電験三種
法令の確認日 2026年9月13日e-Govと照合済み

電験三種 令和7年度上期 理論 問3|電磁誘導・インダクタンス

問題

電験三種 | 理論 | 令和8年度(2026年度)試験対応・数値確認日 2026-10-29

図のように,環状鉄心に二つのコイルが巻かれている。コイル1の巻数はNであり,その自己インダクタンスはL[H]である。コイル2の巻数はnであり,その自己インダクタンスは9L[H]である。巻数nの値を表す式として,正しいものを次のうちから一つ選べ。 ただし,鉄心は均一で一定断面積をもち,コイル及び鉄心の漏れ磁束はなく,鉄心の磁気飽和もないものとする。

問題の図(出典: 令和7年度上期 第三種電気主任技術者試験 理論 問3/電気技術者試験センター)

図の出典:令和7年度上期 第三種電気主任技術者試験 理論 問3

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正解は 3
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  • 2
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解説

環状鉄心に巻かれた二つのコイルの関係問題です。コイル1:巻数N,自己インダクタンスL [H]。コイル2:巻数n,自己インダクタンス9L [H]。自己インダクタンスは L=N²/Rm(Rm:鉄心の磁気抵抗)で,巻数の2乗に比例します。二つのコイルは同じ鉄心に巻かれているのでRmが共通です。したがって L₂/L₁=(n/N)² となり,9L/L=9=(n/N)² から n/N=3,n=3N です。「Lが9倍だから巻数も9倍」と考えると(4)を選んでしまうので注意します。正答は(3)3Nです。

環状鉄心の磁気回路でのインダクタンスと巻数の関係問題です。

【インダクタンスと巻数の関係】

L=N²/Rm [H](Rm:磁気回路の磁気抵抗)

同一の環状鉄心(Rmが同じ)なので:

L₁=N²/Rm,L₂=n²/Rm

【比率から巻数を決定】

L₂/L₁=(n²/Rm)/(N²/Rm)=n²/N²=9L/L=9

n²/N²=9

n/N=3(巻数は正の値なので)

n=3N → 選択肢(3)

【確認】

コイル2のインダクタンス:(3N)²/Rm=9N²/Rm=9L ✓

誤り選択肢:

(1)N/9:n²/N²=1/81 ≠ 9(誤り)

(2)N/3:n²/N²=1/9 ≠ 9(誤り)

(4)9N:n²/N²=81 ≠ 9(誤り)

(5)81N:n²/N²=6561 ≠ 9(誤り)

インダクタンスと巻数の二乗則は変圧器・インダクタ設計の基礎です。

【インダクタンスの定義と磁気回路】

L=NΦ/I=N²/Rm [H](Rm=l/(μ₀μrA))

巻数Nを2倍→L=4倍(N²に比例),3倍→9倍

【変圧器の巻数比と電圧・電流変換】

理想変圧器:N₁/N₂=V₁/V₂=I₂/I₁

インダクタンス比:L₁/L₂=(N₁/N₂)²=a²(aは変圧比)

本問ではa=N/n=1/3,L₁/L₂=L/(9L)=1/9=a²

【相互インダクタンス】

M=k√(L₁L₂)(kは結合係数)

本問は「漏れ磁束はない」ので k=1:M=√(L×9L)=3L

誘導起電力:e₂=−M(dI₁/dt)

【電験二種・実務への接続】

電験二種では,変圧器のT型等価回路(励磁インダクタンス,漏れインダクタンス),巻数比による電圧・電流・インピーダンス変換,鉄損・銅損の計算,変圧器の効率が出題されます。実務では,受変電設備の変圧器タップ選定(電圧調整),変圧器の並行運転条件(巻数比,インピーダンス電圧の整合),老朽変圧器の絶縁診断が電気主任技術者の重要業務です。

【ただし書きの意味】

・「鉄心は均一で一定断面積」:磁気抵抗Rm=l/(μA)が二つのコイルで共通になる条件です。

・「漏れ磁束はない」:コイル1・2が同じ磁束を共有するので,両方とも同じRmでL=N²/Rmが使えます。

・「磁気飽和もない」:μが一定でRmが電流によって変わらない条件です。飽和するとLは電流で変わり,L∝N²の比例が使えなくなります。

【誤りの選択肢が作られる型】

(4)9N:「Lが9倍だから巻数も9倍」とL∝Nと誤解した形です。(5)81N:L∝N²を逆にn=N×9²と計算した形です。(1)(2)は比を逆にした形で,巻数を減らすとLは小さくなるので9Lにはなりません。

【数値例】

N=100回,L=0.2 Hのコイル1と同じ鉄心にn=300回巻くと,L₂=0.2×(300/100)²=1.8 H=9L。このとき鉄心の磁気抵抗はRm=N²/L=100²/0.2=5×10⁴ H⁻¹です。

この問題の根拠出典:令和7年度上期 第三種電気主任技術者試験 理論(一般財団法人 電気技術者試験センター)
訂正の記録この問題の訂正はありません(サイト全体の記録)
出典と作り方

本問は電気技術者試験センター公表の過去問題を出典明記の上で引用しています。同センターは公式サイトの「よくあるご質問」で、教育目的など試験制度の意義に反しない限り、公表された過去問題を問題集やテキストに使用する際の許諾および使用料は不要としています。 根拠・出典:出典:令和7年度上期 第三種電気主任技術者試験 理論(一般財団法人 電気技術者試験センター) 各根拠条文・規定は「e-Gov法令検索」(https://elaws.e-gov.go.jp/)で原文を確認できます。令和8年度(2026年度)試験基準日時点で施行されている法令・基準の数値を反映(数値確認日 2026-10-29)。

本問・解説は試験対策のための学習コンテンツです。法令・基準は改正されることがあるため、最新の内容は一般財団法人 電気技術者試験センター・経済産業省の公式情報をご確認ください。本サイトは電気技術者試験センターと一切関係ありません。

執筆・監修:合格ナビ運営事務局(運営者情報)。電気事業法・電気工事士法・電気用品安全法・電気設備技術基準・内線規程の根拠条文に基づき、段差のある3段階の解説(初心者・標準・上級)を作成しています。