理論16電磁気・回路理論

電験三種 理論 問16:電磁気・回路理論

令和8年度(2026年度)試験対応・数値確認日 2026-06-14

真空中において,図のように電極板の間隔が6 mm,電極板の面積が十分広 い平行平板電極があり,電極K,P 間には2 000 V の直流電圧が加えられてい る。このとき,電極K,P 間の電界の強さは約 (ア) V/m である。電極K を ヒータで加熱すると表面から (イ) が放出される。ある1 個の電子に着目し てその初速度を零とすれば,電子が電極P に達したときの運動エネルギーW は (ウ) J となる。 ただし,電極K,P 間の電界は一様とし,電気素量 19 1.6 10 C e とする。 上記の記述中の空白箇所(ア)~(ウ)に当てはまる語句又は数値の組合せとして,正 しいものを次のうちから一つ選べ。

  • 12 3.3 10 光電子 16 1.6 10
  • 25 3.3 10 熱電子 16 1.6 10
  • 32 3.3 10 光電子 16 3.2 10
  • 42 3.3 10 熱電子 16 1.6 10
  • 55 3.3 10 熱電子 16 3.2 10正答
正答:55 3.3 10 熱電子 16 3.2 10

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平行板電極(間隔6mm,電圧2000V)の問題です。(ア)電界の強さ:E=V/d=2000/(6×10⁻³)=2000/0.006≒3.3×10⁵ V/m。(イ)電極KをヒータPで加熱すると「熱電子」が放出されます(熱電子放出=リチャードソン効果)。(ウ)電子が電極Pに達したときの運動エネルギー:W=eV=1.6×10⁻¹⁹×2000=3.2×10⁻¹⁶ J。よって(ア)=3.3×10⁵,(イ)=熱電子,(ウ)=3.2×10⁻¹⁶ Jの組合せは選択肢(5)です。正答は(5)です。

標準試験対策の基準レベル

平行板電極中の電子の運動に関する空欄補充問題です。

【各空欄の計算・解説】

(ア)電界の強さ:

E=V/d=2000 V/(6×10⁻³ m)=2000/0.006=3.33×10⁵ V/m≒3.3×10⁵ V/m

(イ)電極Kをヒータで加熱すると放出される粒子:

「熱電子放出」(リチャードソン効果・エジソン効果)→「熱電子」が放出される

(光電子放出は光による,光電効果とは異なる)

(ウ)電子が電極Pに達したときの運動エネルギー:

エネルギー保存:W=eV=1.6×10⁻¹⁹ C×2000 V=3.2×10⁻¹⁶ J

正答(5):(ア)3.3×10⁵,(イ)熱電子,(ウ)3.2×10⁻¹⁶ J

誤り(4)は電子加速距離の計算,(1)は電界値が1桁違い。

上級誤答論破・根拠規定・実務応用まで深掘り

熱電子放出と電子加速の原理は電験三種「理論」電子回路・電磁気の接点に位置する論点です。

【熱電子放出(リチャードソン効果)】

仕事関数φ[eV]以上の熱エネルギーを持つ電子が金属表面から放出される

放出電流密度:J=AT²exp(−φ/kT)(A:リチャードソン定数,T:絶対温度,k:ボルツマン定数)

金属の仕事関数:W約4.5 eV,タングステン4.5 eV,酸化バリウム1.0 eV(電子管陰極材料)

【電子の速度と運動エネルギー】

2000 Vで加速した電子の速度:

W=(1/2)mv²=eV → v=√(2eV/m)=√(2×1.6×10⁻¹⁹×2000/(9.11×10⁻³¹))≒2.65×10⁷ m/s(光速の約9%)

【電験二種・実務への接続】

電験二種では,電子管(真空管)は出題されにくいですが,電子ビーム加工,X線管,電子顕微鏡の原理が偶に出ます。実務では,電子線を使う設備(X線CT装置,電子線溶接機)の高電圧設計・絶縁設計,電子線ステリライザーの保守に電子の加速原理が必要です。

【電磁気・回路理論の統合的理解(電験二種レベル)】

電磁気理論と回路理論は,マクスウェルの方程式によって統一的に記述されます。

①マクスウェルの方程式(積分形):

∮E·dl=-dΦB/dt(ファラデー法則),∮H·dl=I+dΦD/dt(アンペール・マクスウェル法則)

∮D·dA=Q_enc(ガウス法則),∮B·dA=0(磁束の連続性)

②回路素子とマクスウェル方程式の対応:R(オームの法則:J=σE),C(ガウス法則),L(ファラデー法則)

③電磁波(電磁場の波):√(με)×光速=1,平面波のインピーダンスη=√(μ/ε) [Ω]

【実務での電磁気・回路理論の応用】

・系統インピーダンス計算:短絡電流Ik=V/(√3×Z),%インピーダンス法による計算

・電磁両立性(EMC):設備が発生する電磁妨害(EMI)とイミュニティ(EMS)の管理,JIS C 61000シリーズ

・大電流設備の電磁力設計:母線の電磁力(F=μ₀I₁I₂l/(2πd)),地絡事故時の異常電磁力による母線変形防止

・高周波設備(インバータ,スイッチング電源):スイッチングサージ電圧,EMI対策(フィルタ,シールド)

・接地システム設計:接地インピーダンス(抵抗+インダクタンス),高周波接地の表皮効果

電気主任技術者の業務では,電磁環境管理(EMC),接地設計,高調波対策がますます重要になっています。

出典・根拠について

本問は電気技術者試験センター公表の過去問題を出典明記の上で引用しています(公式FAQで教育目的の許諾不要・使用料不要を明示容認・GREEN判定)。 根拠・出典:出典:令和7年度下期 第三種電気主任技術者試験 理論(一般財団法人 電気技術者試験センター) 各根拠条文・規定は「e-Gov法令検索」(https://elaws.e-gov.go.jp/)で原文を確認できます。令和8年度(2026年度)試験基準日時点で施行されている法令・基準の数値を反映(数値確認日 2026-06-14)。

本問・解説は試験対策のための学習コンテンツです。法令・基準は改正されることがあるため、最新の内容は一般財団法人 電気技術者試験センター・経済産業省の公式情報をご確認ください。本サイトは電気技術者試験センターと一切関係ありません。

執筆・監修:Zawa Lab(合格ナビ運営者情報) / 電気事業法・電気工事士法・電気用品安全法・電気設備技術基準・内線規程の根拠条文に基づき段差性のあるAI解説(初心者・標準・上級)を作成しています。

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