問題
マンション管理組合における管理費等の滞納管理費回収手続きの総合的理解に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。
キーボード:1〜4で選択
答え合わせ
- ア
- イ
- ウ
- エ
自信の3択
えらぶと、この端末に記録します(登録はいりません)
解説
支払督促に対して適法な督促異議の申立てがあると、支払督促の申立ての時に訴えの提起があったものとみなされます(民事訴訟法395条)。改めて訴状を出して訴えを起こし直す必要はありません。これが正答イです。アの催告は6か月の完成猶予にとどまり、それだけで時効は更新されません(民法150条)。ウの先取特権の実行に確定判決は不要です。エの決議から滞納者を除くという規定はありません。
民事訴訟法395条は「適法な督促異議の申立てがあったときは、督促異議に係る請求については、その目的の価額に従い、支払督促の申立ての時に、支払督促を発した裁判所書記官の所属する簡易裁判所又はその所在地を管轄する地方裁判所に訴えの提起があったものとみなす」と定めています。よってイが正答です。アについて、民法150条1項は「催告があったときは、その時から六箇月を経過するまでの間は、時効は、完成しない」と定め、同条2項は完成猶予中の再度の催告に猶予の効力を認めていません。催告だけで時効が更新されることはなく、その間に訴えの提起や支払督促(民法147条1項)などの手続をとる必要があります。ウについて、標準管理規約の別添3は、区分所有法7条の先取特権の実行は債務名義(確定判決等)を取得せずに行えるとしています。エについて、区分所有法59条2項が準用する58条2項は、区分所有者(議決権を有しないものを除く)の過半数の出席と出席者及びその議決権の各4分の3以上を要件としており、当該区分所有者を除いて算定する規定はありません。
滞納管理費の回収は、時効管理と手続の選択を組み合わせて進めます。時効について、現行民法166条1項は、債権者が権利を行使することができることを知った時から5年間、又は権利を行使することができる時から10年間行使しないときに債権は時効によって消滅するとしています。催告は6か月の完成猶予にとどまり(民法150条1項)、裁判上の請求や支払督促は、その事由が終了するまでの間の完成猶予と、確定判決等によって権利が確定したときの時効の新たな進行(更新)をもたらします(147条1項・2項)。手続の選択では、支払督促は債務者が争わない見込みの場合に書面で債務名義を得る方法で、送達から2週間以内に督促異議がなければ仮執行の宣言がされ(民事訴訟法391条1項)、仮執行宣言付き支払督促は債務名義になります(民事執行法22条四号)。督促異議があれば訴えの提起があったものとみなされ(民事訴訟法395条)、通常の訴訟手続で審理されます。訴額60万円以下なら少額訴訟も選択できます(368条1項)。担保の面では、区分所有法7条の先取特権を債務名義なしに実行できますが、登記された抵当権等に劣後します(別添3)。これらでも回収できない場合に、59条の競売請求を検討し、決議は過半数出席・出席者の各4分の3以上で、弁明の機会を与えて行います(59条2項・58条2項・3項)。標準管理規約では、訴訟その他法的措置の追行は理事会の決議により理事長が行い(60条4項)、59条の訴えの提起は総会の特別決議によります(47条3項四号)。以上から、正答はイです。
- 建物の区分所有等に関する法律第7条・第59条e-Govで原文を読む
- 民事訴訟法第395条・第391条e-Govで原文を読む
- 民法第150条・第147条・第166条e-Govで原文を読む
- 民事執行法第22条e-Govで原文を読む
出典と作り方
本問は合格ナビが作成したオリジナル問題です(本試験問題の転載ではありません)。 根拠・出典:出典:マンション管理センター公表の出題範囲(マンション管理士試験)を参照した合格ナビ独自作成 各根拠条文は「e-Gov法令検索」(https://elaws.e-gov.go.jp/)で原文を確認できます。令和8年度(2026年度)試験基準日時点で施行されている法令の数値を反映(数値確認日 2026-06-11)。
本問・解説は試験対策のための学習コンテンツです。法令・通達・ガイドラインは改正されることがあるため、最新の内容は公益財団法人 マンション管理センター・国土交通省の公式情報をご確認ください。本サイトはセンターと一切関係ありません。
執筆・監修:合格ナビ運営事務局(運営者情報)。マンション管理適正化法・区分所有法・建替え円滑化法・標準管理規約・国土交通省ガイドラインの出題範囲分析に基づき、オリジナル問題と段差のある3段階の解説を作成しています。

