第二種電工
法令の確認日 2026年9月13日e-Govと照合済み

第二種電工 令和4年度上期午後 問15|電気の基礎理論

問題

第二種電工 | 電気の基礎理論 | 令和8年度(2026年度)試験対応・数値確認日 2026-06-12

力率の最も良い電気機械器具は。

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正解は ア
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解説

力率は「実際に電力を消費する割合」を表す指標。電気トースター(ア)は純粋な発熱体(電熱線)で抵抗負荷だから力率=1.0=100%が理想値で、他の選択肢より優秀。電気洗濯機(イ)はモータが入っていて遅れ力率0.7〜0.85程度、電気冷蔵庫(ウ)も圧縮機モータで力率0.6〜0.8程度。抵抗負荷(電熱器・電気こたつ・電気トースター・電気ヒータ・電気給湯器)が力率最良で、モータを使う家電は力率が落ちる。よって正答ア。

家電機器の力率比較問題。各機器の負荷特性と力率の関係を理解する。

【正答ア:電気トースター(力率1.0=最良)】

ニクロム線などの電熱体は純抵抗負荷。交流回路でも電流と電圧が同位相のため、cosφ=1(100%)。電気こたつ・電気ストーブ・電気ヒータ・電気給湯器も同様の純抵抗負荷。

【選択肢イ:電気洗濯機(力率0.7〜0.85)】

洗濯機は誘導電動機で回転駆動。電動機はコイル巻線によりインダクタンス成分を持つRL負荷。軽負荷時0.5、定格負荷時0.85程度。

【選択肢ウ:電気冷蔵庫(力率0.6〜0.8)】

圧縮機(コンプレッサ)として誘導電動機を使用。間欠運転で平均力率は0.7前後。最新インバータ冷蔵庫は0.9以上に改善。

【一般則】

①純抵抗負荷(電熱器類):cosφ=1.0

②誘導性負荷(電動機・蛍光灯・変圧器):cosφ=0.5〜0.85

③容量性負荷(コンデンサ):cosφ進相、絶対値1未満

力率が低いほど無効電流が増え、電線損失(I²R)が増大。電気事業法では力率85%を基準に基本料金割引/割増。LED照明・インバータ家電は力率0.95以上で省エネ。

家電機器の力率比較は、電気の基礎理論で交流回路の理解を問う実用的論点。各機器の負荷特性と力率の物理的根拠を理解する。

【主要家電の力率一覧】

機器負荷種別典型力率備考
電気トースター純抵抗1.0電熱線
電気こたつ純抵抗1.0電熱線
電気ストーブ純抵抗1.0電熱線・ハロゲン
電気ヒータ純抵抗1.0電熱線
電気給湯器純抵抗1.0電熱線
電気洗濯機RL(モータ)0.7〜0.85誘導電動機
電気冷蔵庫RL(モータ)0.6〜0.8コンプレッサ
電気掃除機RL(モータ)0.7〜0.85ユニバーサルモータ
蛍光灯(磁気安定器)RL0.5〜0.6安定器のインダクタンス
蛍光灯(高力率型)補正RL0.85〜0.95コンデンサ内蔵
LED照明整流回路0.5〜0.95回路設計次第
エアコン(インバータ)整流+PWM0.95〜0.99力率改善回路内蔵

【力率の物理的根拠】

①純抵抗負荷(電熱体):

電流と電圧が完全に同位相、無効電力Q=0、全電力が熱に変換。

cosφ=1.0

②RL負荷(誘導電動機):

コイル巻線のインダクタンスにより電流が電圧から90°遅れる成分を持つ。

電流は電圧より位相が遅れ、遅れ力率となる。

等価回路:R(巻線抵抗・出力換算)+ X_L(漏れリアクタンス・励磁リアクタンス)

③整流負荷(電子機器):

ダイオード整流回路は基本波の力率は良好だが、高調波(3次、5次、7次…)を発生。

力率は基本波力率cosφ_1×ひずみ率λ=PF(総合力率)。

【誘導電動機の力率特性】

軽負荷時:cosφ=0.3〜0.5(励磁電流が占める割合大)

半負荷時:cosφ=0.7〜0.8

定格負荷時:cosφ=0.85〜0.92

過負荷時:cosφ↓(電流増加で巻線抵抗損失増)

【蛍光灯の力率】

①低力率型(磁気安定器のみ):cosφ=0.5〜0.6

20W蛍光灯:S=40VA、P=20W、Q=34var、cosφ=0.5

②高力率型(コンデンサ内蔵):cosφ=0.85〜0.95

ラピッドスタート型でコンデンサ並列接続で改善

③インバータ蛍光灯(Hf):cosφ=0.95以上、高効率

④LED照明:力率改善回路(PFC)次第で0.5〜0.99

【力率改善の実務】

①家庭用負荷:

個別機器単位での改善は不要。多数のインバータ家電の普及で全体力率0.9以上が一般的。

②業務用・工場:

誘導電動機の力率改善は必須。各電動機にコンデンサ並列接続、または受電点に集中設置(自動力率制御装置)。

③電気事業法上の割引/割増:

低圧電力契約:力率85%基準、±1%で基本料金±1%変動

高圧電力契約:力率85%基準、力率95%以上で5%割引、85%未満で5%割増

【力率の電気事業上の意義】

①送配電損失の削減:

力率0.6→0.95に改善で電流2/3、損失(I²R)4/9に削減。発電所〜需要家までの全段で効率向上。

②変圧器容量の有効活用:

皮相電力S=P/cosφ。力率が低いと、同じ有効電力Pに対し変圧器が大容量必要。

例:100kW負荷で力率0.6→S=167kVA、力率0.9→S=111kVA、変圧器を1ランク小型化可能。

③発電設備の効率:

発電機は皮相電力で容量決定。需要側力率改善で発電機の有効電力出力余力が増える。

④電力品質:

無効電流が大きいと電圧変動が大きくなり、機器の動作不安定や寿命短縮の原因。

【関連法令・規格】

①電気事業法施行規則:契約電力の力率算定(85%基準)

②JIS C 4034:誘導電動機の定格力率

③JIS C 8108:蛍光灯安定器の力率規格

④JIS C 9335:家庭電気機器の安全性・効率規定

【類問パターン】

①最も力率が悪い機器:誘導電動機(蛍光灯磁気安定器)

②最も力率が良い機器:電熱器(純抵抗)

③同じ消費電力で電流が大きい機器:力率の悪い機器

④同じ電圧で消費電力が小さい機器:力率の悪い機器

【電験三種への接続】

電験三種「機械」では誘導電動機の等価回路と力率特性、「電力管理」では受電設備の力率管理と進相コンデンサ容量計算が頻出。第二種で家電機器の力率分類を理解しておくことが、実務・上位資格への基礎。最近はインバータ・LED普及で家庭の総合力率が改善傾向、HEMS(家庭エネルギー管理システム)でリアルタイム力率監視も可能に。

この問題の根拠条番号はe-Govの本文と機械で照合しています(2026-09-13)。照合の方法
訂正の記録この問題の訂正はありません(サイト全体の記録)
出典と作り方

本問は一般財団法人 電気技術者試験センターが公表した過去の試験問題です(同センターの公式FAQにより教育目的での利用は許諾・使用料不要。図・写真も同センターの公表問題から掲載)。解説は合格ナビが作成しています。 根拠・出典:出典:令和4年度上期(午後) 第二種電気工事士 学科試験 問15(一般財団法人 電気技術者試験センター) 各根拠条文・規定は「e-Gov法令検索」(https://elaws.e-gov.go.jp/)で原文を確認できます。令和8年度(2026年度)試験基準日時点で施行されている法令・基準の数値を反映(数値確認日 2026-06-12)。

本問・解説は試験対策のための学習コンテンツです。法令・基準は改正されることがあるため、最新の内容は一般財団法人 電気技術者試験センター・経済産業省の公式情報をご確認ください。本サイトは電気技術者試験センターと一切関係ありません。

執筆・監修:合格ナビ運営事務局(運営者情報)。電気事業法・電気工事士法・電気用品安全法・電気設備技術基準・内線規程の出題範囲分析に基づき、段差のある3段階の解説を作成しています。