労働保険料徴収法10労働保険料徴収法

社労士 労働保険料徴収法 問10:労働保険料徴収法

令和8年度(2026年度)試験対応・数値確認日 2026-06-08-wave4-legal-revision

労働保険料徴収法における「認定決定」(政府による保険料額の決定)に関する次のア〜オの記述のうち、**正しいものはいくつあるか**。

  • 10個
  • 21個正答
  • 32個
  • 43個
  • 54個
正答:21個

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正答は2(正しい記述は1個・エのみ)です。

エが正しい記述です。認定決定に不服がある事業主は、都道府県労働局の「労働保険料等の認定決定」に対して審査請求を行うことができます(法第38条)。行政処分に対する不服申立て制度が適用され、処分を知った日の翌日から3か月以内に審査請求が可能です。

アは誤りで、過少申告(計算誤り)の場合も認定決定の対象となります。イは誤りで、認定決定の前に必ず督促が必要とは規定されていません。ウは誤りで、認定決定額にペナルティとしての割増を定める規定はありません(追徴金は別途)。オは誤りで、認定決定後に事業主が申告した場合は申告内容と認定決定を比較して正しい保険料額を決定する手続きがあります。正しい記述はエの1個のみです。

標準試験対策の基準レベル

認定決定の概要(法第19条):

| 項目 | 内容 |

|---|---|

| 発動要件 | 事業主が概算保険料・確定保険料・増加概算保険料等の申告を行わなかった場合、または申告額が少なすぎる場合 |

| 実施者 | 都道府県労働局長(または所轄労働基準監督署長) |

| 決定内容 | 政府が独自に賃金総額・保険料額を認定して書面で通知 |

| 納付期限 | 通知から15日以内(督促状の発送等による) |

各選択肢の精査:

  • ア(誤): 申告したが計算誤り(過少申告)の場合も認定決定の対象となる。申告不履行に限らない。
  • イ(誤): 申告不履行に対して必ず督促してから認定決定するという手順は法令上規定されていない。督促は未納に対して行われるもので、申告不履行に対する認定決定は直接行うことができる。
  • ウ(誤): 認定決定額はペナルティとして割増されるという規定はない。ただし延滞金(認定決定後の未納には延滞金が課せられる)は別途発生する。
  • エ(正・正答): 認定決定に対して審査請求(行政不服申立て)が可能(法第38条)。
  • オ(誤): 認定決定後に事業主が申告した場合、申告内容が認定決定より低額であれば認定決定が優先されることになるが、適切な申告があれば職権で訂正できる場合がある(行政実務による)。

督促と滞納処分の流れ:

認定決定→納付期限→督促状発送→督促に従わない場合→滞納処分(財産差押え等)という行政強制執行の流れです。

上級誤答論破・根拠条文・通達まで深掘り

【認定決定の法的性格:形成的処分か確認的処分か】

認定決定は、事業主が申告しないという「申告義務の不履行」に対して政府が保険料額を一方的に確定する行政処分です。これは確認的処分(既存の事実を確認するもの)に近い性格を持ちますが、認定された保険料額が申告に基づく額と異なる場合(政府が独自に算定した賃金総額を用いる場合)は形成的な側面も持ちます。行政不服申立て(審査請求)の対象となる「行政処分」としての性格を持つため、エが正しいです。

【認定決定における賃金総額の算定方法】

事業主が申告しない場合、政府は「当該事業と類似する規模・業種の事業の賃金総額の平均値等を参考に」賃金総額を認定します(類似事業比較法)。社労士試験では「どの程度のペナルティがあるか」が問われることがありますが、ペナルティ的な割増は法令上規定されていません(ただし延滞金は当然発生)。実務的には「政府の認定額が実態より高くなるリスク」があるため、事業主は正確な申告を行うことが重要です。

【督促と滞納処分の詳細(ウ・エの補足)】

認定決定後の保険料未納に対して:

1. 督促状の送達(通常10日前後の納付期限を設定)

2. 督促後も未納なら滞納処分(不動産・動産・預金等の差押え→公売→充当)

督促・滞納処分は国税徴収法の例によって執行され、租税に準じた強力な徴収権限があります。建設業・飲食業等の資金繰りが不安定な事業者で「概算保険料を申告したが納付できない」という案件は社労士実務で定期的に遭遇します。

【審査請求の手続きと期限(エの詳細)】

認定決定に対する審査請求(法第38条)は、処分があったことを知った日(通常は通知書受領日)の翌日から3か月以内に、都道府県労働局長への審査請求として行います。審査請求の対象は「認定決定の取消し・変更」であり、事業主が「実際の賃金総額はこの金額であり、認定決定額は高すぎる」と主張する場合に活用できます。審査請求が棄却された場合は、次の手段として「行政事件訴訟(取消訴訟)」に移行できます(行政不服申立前置・法第40条)。

【認定決定後の是正と社労士の実務的対応】

社労士が認定決定を受けた事業主から相談を受けた場合:

1. まず申告の正確性を確認(実際の賃金総額・保険料額を算定)

2. 認定決定額と比較(実際の額が認定決定より低ければ審査請求の余地あり)

3. 審査請求・納付計画の立案(延滞金軽減のための早期納付の提案も含む)

事業主が概算保険料の申告を忘れていたケースでは、認定決定前に「自発的な申告」を促すことが延滞金の最小化につながります。「申告書を出していないことに気づいた→直ちに申告する→遅延は不可避だが自発的申告で認定決定よりも低い保険料額で確定できる可能性がある」という実務的な対応手順が社労士の付加価値です。

根拠: 労働保険の保険料の徴収等に関する法律第15条・第18条・第19条・第38条。厚生労働省「労働保険料の認定決定・督促・滞納処分」(確認日2026-04-10)。

出典・根拠について

本問は合格ナビが作成したオリジナル問題です(本試験問題の転載ではありません)。 根拠・出典:根拠: 労働保険料徴収法第15条・第16条・第17条・第18条・第19条(認定決定・督促)、第38条(不服申立て) <!-- 監修確定 2026-06-08(legal-reviser): エ「認定決定への審査請求可」は法第38条(労働保険審査官・労働保険審査会)および行政不服審査法の適用関係と整合。処分を知った日の翌日から3か月以内に審査請求。ア「申告誤り(過少申告)は認定決定対象外」は誤り(法第15条第3項で「政府の調査による訂正」が可能)。ウ「ペナルティ割増」の規定は徴収法に存在せず(追徴金10%は別途・法第21条)誤り。オ「認定決定後の自発的申告は無効」も誤り。正答エ(エのみ正しい→1個)で一意性確保。 --> 各根拠条文は厚生労働省「e-Gov法令検索」(https://elaws.e-gov.go.jp/)で原文を確認できます。令和8年度(2026年度)試験基準日時点で施行されている法令の数値を反映(数値確認日 2026-06-08-wave4-legal-revision)。

本問・解説は試験対策のための学習コンテンツです。法令・通達は改正されることがあるため、最新の内容は厚生労働省・全国社会保険労務士会連合会の公式情報をご確認ください。

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