問題
マンション管理に関連する事務管理(民法697条以下)に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。
キーボード:1〜4で選択
答え合わせ
- ア
- イ
- ウ
- エ
自信の3択
えらぶと、この端末に記録します(登録はいりません)
解説
義務なく他人のために事務の管理を始めることを事務管理といいます(民法697条1項)。管理者が本人のために有益な費用を支出したときは、本人に対し、その償還を請求することができます(702条1項)。Aの不在中にBがAのために漏水の止水・修繕をした場合、BはAに費用の償還を請求できます。よって正答はイです。
民法697条1項は「義務なく他人のために事務の管理を始めた者(以下この章において「管理者」という。)は、その事務の性質に従い、最も本人の利益に適合する方法によって、その事務の管理(以下「事務管理」という。)をしなければならない」と定め、702条1項は「管理者は、本人のために有益な費用を支出したときは、本人に対し、その償還を請求することができる」と定めています。イは正しい記述です。アは誤りです。事務管理は「義務なく」他人のために事務を管理するもので、本人の事前の承諾(委任等)がある場合はむしろ事務管理ではありません。ウは誤りです。管理者は、本人又はその相続人若しくは法定代理人が管理をすることができるに至るまで事務管理を継続しなければならず(700条本文)、支出済みの有益な費用の償還請求権が放棄によって当然に消えるという規定もありません。エは誤りです。管理組合の役員は総会の決議で選任されて職務を行う者で、義務なく他人の事務を管理する事務管理には当たりません(標準管理規約37条1項は、役員が法令・規約・総会及び理事会の決議に従い誠実に職務を遂行するとしています)。正答はイです。
事務管理(民法697条〜702条)の要件は、①他人の事務を管理すること、②法律上の義務がないこと、③他人のためにする意思があること、④本人の意思・利益に反することが明らかでないこと、とされています。管理者の義務として、事務の性質に従い最も本人の利益に適合する方法で管理し(697条1項)、本人の意思を知っているとき又は推知できるときはその意思に従い(697条2項)、本人等が管理できるに至るまで事務管理を継続しなければなりません(700条本文。継続が本人の意思に反し又は本人に不利であることが明らかなときを除く)。本人の身体、名誉又は財産に対する急迫の危害を免れさせるために事務管理をしたときは、悪意又は重大な過失があるのでなければ、これによって生じた損害を賠償する責任を負いません(698条:緊急事務管理)。費用については、本人のために有益な費用を支出したときは本人にその償還を請求でき(702条1項)、有益な債務を負担した場合は本人に弁済を請求できます(702条2項で650条2項を準用)。ただし、本人の意思に反して事務管理をしたときは、本人が現に利益を受けている限度においてのみ請求できます(702条3項)。マンションでは、専有部分からの漏水のように放置すると他の住戸や共用部分に被害が広がる場面で問題になります。標準管理規約23条4項は、災害・事故等で緊急に他の者が管理する専有部分への立入り等をしなければ共用部分等又は他の専有部分に重大な影響を与えるおそれがあるときは、理事長が自ら立ち入り保存行為を実施できると定めています。以上から、正答はイです。
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出典と作り方
本問は合格ナビが作成したオリジナル問題です(本試験問題の転載ではありません)。 根拠・出典:出典:マンション管理業協会公表の出題範囲(管理業務主任者試験)を参照した合格ナビ独自作成 各根拠条文は「e-Gov法令検索」(https://elaws.e-gov.go.jp/)で原文を確認できます。令和8年度(2026年度)試験基準日時点で施行されている法令の数値を反映(数値確認日 2026-10-12)。
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執筆・監修:合格ナビ運営事務局(運営者情報)。マンション管理適正化法・区分所有法・標準管理委託契約書・国土交通省ガイドラインの出題範囲分析に基づき、オリジナル問題と段差のある3段階の解説を作成しています。

