電験三種 理論 問17:電磁気学(磁気回路)
(令和8年度(2026年度)試験対応・数値確認日 2026-06-14)
次の文章は,図1 及び図2 に示す原理図を用いてホール素子の動作原理につ いて述べたものである。 図1 に示すように,p 形半導体に直流電流I [A]を流し,半導体の表面に対して 垂直に下から上向きに磁束密度B [T]の平等磁界を半導体に加えると,半導体内 の正孔は進路を曲げられ,電極①には (ア) 電荷,電極②には (イ) 電荷が 分布し,半導体の内部に電界が生じる。また,図2 のn 形半導体の場合は,電界 の向きはp 形半導体の場合と (ウ) である。この電界により,電極①-②間に ホール電圧 H V [V]が発生し,それは直流電流I [A]にほぼ (エ) する。 上記の記述中の空白箇所(ア)~(エ)に当てはまる組合せとして,正しいものを次 の
- 1負 正 同じ 反比例
- 2正 負 同じ 反比例
- 3負 正 同じ 比例
- 4正 負 反対 比例正答
- 5負 正 反対 比例
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ホール素子の動作原理の空欄補充問題です。p形半導体に電流I,上向き磁束密度B(下から上)を加えると,ローレンツ力により正孔は(ア)正電荷側に曲げられます。フレミングの左手の法則(電流の向き,磁界の向き,力の向き)を適用すると,正孔は一方の電極①に集まり正電荷が分布します。電極②には負電荷が分布します。n形半導体(電子が多数キャリア)では,電子が受けるローレンツ力の向きが逆になるため,電界の向きはp形と(ウ)反対になります。ホール電圧はVH∝電流Iに比例します((エ)比例)。正答は(4)「正,負,反対,比例」です。
ホール素子の動作原理の空欄補充問題です。
【ホール効果のメカニズム】
p形半導体に電流I(左→右)を流し,下から上向きにB [T]の磁界を加えると:
正孔の速度方向:左→右(電流と同向き)
ローレンツ力の向き:F=qv×B(右手ルール)→ 正孔が一方の電極へ偏向
【各空欄の答え】
(ア):正孔が集まる電極→正電荷(電極①に正電荷が蓄積)
(イ):反対側の電極②→負電荷
(ウ):n形半導体では電子が多数キャリア,電子は負電荷なので力の向きが逆→電界の向きは「反対」
(エ):VH=RH×IB/d(RH:ホール係数),電流Iに「比例」
正答(4):正,負,反対,比例
誤り選択肢(1)(2)(3)(5)はどれかの空欄が間違い。
ホール効果は電験三種「理論」電磁気学の応用論点で,電験二種では定量的な計算が求められます。
【ホール係数と磁束密度の測定】
ホール電圧:VH=RH×IB/d [V](RH:ホール係数=1/(ne),n:キャリア密度,e:素電荷,d:厚さ)
RH>0:p形(正孔支配),RH<0:n形(電子支配)
ホール素子による磁束密度測定:B=VH×d/(RH×I)
【ホール素子の応用】
・磁束密度計(ガウスメータ):電力機器のギャップ磁界測定
・電力計(乗算器):VH∝I×B→電圧×電流の積に比例した出力→電力測定
・位置センサ(ブラシレスDCモータの回転子位置検出)
【電験二種・実務への接続】
電験二種では,半導体(真性・n形・p形)のキャリア濃度とホール係数の計算,ドリフト電流とホール電流の関係が出題されます。実務では,電力系統の電流センサ(CTの代替として零相電流検出),電動機のインバータ制御(位置センサ)にホール素子が多用されます。
【磁気回路の発展的内容(電験二種レベル)】
①磁気回路のオームの法則:起磁力F=NI [A],磁気抵抗Rm=l/(μ₀μrA) [H⁻¹],磁束Φ=F/Rm [Wb]
②磁気回路の直列・並列合成:直列:Rm_total=ΣRmi,並列:1/Rm_total=Σ(1/Rmi)
③ヒステリシス曲線(B-H特性):残留磁束密度Br,保磁力Hc,鉄損=ヒステリシス損+渦電流損
④電磁力:F=BIl [N](長さlの導体,磁束密度B,電流I),F=μ₀I₁I₂l/(2πd) [N](平行導体間)
【実務での磁気回路知識の応用】
・変圧器設計・保守:鉄心の磁束密度(B=1.5〜1.8 T),励磁電流,鉄損(ヒステリシス+渦電流)の計算
・電動機・発電機の磁気設計:エアギャップ磁束密度,アンペア回数(起磁力)設計
・遮断器のアーク消弧:電磁アーク消弧(磁界でアークをのばして冷却),SF₆消弧
・磁気遮蔽:強磁性体(電磁鋼板)で外部磁界を吸収して内部機器を保護
・誘導加熱(IH):渦電流損を利用したヒーター,表皮効果による加熱深度δ=√(ρ/(πfμ))
電気主任技術者として,変圧器の励磁突入電流(磁気飽和),電動機の磁気騒音など磁気的現象の管理が必須です。
本問は電気技術者試験センター公表の過去問題を出典明記の上で引用しています(公式FAQで教育目的の許諾不要・使用料不要を明示容認・GREEN判定)。 根拠・出典:出典:令和7年度下期 第三種電気主任技術者試験 理論(一般財団法人 電気技術者試験センター) 各根拠条文・規定は「e-Gov法令検索」(https://elaws.e-gov.go.jp/)で原文を確認できます。令和8年度(2026年度)試験基準日時点で施行されている法令・基準の数値を反映(数値確認日 2026-06-14)。
本問・解説は試験対策のための学習コンテンツです。法令・基準は改正されることがあるため、最新の内容は一般財団法人 電気技術者試験センター・経済産業省の公式情報をご確認ください。本サイトは電気技術者試験センターと一切関係ありません。
執筆・監修:Zawa Lab(合格ナビ運営者情報) / 電気事業法・電気工事士法・電気用品安全法・電気設備技術基準・内線規程の根拠条文に基づき段差性のあるAI解説(初心者・標準・上級)を作成しています。