問題
図はあるエミッタ接地トランジスタの静特性を示す。この特性より,ベース電流IB=40 μA,コレクタ・エミッタ間の電圧VCE=6 V における電流増幅率hfe (又はβ)の値及び出力インピーダンス1/hoe (又はr0)の値[Ω]の組合せとして,正しいものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。
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答え合わせ
- 1
- 2
- 3
- 4
- 5
自信の3択
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解説
エミッタ接地トランジスタの静特性グラフから電流増幅率hfe(またはβ)と出力インピーダンス1/hoe(またはro)を読み取る問題です。hfe=ΔIC/ΔIBを動作点(IB=40μA,VCE=6V)の周辺で静特性グラフから読み取ります。hfeはVCE=6V付近での特性曲線の間隔(ΔIC)をΔIBで割って求めます。グラフの読み取りから,hfe≒100,ro≒10000Ωが得られます。正答は(2)「100,10000」です。
エミッタ接地トランジスタの静特性からhパラメータを読み取る問題です。
【h(ハイブリッド)パラメータの定義】
hfe(電流増幅率):hfe=ΔIC/ΔIB(VCEを一定に保った時)
1/hoe(出力インピーダンスro):ro=ΔVCE/ΔIC(IBを一定に保った時)
【静特性グラフからの読み取り手順】
①動作点:IB=40μA,VCE=6V
②hfeの読み取り:VCE=6V上で,ΔIB(例:40μA→60μA)に対するΔICを読む
IB=40μA→IC=4 mA,IB=60μA→IC=6 mA(グラフの読み)
hfe=ΔIC/ΔIB=2×10⁻³/(20×10⁻⁶)=100
③1/hoe(ro)の読み取り:IB=40μAの曲線はVCE=2Vで約3.6 mA,VCE=10Vで約4.4 mA
ro=ΔVCE/ΔIC=8/(0.8×10⁻³)=10000Ω
正答(2):hfe=100,ro=10000Ω
トランジスタの静特性とhパラメータは電験三種「理論」電子回路の実践的論点です。
【バイポーラトランジスタのhパラメータ等価回路】
hie(入力インピーダンス)≒hfe×rbe(rbe:ベースエミッタ間小信号抵抗≒VT/IB,VT≒26mV at 300K)
hfe(電流増幅率):50〜500程度(トランジスタ種類による)
hoe(出力コンダクタンス):1/ro,roは数十kΩ〜数MΩ
hre(電圧帰還率):≈10⁻⁴,通常無視可
【エミッタ接地増幅器の基本特性】
電圧増幅度:Av≒-gm×RC(gmは相互コンダクタンス=IC/VT)
入力インピーダンス:Zin≒hie(数百Ω〜数kΩ)
出力インピーダンス:Zout≒RC//ro
【電験二種への接続】
電験二種ではオペアンプ(演算増幅器)を中心とした回路解析,NFB(負帰還)増幅器の安定性解析,サンプリング定理に基づくA-D/D-A変換が出題されます。実務では,保護リレー回路や計装機器のアナログ回路設計,PLC(プログラマブルロジックコントローラ)の入力インタフェース回路に増幅回路の知識が役立ちます。
【交流回路の発展的内容(電験二種レベル)】
電験二種「理論」では,交流回路の問題が格段に高度化します。
①複素電力と電力三角形:S=P+jQ=VI*(VI の複素共役)。|S|=VI [VA],P=Re[S]=VIcosφ [W],Q=Im[S]=VIsinφ [var]。
②対称三相交流:線間電圧VL=√3×相電圧VP,線電流IL=相電流(Y接続),3相電力P=√3×VL×IL×cosφ。
③三相不平衡回路:対称座標法(正相・逆相・零相成分)による解析。不平衡係数で系統品質を評価。
④フーリエ級数展開:非正弦波電圧・電流を基本波と高調波の和に分解。実効値I²=I₁²+I₂²+I₃²+···。
【実務での交流回路知識の応用】
電気主任技術者として日常的に接する業務:
・力率改善コンデンサの容量計算(tanφ₁からtanφ₂への改善に必要なQc=P(tanφ₁-tanφ₂))
・変圧器の電圧変動率計算(δ=p·cosφ+q·sinφ,p:抵抗分,q:リアクタンス分)
・電動機始動電流(全電圧始動は定格電流の5〜8倍,スターデルタ始動で1/3に低減)
・保護リレー整定計算(OCR,GRの動作電流・時間整定,CTの飽和判定)
・高調波による機器への悪影響(変圧器鉄損増大,コンデンサ過電流,系統電圧ひずみ)
これらはすべて交流回路の基礎知識の上に成立する実務技術です。
- 定期監査問題文の記号と単位(IB=40 μA など)が抜けていたため、公式の問題どおりに補い、解説にグラフの読み方を補いました(正答は変更なし)。
出典と作り方
本問は電気技術者試験センター公表の過去問題を出典明記の上で引用しています。同センターは公式サイトの「よくあるご質問」で、教育目的など試験制度の意義に反しない限り、公表された過去問題を問題集やテキストに使用する際の許諾および使用料は不要としています。 根拠・出典:出典:令和7年度上期 第三種電気主任技術者試験 理論(一般財団法人 電気技術者試験センター) 各根拠条文・規定は「e-Gov法令検索」(https://elaws.e-gov.go.jp/)で原文を確認できます。令和8年度(2026年度)試験基準日時点で施行されている法令・基準の数値を反映(数値確認日 2026-10-29)。
本問・解説は試験対策のための学習コンテンツです。法令・基準は改正されることがあるため、最新の内容は一般財団法人 電気技術者試験センター・経済産業省の公式情報をご確認ください。本サイトは電気技術者試験センターと一切関係ありません。
執筆・監修:合格ナビ運営事務局(運営者情報)。電気事業法・電気工事士法・電気用品安全法・電気設備技術基準・内線規程の根拠条文に基づき、段差のある3段階の解説(初心者・標準・上級)を作成しています。


