問題
労働保険料徴収法における印紙保険料の額・納付方法および報告に関する次のア〜オの記述のうち、誤っているものはどれか。
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答え合わせ
- ア
- イ
- ウ
- エ
- オ
自信の3択
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解説
正答はエ(誤っている記述)です。
法第24条は、事業主が備える帳簿について「毎月におけるその納付状況を記載し、かつ、翌月末日までに当該納付状況を政府に報告しなければならない」と定めています。報告は月単位で行うものであり、印紙を貼付するごとに都度報告する義務はありません。エはこの点で誤りです。
ア・イ・ウ・オはいずれも印紙保険料の3段階区分の金額、賃金支払の都度の納付義務、貼付・消印による納付(納付計器による代替を含む)、日雇労働被保険者手帳の提出・返還という条文どおりの正しい記述です。
印紙保険料の仕組み(法第22条〜第24条):
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 対象 | 日雇労働被保険者を使用する事業主 |
| 額(3段階区分・法第22条第1項) | 賃金日額11,300円以上=176円/8,200円以上11,300円未満=146円/8,200円未満=96円 |
| 納付方法(原則) | 賃金を支払う都度、日雇労働被保険者手帳に雇用保険印紙を貼り消印(法第23条第1項・第2項) |
| 納付方法(例外) | 厚生労働大臣の承認を受けて設置した印紙保険料納付計器により、納付印を押して納付(法第23条第3項) |
| 帳簿・報告 | 毎月の納付状況を帳簿に記載し、翌月末日までに政府へ報告(法第24条) |
| 手帳の提出 | 日雇労働被保険者を使用するときは手帳を提出させ、請求があれば返還(法第23条第6項) |
エが誤りである根拠:
貼付・消印という「納付行為」自体は賃金支払の都度(日次)行いますが、その納付状況についての「政府への報告」は法第24条により月次(翌月末日まで)です。両者を混同して「都度報告」とするエは誤りです。
各選択肢の精査:
- ア(正): 3段階区分・176円(11,300円以上)は法第22条第1項1号どおり。
- イ(正): 賃金支払の都度の納付義務は法第23条第1項どおり。
- ウ(正): 貼付・消印を原則とし、納付計器による代替を認める規定は法第23条第2項・第3項どおり。
- エ(誤・正答): 報告は翌月末日までの月次報告であり、都度報告ではない(法第24条)。
- オ(正): 手帳を提出させる義務と、請求があったときの返還義務は法第23条第6項どおり。
【印紙保険料制度の設計:日次の納付行為と月次の報告の分離(エの誤りの核心)】
印紙保険料は、日雇労働者という流動的な就労形態に対応するため、「賃金を支払う都度、その場で印紙を貼って消印する」という日次の納付行為を基本とする特殊な制度です(法第23条第1項・第2項)。しかしこれは「日々の納付行為」の話であって、「政府に対する報告」まで日次で行うことを意味しません。法第24条は「帳簿を備えて、毎月におけるその納付状況を記載し、かつ、翌月末日までに当該納付状況を政府に報告しなければならない」と、報告を月単位で行うことを明文で定めています。エのように「都度報告」とするのは、日次の納付行為と月次の報告義務という別個の手続を混同した誤りです。
印紙保険料納付計器による納付(ウの補足)
雇用保険印紙の物理的な貼付・消印に代えて、事業主が厚生労働大臣の承認を受けて印紙保険料納付計器を設置した場合には、当該計器により日雇労働被保険者手帳に納付すべき印紙保険料の額に相当する金額を表示して納付印を押すことで納付することができます(法第23条第3項)。この承認は、事業主がこの法律・雇用保険法またはこれらに基づく省令に違反した場合には取り消されることがあります(法第23条第4項)。
3段階区分の趣旨(アの補足)
印紙保険料の額は日雇労働被保険者の賃金日額に応じて3段階(176円・146円・96円)に区分されています(法第22条第1項)。この第一級〜第三級保険料日額は、雇用保険法第49条第1項により日雇労働求職者給付金の第一級〜第三級給付金の日額が変更されるときは、その変更の比率に応じて変更するものとされており(法第22条第4項)、保険料の等級と給付の等級が対応する仕組みになっています。
手帳の提出・返還(オの補足)
事業主は日雇労働被保険者を使用する場合、その者の日雇労働被保険者手帳を提出させなければならず、提出を受けた手帳は本人から請求があれば返還しなければなりません(法第23条第6項)。印紙の貼付・消印(または納付印の押なつ)は、この手帳の該当日欄に行うためです(施行規則第40条・第44条)。
帳簿・報告義務違反の罰則
法第24条の帳簿の備付け・記載・報告の義務に違反した場合(帳簿を備えない、記載しない、虚偽の記載をする、報告をしない、虚偽の報告をする)は、6か月以下の拘禁刑または30万円以下の罰金に処せられます(法第46条第2号)。日雇労働者を多数使用する建設業・港湾業等では、この帳簿・報告義務の正確な履行が社労士による労務管理支援の重要な確認項目になります。
社労士実務での留意点
印紙保険料の実務では、日次の印紙貼付(現場での実務)と月次の報告書提出(翌月末日期限)という二段構えの手続を正確に区別して顧問先に説明できることが、この分野の実務的な理解の核心です。
- 労働保険の保険料の徴収等に関する法律e-Govで原文を読む
- 雇用保険法第49条e-Govで原文を読む
出典と作り方
本問は合格ナビが作成したオリジナル問題です(本試験問題の転載ではありません)。 根拠・出典:根拠: 労働保険の保険料の徴収等に関する法律第22条(印紙保険料の額)・第23条(印紙保険料の納付)・第24条(帳簿の調製及び報告) 一次ソース: e-Gov 法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/344AC0000000084#Mp-At_22 (法令API v2で全文取得・確認日2026-09-30) 各根拠条文は厚生労働省「e-Gov法令検索」(https://elaws.e-gov.go.jp/)で原文を確認できます。令和9年度(2027年度)試験に向けて2026年10月1日時点の現行法令の数値を反映(令和9年4月の法改正で変わる箇所は試験前に更新・数値確認日 2026-10-01)。
本問・解説は試験対策のための学習コンテンツです。法令・通達は改正されることがあるため、最新の内容は厚生労働省・全国社会保険労務士会連合会の公式情報をご確認ください。

