電験三種 理論 問10:電磁気学(磁気回路)
(令和8年度(2026年度)試験対応・数値確認日 2026-06-14)
図のように,点O を中心とするそれぞれ半径0.5 m と半径1 m の円形導線の 4 1 と,それらを連結する直線状の導線からなる扇形導線がある。この導線に,図 に示す向きに直流電流I 16 A を流した場合,点O における磁界の大きさH の値 [A/m]として,最も近いものを次のうちから一つ選べ。
- 10.25
- 20.5
- 30.75
- 41.0
- 52.0正答
AI解説(初心者・標準・上級)
理解度に合わせて3レベルの解説を無料で読めます。根拠(電気事業法・電気工事士法・電気工事業法・電気用品安全法・電気設備技術基準)も明記。
円形電流の中心での磁界は,完全な円形電流ではH=I/(2r) [A/m]です。本問は半径r₁=0.5 mと半径r₂=1 mの1/4円(扇形)と,それを連結する直線部分からなります。直線部分は点Oに向かう方向のため,点Oへの磁界への寄与はゼロ(dI×r̂=0)です。内側1/4円(r₁=0.5m)の磁界:H₁=(1/4)×16/(2×0.5)=4 A/m。外側1/4円(r₂=1m)の磁界:H₂=(1/4)×16/(2×1)=2 A/m。電流の向きに応じて両者が逆向きになる場合,H=H₁-H₂=4-2=2 A/m。正答は(5)2.0 A/mです。
扇形導線の中心点における磁界計算(ビオ・サバールの法則)です。
【円形電流の中心磁界】
半径r,電流Iの全周円形電流:H=I/(2r) [A/m]
1/4円(90°)の場合:H=(1/4)×I/(2r)=I/(8r)
【各部分の磁界計算】
電流I=16 A
内側1/4円(r₁=0.5m):H₁=(1/4)×16/(2×0.5)=16/(4×1)=4 A/m
外側1/4円(r₂=1m):H₂=(1/4)×16/(2×1)=16/(4×2)=2 A/m
直線部分:点Oへ向かう放射方向→ビオ・サバール積分でdI×r̂=0→点Oの磁界に寄与なし
【向きの判定(右ねじの法則)】
電流の流れる方向が内円と外円で逆向きになるため,磁界の向きが逆:
H合成=|H₁-H₂|=|4-2|=2 A/m → 選択肢(5)
ビオ・サバールの法則による任意形状導体の磁界計算は電験三種「理論」の静磁界問題の基礎です。
【ビオ・サバールの法則(微分形)】
dH=(I/4π)×(dI×r̂)/r² [A/m]
電流素片dI,観測点までの距離r,単位ベクトルr̂
【よく使う積分結果】
・無限直線電流から距離aの点:H=I/(2πa)
・半径rの全周円形電流の中心:H=I/(2r)
・N巻ソレノイド(単位長あたりn巻)内部:H=nI
【アンペールの法則との使い分け】
高対称性(直線,円筒,ソレノイド,トロイド)→アンペールの法則(簡単)
任意形状(本問の扇形等)→ビオ・サバールの法則(積分)
【電験二種・実務への接続】
電験二種では,有限長直線電流の磁界,矩形コイルの自己インダクタンス計算(ビオ・サバールの積分)が出題されます。実務では,大電流母線のレイアウト設計(バスバー間の磁界と電磁力),変圧器巻線の漏れ磁束計算,電磁妨害(EMC)設計に応用されます。
【磁気回路の発展的内容(電験二種レベル)】
①磁気回路のオームの法則:起磁力F=NI [A],磁気抵抗Rm=l/(μ₀μrA) [H⁻¹],磁束Φ=F/Rm [Wb]
②磁気回路の直列・並列合成:直列:Rm_total=ΣRmi,並列:1/Rm_total=Σ(1/Rmi)
③ヒステリシス曲線(B-H特性):残留磁束密度Br,保磁力Hc,鉄損=ヒステリシス損+渦電流損
④電磁力:F=BIl [N](長さlの導体,磁束密度B,電流I),F=μ₀I₁I₂l/(2πd) [N](平行導体間)
【実務での磁気回路知識の応用】
・変圧器設計・保守:鉄心の磁束密度(B=1.5〜1.8 T),励磁電流,鉄損(ヒステリシス+渦電流)の計算
・電動機・発電機の磁気設計:エアギャップ磁束密度,アンペア回数(起磁力)設計
・遮断器のアーク消弧:電磁アーク消弧(磁界でアークをのばして冷却),SF₆消弧
・磁気遮蔽:強磁性体(電磁鋼板)で外部磁界を吸収して内部機器を保護
・誘導加熱(IH):渦電流損を利用したヒーター,表皮効果による加熱深度δ=√(ρ/(πfμ))
電気主任技術者として,変圧器の励磁突入電流(磁気飽和),電動機の磁気騒音など磁気的現象の管理が必須です。
本問は電気技術者試験センター公表の過去問題を出典明記の上で引用しています(公式FAQで教育目的の許諾不要・使用料不要を明示容認・GREEN判定)。 根拠・出典:出典:令和7年度上期 第三種電気主任技術者試験 理論(一般財団法人 電気技術者試験センター) 各根拠条文・規定は「e-Gov法令検索」(https://elaws.e-gov.go.jp/)で原文を確認できます。令和8年度(2026年度)試験基準日時点で施行されている法令・基準の数値を反映(数値確認日 2026-06-14)。
本問・解説は試験対策のための学習コンテンツです。法令・基準は改正されることがあるため、最新の内容は一般財団法人 電気技術者試験センター・経済産業省の公式情報をご確認ください。本サイトは電気技術者試験センターと一切関係ありません。
執筆・監修:Zawa Lab(合格ナビ運営者情報) / 電気事業法・電気工事士法・電気用品安全法・電気設備技術基準・内線規程の根拠条文に基づき段差性のあるAI解説(初心者・標準・上級)を作成しています。