問題
図のように,真空中の3 m 離れた2 点A,B にそれぞれ3×10⁻⁷ C の正の点電荷がある。A 点とB 点とを結ぶ線分上のA 点から1 m 離れたP 点にQ [C]の正の点電荷を置いたとき,その点電荷にB 点の方向に5×10⁻³ N の力が働いた。この点電荷Q の値[C]として,最も近いものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。 ただし,真空中の誘電率をε₀=8.85×10⁻¹² F/m とする。
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答え合わせ
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- 2
- 3
- 4
- 5
自信の3択
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解説
クーロンの法則F=9×10⁹×Q₁Q₂/r² [N]を使います。P点(Aから1m,Bから2m)での合力を求めます。A電荷(3×10⁻⁷ C)からPへの斥力:FpA=9×10⁹×3×10⁻⁷×Q/1²=2700Q [N](PをAから押しのけるのでB向き)。B電荷(3×10⁻⁷ C)からPへの斥力:FpB=9×10⁹×3×10⁻⁷×Q/2²=675Q [N](A向き)。Bの方向に5×10⁻³ Nの合力:FpA−FpB=2700Q−675Q=2025Q=5×10⁻³ N → Q≒2.47×10⁻⁶≒2.5×10⁻⁶ C。正答は(3)です。
クーロンの法則による点電荷間の力の合成です。
【クーロンの法則(真空中)】
F=Q₁Q₂/(4πε₀r²)=9×10⁹×Q₁Q₂/r² [N]
方向:同符号→反発,異符号→引力
【P点での力のベクトル計算】
・A電荷QA=3×10⁻⁷ C(P点から1 m。斥力でPをAから遠ざける=B向き)
FpA=9×10⁹×3×10⁻⁷×Q/1²=2700Q(B向き)
・B電荷QB=3×10⁻⁷ C(P点から2 m。斥力でPをBから遠ざける=A向き)
FpB=9×10⁹×3×10⁻⁷×Q/4=675Q(A向き)
B方向の合力:FpA−FpB=2700Q−675Q=2025Q(B向き)
※P点はA-B線上,Aに近いためFpAが大きく,A→B向きに合力が発生
2025Q=5×10⁻³
Q=5×10⁻³/2025≒2.47×10⁻⁶≒2.5×10⁻⁶ C → 選択肢(3)
クーロンの法則と電界の重ね合わせは電験三種「理論」静電界の基礎です。
【ガウスの法則との関係】
点電荷Q [C]の周囲の電界:E=Q/(4πε₀r²) [V/m]
ガウスの法則:∮E·dA=Q_enc/ε₀(閉曲面を貫く電束=内部電荷/ε₀)
高対称性(球状,柱状)での電界計算にガウスの法則が効率的
【電界の重ね合わせ】
複数の点電荷による電界:E=Σ(Qi/(4πε₀ri²))r̂i(ベクトル和)
本問のように線分上の点では,各電荷からの力が一直線上→スカラー加減算で解ける
【電験二種への接続】
電験二種では,連続電荷分布(線電荷λ,面電荷σ,体電荷ρ)による電界計算,グリーン関数法,鏡像法(接地平面近傍の電荷)が出題されます。実務では,高圧架空電線のコロナ放電開始電界,GISのSF₆ガス絶縁設計,電力ケーブルの絶縁体内部電界分布計算に同じ原理が使われます。
【電磁気・回路理論の統合的理解(電験二種レベル)】
電磁気理論と回路理論は,マクスウェルの方程式によって統一的に記述されます。
①マクスウェルの方程式(積分形):
∮E·dl=-dΦB/dt(ファラデー法則),∮H·dl=I+dΦD/dt(アンペール・マクスウェル法則)
∮D·dA=Q_enc(ガウス法則),∮B·dA=0(磁束の連続性)
②回路素子とマクスウェル方程式の対応:R(オームの法則:J=σE),C(ガウス法則),L(ファラデー法則)
③電磁波(電磁場の波):√(με)×光速=1,平面波のインピーダンスη=√(μ/ε) [Ω]
【実務での電磁気・回路理論の応用】
・系統インピーダンス計算:短絡電流Ik=V/(√3×Z),%インピーダンス法による計算
・電磁両立性(EMC):設備が発生する電磁妨害(EMI)とイミュニティ(EMS)の管理,JIS C 61000シリーズ
・大電流設備の電磁力設計:母線の電磁力(F=μ₀I₁I₂l/(2πd)),地絡事故時の異常電磁力による母線変形防止
・高周波設備(インバータ,スイッチング電源):スイッチングサージ電圧,EMI対策(フィルタ,シールド)
・接地システム設計:接地インピーダンス(抵抗+インダクタンス),高周波接地の表皮効果
電気主任技術者の業務では,電磁環境管理(EMC),接地設計,高調波対策がますます重要になっています。
- 定期監査問題文の電荷・力の値(3×10⁻⁷ C など)と選択肢の指数が崩れていたため、公式の問題どおりに直しました。解説で力の向きを逆に書いていた箇所も直しました(正答は変更なし)。
出典と作り方
本問は電気技術者試験センター公表の過去問題を出典明記の上で引用しています。同センターは公式サイトの「よくあるご質問」で、教育目的など試験制度の意義に反しない限り、公表された過去問題を問題集やテキストに使用する際の許諾および使用料は不要としています。 根拠・出典:出典:令和7年度下期 第三種電気主任技術者試験 理論(一般財団法人 電気技術者試験センター) 各根拠条文・規定は「e-Gov法令検索」(https://elaws.e-gov.go.jp/)で原文を確認できます。令和8年度(2026年度)試験基準日時点で施行されている法令・基準の数値を反映(数値確認日 2026-10-29)。
本問・解説は試験対策のための学習コンテンツです。法令・基準は改正されることがあるため、最新の内容は一般財団法人 電気技術者試験センター・経済産業省の公式情報をご確認ください。本サイトは電気技術者試験センターと一切関係ありません。
執筆・監修:合格ナビ運営事務局(運営者情報)。電気事業法・電気工事士法・電気用品安全法・電気設備技術基準・内線規程の根拠条文に基づき、段差のある3段階の解説(初心者・標準・上級)を作成しています。


