電験三種 理論 問11:電磁気学(磁気回路)
(令和8年度(2026年度)試験対応・数値確認日 2026-06-14)
巻数1 000 のコイルに直流電流0.2 A を流したとき, 4 6 10 Wb の磁束を発 生した。この場合,コイルの自己インダクタンス[H]の値として,最も近いもの を次のうちから一つ選べ。
- 11
- 22
- 33正答
- 44
- 55
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自己インダクタンスはL=NΦ/I [H](N:巻数,Φ:磁束,I:電流)で定義されます。N=1000巻,Φ=6×10⁻⁴ Wb,I=0.2 Aを代入します。L=1000×6×10⁻⁴/0.2=0.6/0.2=3 H。正答は(3)3 Hです。インダクタンスは「電流1 Aで生じる鎖交磁束数NΦ」を表し,電流変化に対してe=−L(di/dt) [V]の起電力が発生します。
自己インダクタンスの定義式による計算です。
【基本公式】
鎖交磁束数:λ=NΦ [Wb]
自己インダクタンス:L=λ/I=NΦ/I [H]
誘導起電力:e=−L(di/dt)=−N(dΦ/dt) [V]
【計算】
N=1000,Φ=6×10⁻⁴ Wb,I=0.2 A
L=NΦ/I=1000×6×10⁻⁴/0.2=0.6/0.2=3 H → 選択肢(3)
【選択肢の検討】
(1)1H,(2)2H:N×Φを正しく計算できていない
(3)3H:正答
(4)4H,(5)5H:根拠のない整数
【インダクタンスの物理的意味】
L=3 Hは「電流1 Aで鎖交磁束数3 Wbが生じる」ことを意味します。
di/dt=1 A/sの電流変化に対してe=3 Vの誘導起電力が発生します。
自己インダクタンスと磁気回路の関係は電験三種「理論」電磁誘導の基礎です。
【磁気回路とインダクタンス】
磁気抵抗:Rm=l/(μ₀μrA) [H⁻¹](l:磁路長,A:断面積,μr:比透磁率)
磁束:Φ=NI/Rm [Wb]
インダクタンス:L=NΦ/I=N²/Rm [H]
本問:L=3H → Rm=N²/L=10⁶/3≒3.33×10⁵ H⁻¹
【相互インダクタンスと変圧器原理】
相互インダクタンスM=k√(L₁L₂)(k:結合係数,0≤k≤1)
変圧器:k≒1(密結合),理想変圧器:N₁/N₂=V₁/V₂=I₂/I₁
【電験二種・実務への接続】
電験二種「電力」では,送電線の自己インダクタンス計算(GMD/GMR法),三相対称座標法でのL計算が重要です。実務では,変圧器の短絡インピーダンス測定(漏れインダクタンス評価),大電流母線のインダクタンスによる電圧降下計算,電力フィルタのインダクタ設計に応用されます。
【磁気回路の発展的内容(電験二種レベル)】
①磁気回路のオームの法則:起磁力F=NI [A],磁気抵抗Rm=l/(μ₀μrA) [H⁻¹],磁束Φ=F/Rm [Wb]
②磁気回路の直列・並列合成:直列:Rm_total=ΣRmi,並列:1/Rm_total=Σ(1/Rmi)
③ヒステリシス曲線(B-H特性):残留磁束密度Br,保磁力Hc,鉄損=ヒステリシス損+渦電流損
④電磁力:F=BIl [N](長さlの導体,磁束密度B,電流I),F=μ₀I₁I₂l/(2πd) [N](平行導体間)
【実務での磁気回路知識の応用】
・変圧器設計・保守:鉄心の磁束密度(B=1.5〜1.8 T),励磁電流,鉄損(ヒステリシス+渦電流)の計算
・電動機・発電機の磁気設計:エアギャップ磁束密度,アンペア回数(起磁力)設計
・遮断器のアーク消弧:電磁アーク消弧(磁界でアークをのばして冷却),SF₆消弧
・磁気遮蔽:強磁性体(電磁鋼板)で外部磁界を吸収して内部機器を保護
・誘導加熱(IH):渦電流損を利用したヒーター,表皮効果による加熱深度δ=√(ρ/(πfμ))
電気主任技術者として,変圧器の励磁突入電流(磁気飽和),電動機の磁気騒音など磁気的現象の管理が必須です。
本問は電気技術者試験センター公表の過去問題を出典明記の上で引用しています(公式FAQで教育目的の許諾不要・使用料不要を明示容認・GREEN判定)。 根拠・出典:出典:令和7年度上期 第三種電気主任技術者試験 理論(一般財団法人 電気技術者試験センター) 各根拠条文・規定は「e-Gov法令検索」(https://elaws.e-gov.go.jp/)で原文を確認できます。令和8年度(2026年度)試験基準日時点で施行されている法令・基準の数値を反映(数値確認日 2026-06-14)。
本問・解説は試験対策のための学習コンテンツです。法令・基準は改正されることがあるため、最新の内容は一般財団法人 電気技術者試験センター・経済産業省の公式情報をご確認ください。本サイトは電気技術者試験センターと一切関係ありません。
執筆・監修:Zawa Lab(合格ナビ運営者情報) / 電気事業法・電気工事士法・電気用品安全法・電気設備技術基準・内線規程の根拠条文に基づき段差性のあるAI解説(初心者・標準・上級)を作成しています。