問題
マンション管理組合が滞納管理費を回収するための手続きの流れとして、最も適切なものはどれか。
キーボード:1〜4で選択
答え合わせ
- ア
- イ
- ウ
- エ
自信の3択
えらぶと、この端末に記録します(登録はいりません)
解説
滞納回収は「段階的に手を打つ」のが基本です。①まず電話・書面で「払ってください」と連絡、②それでもダメなら内容証明郵便(時効を一時停止)、③次に法的手続き(支払督促・訴訟)で債務名義を取る、④最後に強制執行(差押え・競売)、⑤全て尽くしても回収不能なら貸倒処理。選択肢アがこの段階的フローを正確に説明しています。正答はアです。
滞納管理費回収の標準フローを整理します。第1段階(任意回収):電話・書面による督促→内容証明郵便(催告・時効完成猶予6か月)。第2段階(法的手続き・債務名義取得):支払督促(簡易裁判所の裁判所書記官が発する)または少額訴訟(訴訟の目的の価額60万円以下)または通常訴訟→確定→時効の更新(確定した権利の時効期間は10年:民法169条1項)。第3段階(強制執行等):給与差押え・預金口座差押え、区分所有法7条の先取特権の実行(担保不動産競売。債務名義は不要)→回収。第4段階:これらによっても回収できない場合に区分所有法59条の競売請求を検討(集会の決議に基づき訴えをもって請求。決議は区分所有者の過半数であって議決権の過半数を有する者が出席し、出席者及びその議決権の各4分の3以上:59条2項・58条2項)→それでも不能→貸倒処理(引当金取崩し+貸倒損失)。この流れは標準管理規約別添3のフローチャートに沿っています。選択肢イは手順が逆(競売→督促)で誤りです。選択肢ウは59条の競売請求には集会の決議が必要なので誤りです。選択肢エは管理費回収は管理組合の権利・義務であり管理会社が全額補填する義務はありません。
滞納管理費回収の総合的な戦略と管理業務主任者の役割を整理します。予防的対応(滞納発生前):①管理費等の口座振替の設定促進(申込率向上で未払い防止)、②新入居者への管理費等の支払い義務・滞納時の措置の説明徹底(重要事項説明での明確化)、③管理規約に遅延損害金の利率(標準管理規約60条2項は「年利○%」と空欄で、各管理組合が定める)と、違約金としての弁護士費用等並びに督促及び徴収の諸費用の請求を明記。早期発見・早期対応(1〜3か月滞納):毎月の収支報告書で未収管理費の残高・増減をチェック→滞納者リストの作成と個別対応方針の決定(管理会社との連携)。中期回収(3〜12か月滞納):内容証明→支払督促・少額訴訟→仮執行宣言→給与差押え。長期滞納(1年超):通常訴訟→確定判決→不動産先取特権実行(専有部分競売)→区分所有法59条競売(特別決議)の検討。財務処理(不能確定後):引当金取崩し・貸倒損失計上・総会での説明。管業試験ではこの総合フロー(任意回収→法的手続き→強制執行→貸倒処理)の各段階の手続き名称・要件・効果(時効更新か完成猶予か)を一連の流れとして理解することが最重要論点です。各手続きが本問でのベストアンサーである理由を説明できるレベルまで理解を深めることで、実際の管理現場での意思決定能力につながります。
- 建物の区分所有等に関する法律第59条・第7条e-Govで原文を読む
- 民法第169条e-Govで原文を読む
出典と作り方
本問は合格ナビが作成したオリジナル問題です(本試験問題の転載ではありません)。 根拠・出典:出典:マンション管理業協会公表の出題範囲(管理業務主任者試験)を参照した合格ナビ独自作成 各根拠条文は「e-Gov法令検索」(https://elaws.e-gov.go.jp/)で原文を確認できます。令和8年度(2026年度)試験基準日時点で施行されている法令の数値を反映(数値確認日 2026-10-12)。
本問・解説は試験対策のための学習コンテンツです。法令・通達・ガイドラインは改正されることがあるため、最新の内容は一般社団法人 マンション管理業協会・国土交通省の公式情報をご確認ください。本サイトは協会と一切関係ありません。
執筆・監修:合格ナビ運営事務局(運営者情報)。マンション管理適正化法・区分所有法・標準管理委託契約書・国土交通省ガイドラインの出題範囲分析に基づき、オリジナル問題と段差のある3段階の解説を作成しています。

