マン管 管理組合の運営 問54:管理組合の運営
(令和8年度(2026年度)試験対応・数値確認日 2026-06-11)
マンション管理組合における管理費等の滞納管理費回収手続きの総合的理解に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。
- ア滞納者に対して内容証明郵便を送付した場合、その時点で消滅時効が完成が猶予され、猶予後に訴訟提起をしなくても時効は更新される。
- イ支払督促申立てに対して相手方が異議を申し立てた場合、事件は自動的に通常の民事訴訟に移行し、申立者は改めて訴状を提出する必要はない。正答
- ウ区分所有法7条の先取特権は、建物に備え付けた動産にも及ぶため、専有部分の動産を競売することができるが、この実行に際しては裁判所の確定判決が必要である。
- エ管理費等の長期滞納により区分所有法59条競売が申立てられた場合、競売を決議した集会の4分の3以上の多数決は、当該滞納者を除いた区分所有者の割合で算定される。
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支払督促に対して相手方が異議を申し立てると、自動的に通常訴訟に移行します(民事訴訟法395条)。申立者は改めて訴状を提出し直す必要はなく、そのまま訴訟として継続されます。これが正答イです。アは内容証明による催告の猶予効果は6ヶ月間のみで、その間に訴訟提起等をしないと猶予が切れます。ウは先取特権の実行に確定判決は不要です。エの59条競売の議決は当該滞納者も算入した4分の3以上の多数決です。
民事訴訟法395条は「適法な督促異議の申立てがあったときは、督促異議に係る請求については、その目的の価額に従い、支払督促を発した裁判所又は第386条第2項の規定により移送を受けた地方裁判所に訴えの提起があったものとみなす」と規定しており、異議申立て後は当然に通常訴訟に移行し、申立者が新たな訴状を提出する必要はありません。よってイが正答です。アについて、民法150条の催告(内容証明郵便)による時効の完成猶予は6ヶ月間であり、猶予期間内に訴訟提起・支払督促等の法的手続きを取らなければ猶予が切れ、時効が完成します。催告だけで時効が「更新」されるわけではありません。ウについて、区分所有法7条の先取特権の実行(動産競売)は、民事執行法190条に基づき確定判決なしに行うことができます(先取特権は法定担保物権として判決不要で実行可能)。エについて、区分所有法59条2項は「区分所有者及び議決権の各4分の3以上の多数決」を要求しており、「当該滞納者を除いた」という限定はなく、当該滞納者も算入した総数で算定します(特別利害関係者の議決排除の問題はありますが、法文上は全員が算入される総数基準です)。
滞納管理費回収の総合的手続きは、複数の法的ツールを段階的・並行的に活用する戦略的取組みが求められます。管理費滞納回収の全体フローを整理します。第一段階(任意回収):書面督促→電話・訪問交渉→分割払い協議・誓約書取得。第二段階(法的手続き・書面審理型):支払督促申立て(書面審理・簡便・迅速)→相手方異議なければ仮執行宣言→確定→強制執行(預金・動産・不動産)。第三段階(法的手続き・訴訟型):少額訴訟(60万円以下)または通常訴訟→判決取得→強制執行。第四段階(担保物権実行):区分所有法7条の先取特権実行(動産競売・不動産(区分所有権)競売)。第五段階(最終手段):区分所有法59条競売(4分の3以上の多数決・補充性要件)。各段階で時効管理(5年・催告・承認・更新)を並行して行うことが不可欠です。内容証明による催告(6ヶ月猶予)→猶予期間内に訴訟提起(更新)→確定判決(10年更新)というサイクルで時効を管理します。特定承継人責任との連携として、滞納者の専有部分が売却・相続等で移転する場合、新所有者(特定承継人)への債権行使が可能ですが、売買取引前に管理費滞納情報を提供・精算することが取引の安全と管理組合の回収効率を高めます。管理費滞納の予防策として、①引き落とし口座の残高不足時の早期通知・再振替、②支払方法の多様化(コンビニ払い・電子マネー)、③滞納早期発見のための月次照合体制の整備が重要です。マン管試験では本問の各手続きの特徴・要件・効果の「比較問題」が頻出であり、「少額訴訟60万円・控訴不可(異議申立て)」「支払督促・書面審理・異議で通常訴訟移行」「先取特権・判決不要・動産・区分所有権」「7条2項・特定承継人引継ぎ・告知不問」「59条競売・4分の3・補充性」の五点セットを正確に把握することが合格水準です。
本問は合格ナビが作成したオリジナル問題です(本試験問題の転載ではありません)。 根拠・出典:出典:マンション管理センター公表の出題範囲(マンション管理士試験)を参照した合格ナビ独自作成 各根拠条文は「e-Gov法令検索」(https://elaws.e-gov.go.jp/)で原文を確認できます。令和8年度(2026年度)試験基準日時点で施行されている法令の数値を反映(数値確認日 2026-06-11)。
本問・解説は試験対策のための学習コンテンツです。法令・通達・ガイドラインは改正されることがあるため、最新の内容は公益財団法人 マンション管理センター・国土交通省の公式情報をご確認ください。本サイトはセンターと一切関係ありません。
執筆・監修:Zawa Lab(合格ナビ運営者情報) / マンション管理適正化法・区分所有法・建替え円滑化法・標準管理規約・国土交通省ガイドラインの出題範囲分析に基づきオリジナル問題と段差性のあるAI解説を作成しています。