問題
大規模修繕工事に先立つ建物診断(劣化診断)及び建築基準法上の定期調査報告制度に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。
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答え合わせ
- ア
- イ
- ウ
- エ
自信の3択
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解説
建築基準法12条は、政令で定める建物や特定行政庁が指定した建物(指定されたマンションなど)の所有者に対して、定期的に建築士などの資格者に建物を調べてもらい、その結果を役所(特定行政庁)に報告することを義務付けています。この報告義務を負うのは「所有者」(所有者と管理者が異なるときは管理者)です。ウが正答です。
建築基準法12条1項は、特定建築物の所有者(所有者と管理者が異なる場合は管理者)に対し、「定期に、一級建築士若しくは二級建築士又は建築物調査員資格者証の交付を受けている者にその状況の調査をさせて、その結果を特定行政庁に報告しなければならない」と定めています。報告義務を負うのは調査を実施した建築士等ではなく所有者(所有者と管理者が異なる場合は管理者)です。ウが正答です。アは大規模修繕の前提として建物診断を義務付ける区分所有法の規定はなく、診断の有無だけで総会決議が当然に無効になるとする根拠もありません。誤り。イは長期修繕計画はあくまで計画であり、総会決議によって内容を見直し、緊急性の高い箇所を前倒しで大規模修繕工事に含めることは実務上可能です。「次期まで含めることができない」という法的制限はありません。誤り。エは「定期」調査報告であり、一度「指摘なし」であっても継続して定期的な調査・報告が必要です。「以後10年間不要」という免除規定はありません。誤り。
建築基準法12条は、特定建築物(不特定多数の者が利用する建物等で政令・特定行政庁の指定によるもの)の安全性を継続的に担保するための制度です。同条1項により、所有者(管理者が別にいる場合は管理者)は、敷地・構造・建築設備について、一級建築士・二級建築士又は建築物調査員資格者証を有する者に調査させ、その結果を特定行政庁に報告する義務を負います。この調査には、敷地・構造の損傷・腐食その他の劣化状況の点検が含まれます(同項)。特定建築設備等(昇降機等)については同条3項が同様の枠組みで、検査を行い所有者が報告する義務を定めています。実務上重要なのは、この定期調査報告制度と、大規模修繕工事の前提として管理組合が任意に実施する「建物診断(劣化診断)」は別の制度であるという点です。定期調査報告は法令上の義務であり報告の主体は所有者(所有者と管理者が異なる場合は管理者)ですが、大規模修繕工事のための詳細な劣化診断(一次診断・二次診断)は区分所有法・建築基準法のいずれにも義務付ける規定がなく、管理組合が長期修繕計画の見直しや工事範囲の確定のために任意に実施するものです。両者の結果は相互に参考情報となり、定期調査報告で指摘された劣化事項は長期修繕計画への反映を検討する材料となりますが、「診断を経ない決議は無効」「指摘なしなら10年間調査不要」といった法的な効果は条文上定められていません。管理組合の実務としては、定期調査報告の結果と長期修繕計画の内容を照合し、報告書に記載された指摘事項を次期修繕計画の検討資料として活用することが望まれます。
- 建築基準法第12条e-Govで原文を読む
- 建物の区分所有等に関する法律e-Govで原文を読む
出典と作り方
本問は合格ナビが作成したオリジナル問題です(本試験問題の転載ではありません)。 根拠・出典:出典:建築基準法12条(e-Gov 法令検索・現行)を参照した合格ナビ独自作成 各根拠条文は「e-Gov法令検索」(https://elaws.e-gov.go.jp/)で原文を確認できます。令和8年度(2026年度)試験基準日時点で施行されている法令の数値を反映(数値確認日 2026-06-11)。
本問・解説は試験対策のための学習コンテンツです。法令・通達・ガイドラインは改正されることがあるため、最新の内容は公益財団法人 マンション管理センター・国土交通省の公式情報をご確認ください。本サイトはセンターと一切関係ありません。
執筆・監修:合格ナビ運営事務局(運営者情報)。マンション管理適正化法・区分所有法・建替え円滑化法・標準管理規約・国土交通省ガイドラインの出題範囲分析に基づき、オリジナル問題と段差のある3段階の解説を作成しています。

