だけで磁気回路を作る。軟磁性体は鉄心の材料そのものであり、「使用せず」に当たらない。

【選択肢の絞り込み】

(ア)集中巻・(イ)突極形なのは(3)と(5)。(ウ)が高速回転、(エ)が希土類磁石なのは(3)です。

・(1):(イ)円筒形、(ウ)低速回転、(エ)軟磁性体が誤り。

・(2):(ア)分布巻、(ウ)低速回転が誤り。

・(4):(ア)分布巻、(イ)円筒形が誤り。

・(5):(ウ)低速回転、(エ)軟磁性体が誤り。

【リラクタンストルクのしくみ】

鉄心の突極は、磁束が通りやすい(磁気抵抗が小さい)部分です。固定子のある磁極の巻線に電流を流すと、磁束は磁気抵抗が最も小さくなる経路を通ろうとし、回転子の突極が固定子の磁極と向かい合う位置へ引き寄せられます。このトルクをリラクタンストルクといいます。突極が向かい合う前に次の相の巻線に電流を切り替えていくと、回転子は連続して回ります。電流の向きではなく「どの巻線に流すか」の切替えでトルクが決まるので、巻線の電流は一方向でよく、駆動回路の構成も比較的簡単になります。

【なぜ突極形・集中巻なのか】

リラクタンストルクは、回転子の位置によって磁気抵抗が変わることで生まれます。円筒形の回転子では、どの位置でも磁気抵抗が同じなので回転させる力が生じません。そのため回転子は突極形でなければなりません。固定子も突極形の磁極を持ち、それぞれに巻線を巻いた集中巻の構造になります。同じく突極形の回転子をもつステッピングモータの可変リラクタンス形と、原理は共通しています。

【回転子が丈夫であることの意味】

誘導電動機のかご形回転子には導体、永久磁石形同期電動機の回転子には磁石が組み込まれており、高速回転では遠心力による導体や磁石の保持が問題になります。SRM の回転子は積層鉄心だけなので、この問題が小さく、高速回転に適しています。また、回転子で電流が流れないので回転子の銅損がなく、温度上昇にも強い構造です。

【希土類磁石を使わない利点】

ネオジム磁石などの希土類磁石は、原料の調達や価格が変動しやすい材料です。SRM は鉄心と巻線だけで磁気回路を作れるので、こうした材料に依存しない電動機として注目されています。選択肢の「軟磁性体」は、電磁鋼板のように磁化されやすく残留磁気が小さい材料のことで、SRM の鉄心そのものに使われるため、「使用せず」の対象にはなりません。

【関連する出題】

電験三種の機械では、SRM のほか、永久磁石同期電動機、ブラシレス DC モータ、ステッピングモータなど、各種電動機の構造・原理・特長を問う穴埋めや正誤の問題が出題されています。「回転子に何があるか(導体・磁石・鉄心のみ)」と「トルクの源(誘導・磁石・リラクタンス)」の2点で整理しておくと、見分けやすくなります。

この問題の根拠出典:令和7年度上期 第三種電気主任技術者試験 機械(一般財団法人 電気技術者試験センター)
訂正の記録この問題の訂正はありません(サイト全体の記録)
出典と作り方

本問は電気技術者試験センター公表の過去問題を出典明記の上で引用しています。同センターは公式サイトの「よくあるご質問」で、教育目的など試験制度の意義に反しない限り、公表された過去問題を問題集やテキストに使用する際の許諾および使用料は不要としています。 根拠・出典:出典:令和7年度上期 第三種電気主任技術者試験 機械(一般財団法人 電気技術者試験センター) 各根拠条文・規定は「e-Gov法令検索」(https://elaws.e-gov.go.jp/)で原文を確認できます。令和8年度(2026年度)試験基準日時点で施行されている法令・基準の数値を反映(数値確認日 2026-10-29)。

本問・解説は試験対策のための学習コンテンツです。法令・基準は改正されることがあるため、最新の内容は一般財団法人 電気技術者試験センター・経済産業省の公式情報をご確認ください。本サイトは電気技術者試験センターと一切関係ありません。

執筆・監修:合格ナビ運営事務局(運営者情報)。電気事業法・電気工事士法・電気用品安全法・電気設備技術基準・内線規程の根拠条文に基づき、段差のある3段階の解説(初心者・標準・上級)を作成しています。